夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『マジェスティック』

2002年11月15日 | 映画(ま行)
『マジェスティック』(原題:The Majestic)
監督:フランク・ダラボン
出演:ジム・キャリー,マーティン・ランドー,ローリー・ホールデン他

アカ狩りがおこなわれていた時代、脚本家のピーターは共産主義者とまちがわれ、
映画会社から追い出されるはめに。
ヤケになって飲みに行った帰り、交通事故に遭って川に転落します。
目が覚めると見知らぬ町に流れ着いていました。
記憶を失ってしまった彼は、その町に昔住んでいて
戦争から戻ってこなかったルークという人物とまちがわれ、みんなの英雄に。
ルークが経営していた映画館を再開します。
が、やがて記憶が戻って……というお話。

前述の『キューティ・ブロンド』に対して、
「これはほんとにあったんか?」と思ってしまう話です。
でも、ありそすぎて、「でもアカ狩りってこんな程度やったん?」という疑問が。
ファンタジーにはなりきれないファンタジー映画かなぁ。

同じ監督作品で好きな順に並べると、
『ショーシャンクの空に』(1994)(別格)>『マジェスティック』>『グリーンマイル』(1999)
となります。私としては。

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『キューティ・ブロンド』

2002年11月15日 | 映画(か行)
『キューティ・ブロンド』(原題:Legally Blonde)
監督:ロバート・ルケティック
出演:リース・ウィザースプーン,ルーク・ウィルソン,セルマ・ブレア他

ブロンドの金持ち娘が、交際中の由緒正しい家柄の男性からのプロポーズを待っていたのに、
「ブロンドの女性は頭が悪そう」という理由でフラれます。
一念発起した彼女は猛勉強してハーバードのロースクールへ。
入学当初はどうなることかと思いきや、
努力が実って裁判まで引き受けて……という超サクセス・ストーリー。

あのトルシエの通訳で一躍有名になったフローラン・ダバディーさん
(私は映画雑誌編集者のほうの彼を先に知っていたので、通訳で出てきたときは心底驚いた!)は、
この映画を年間ワーストに投票しそうなほど怒っておられました。
「世の中をなめちゃいかん」って。

でも私は好きだなぁ、こういうの。
ありえない話なだけに、怒るのはもったいない。

裁判で容疑者となる世紀のダイエット提唱者が
実は脂肪吸引に通っているという裏話(またもやネタバレ、すみません)や、
主人公が男性の気を引く方法をネイルサロンで他の客に伝授する姿、
ゲイの見分け方などなど、ばかばかしいけどかわいくて笑えます。
ありえないサクセス・ストーリーでありつつ、
そんな裏話のなかにはほんまなんやろなという話もあって興味津々。

ど~でもいいことですが、
主演のリース・ウィザースプーンのアゴを見るたび、
猪木のアゴを思いだす私って失礼?

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別の意味で目が点になった映画

2002年11月11日 | 映画(番外編:小ネタいろいろ)
いい意味で目が点になった映画は『パーフェクトストーム』(2000)です。

男前のジョージ・クルーニーほか数名の漁師が海に出て
すんごい嵐に遭うという、実話ベースの話。

この展開だと、普通はその嵐を乗り越えて誰かひとりは帰ってくる。
もしくはベースの話のとおり、
誰も生還はしないけど、仲間をかばい合ったりだとか、
「現場にいた漁師たちしか知り得ないであろうかくも美しい秘話が!」
という感動物語にまっしぐらだと思いますが、
みんなでさんざんもめた末、あっというまに全員波にのみ込まれて死亡。

アンマリな展開に目が点になり、不謹慎にも爆笑してしまいました。
この監督、ほんまに映画を撮るのが好きなんやなと思って。
感動的な話を創りあげるのではなく、
自分の撮りたいように撮ってるだけなんやと思いました。
『U・ボート』(1981)を撮ったドイツ人の監督です。
『ネバーエンディング・ストーリー』(1984)もそう。

こんな展開にしたせいで、漁師の遺族たちから訴えられたというのが後日談。
そらそやわなと思ってまた笑ってしまいました。す、すんません。

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目が点になった映画(その2)

2002年11月11日 | 映画(番外編:小ネタいろいろ)
観ている途中で「まさか・・・となるんとちゃうやろな」と嫌な予感が走り、
そしてそのとおりのオチを迎えた映画には目が点にさせられます。
ネタバレ満載。

まずはご挨拶でもちょっと触れた『ポネット』(1996)。
母を事故で亡くしためちゃめちゃかわいい女の子が、
その死を受け入れられずにいる様子を1時間半撮りつづけ、
「まさかオカンが幽霊になって現れるんとちゃうやろな」と思ったら、
まさにそのとおりに。そして映画は終わります。
ズッコケそうになりました。
もっとはよ化けて出てきてほしかったわ。

この映画については、ウソかホンマか、
主演の少女を「君のお母さんは死んだんだ」と洗脳して
映画にのぞませたという話をどこかで聞いて思わず納得。
トラウマになったらどうすんねん!
……トラウマにもならんと無事成長した姿は『ショコラ』(2000)でご覧になれます。
「よう無事育ったもんや」と思って、
私はこの『ショコラ』のほうに涙しました。

つづいて、『A.I.』(2001)。
子どもが意識不明に陥ってしまった夫婦が、悲しみを癒すために、
人間の子どもそっくりにつくられたロボットを買い取ります。
引き取り手の両親から愛情をそそがれて、ロボットは本当の家族のように生活するけれど、
やがて子どもが意識を取り戻し、家族に必要なくなったロボットは捨てられてしまいます。
母の愛が永遠につづくと思っていたロボットは、
母のもとに帰ろうと母を探しつづけるという話。

人間には当然死が訪れて、ロボットは死なないわけだけど、
海の底に沈んでしまったロボットが眠りについたとき、
「まさか目が覚めたら何千年とか何万年とか経ってました
……っちゅうオチとちゃうやろな」と思っていたら、
ほんまにそのとおりに。そして映画は終わるのね。
映画館で本当にズッコケました。

目が点になった映画Part2でした。

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『オテサーネク』

2002年11月03日 | 映画(あ行)
『オテサーネク』(原題:Otesánek)
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
出演:ヴェロニカ・ジュリヴァー,ヤン・ハルトゥル,クリスティーナ・アダムツォヴァー他

昨年の晩秋末に公開されたチェコ/イギリスの映画です。DVDにて。

子宝に恵まれない夫婦。
毎日泣きどおしの妻をのために、夫は赤ちゃんの姿に似た切り株を持ち帰ります。
妻は大喜びして、この切り株をオティークと名づけ、ベビー服を着せ、あやします。
愛情を注がれた切り株には生命が宿り、
どんどん大きくなって、そのうち人を食べるように。

と書くととても恐ろしそうだけど、ホラーというよりおとぎ話です。

大人は次々と食べられてしまうのに、
この家の異変に気づいた隣家の少女には素直にしたがうオティーク。
食べる前には手を洗う習慣を、少女がオティークに躾けるシーンなど、
兄妹がほしかった少女の気持ちも伝わってきます。
人を食べる前にも一生懸命手を洗うオティークには笑わされちゃう。

化け物とはいえ、自分の息子としてオティークを愛しつづける母、
狂気と思いつつ、何ともできずにオタオタしてしまう父、
うーん、非常におもしろいです。

タイトルのオテサーネクとは、
少女が読んでいる童話に登場する、まるでオティークな木のこと。
さて、結末やいかに。

「年間10本前後の映画を観る人」にはあまりお薦めできません。
「なんじゃこりゃ」と思うこと、請け合います。(^○^)

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