夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『こんにちは、私のお母さん』

2022年01月17日 | 映画(か行)
『こんにちは、私のお母さん』(原題:你好,李煥英)
監督:ジア・リン
出演:ジア・リン,チャン・シャオフェイ,シェン・トン,チェン・フー,リウ・シア他
 
午前中に西宮ガーデンズに入庫して、阪急電車に乗車。
夙川でひとりランチしてから西宮に戻り、怒涛の4本ハシゴ。その1本目。
劇場はもちろんTOHOシネマズ西宮です。
仕事帰りに西宮までよう行かんようになり、このとき以来の久しぶり。
 
中国の人気女優の初監督作品で、自身が主演も務めているとありました。
ジア・リンと聞いても知らないから、勝手に美人女優を想定。
そうしたら、画面に映るのは美人には程遠いぽっちゃり、というのかデブ女優。
35歳はゆうに過ぎているであろう容貌で中学生時代から演じるって、どやねん。
『消えない罪』で20歳を演じたときのサンドラ・ブロックよりキツイ。
こりゃハズレだなと思いつつ観はじめたら、めっちゃよかった。最後号泣。
そうでしたか、人気「喜劇」女優だったのですね。納得。
 
生まれたときの体重がすでに5キロ近かったシャオリン。
成績悪い、運動苦手、先生から呼び出されること多数。
そのたびに息を切らせて学校に駆けつける母ホワンイン。
そんな状況が変わらないまま、高校を卒業する時期に。
 
希望していた大学の学部には通らなかったが、かろうじて他の学部に合格。
母を喜ばせようと希望学部の合格証を偽造するが、すぐに露見。
呆れつつも笑う母と自転車に二人乗りする帰り道、交通事故に遭う。
 
シャオリンは無傷だったものの、母は意識不明の重体。
母に目覚めてほしくて泣き崩れていると、いつのまにか20年前、
1981年にシャオリンはタイムスリップしていて……。
 
私はまだお母さんを喜ばせていない。このままお母さんに死なれては困る。
自分が生まれる前にタイムスリップしたシャオリンは、
まだ結婚する前の母ホワンインに出会い、なんとか母を喜ばせようとします。
 
タイムスリップ前に親戚が話していたことをふと思い出し、
ホワンインを会社のバレーボール大会に参加させようとしたり、
工場長の息子と出会わせて見合いを実らせようとしたり。
 
金も地位も約束された相手とホワンインが結婚することができたなら、
母はきっと幸せに暮らせるはず。
しかし、母が父以外の相手と結婚すれば、自分が生まれることはないわけです。
この辺りの娘の葛藤は『ハッピー・デス・デイ 2U』(2019)を思い出します。
 
って、過去の作品を思い出すぐらいですから、さほど珍しくないんじゃないの。
と思ったら、最後にやられた。
終盤はずびずび鼻をすすり、泣きながら観ました。
 
「いってらっしゃい。気をつけてね」と本気で言っているのは母親だけだと、
いつかどこかで聞いたことがあります。
あなたが健康で幸せならそれでいい。
 
新年になってから劇場ではまだ10本ちょいしか観ていませんが、ダントツの1位です。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『truth 姦しき弔いの果て』 | トップ | 『ヴェノム:レット・ゼア・... »

映画(か行)」カテゴリの最新記事