夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『スーサイド・スクワッド』

2016年09月22日 | 映画(さ行)
『スーサイド・スクワッド』(原題:Suicide Squad)
監督:デヴィッド・エアー
出演:ウィル・スミス,ジャレッド・レトー,マーゴット・ロビー,ジョエル・キナマン,ヴィオラ・デイヴィス,
   ジェイ・コートニー,ジェイ・ヘルナンデス,アドウェール・アキノエ=アグバエ,カーラ・デルヴィーニュ他

9月に入ってすぐ、立て続けに映画を7本観たものの、
以後は自治会の大掃除や、最下位になるかもしれない某球団の試合観戦や、
大学時代の友人との昼宴会などもあり、映画を観る機会なし。
敬老の日にやっと機会到来、ちょうど109シネマズの「ポイント会員感謝の日」。
わが家から最も近い劇場、109シネマズ箕面で鑑賞することに。

ちょっと劇場に行かない間に新作がいっぱい封切られていて、
どうやって優先順位を決めればいいのかわからない。
ただ、今週はまだ劇場に行く機会がありそうだし、
「東宝17番組共通前売券」が手もとに3枚あるから、そのラインナップに入ってる作品はパス。
上映時間が特に長い作品もTOHOシネマズでマイルを貯めるために取っておく。
そんな観点から19日にハシゴする2本を選びました。

1本目は、アメコミの悪役キャラクターがぞろぞろ出演するという本作をIMAX3Dで。
眼鏡の上に3Dメガネというのは相変わらずズレるんですが、
眼鏡着用者の方々、いったいどうしていらっしゃいます?

“スーパーマン”がいなくなった世界に訪れた最大の危機。
アメリカ政府の女性高官アマンダ・ウォラーの提案により、
服役中の悪党たちを集めた特殊部隊“スーサイド・スクワッド”が結成される。

メンバーに抜擢されたのは、百発百中のスナイパー“デッドショット”。
自分の患者ジョーカーに恋してしまったがために、
ジョーカーによってさまざまなショック療法を施され、
サイコパスと化してしまった元・精神科医“ハーレイ・クイン”。
ブーメランを扱う強盗犯“キャプテン・ブーメラン”。
手のひらから炎を出す特殊能力保持者“エル・ディアブロ”。
爬虫類のような肉体を持ち、地下に潜む“キラー・クロック”。

メンバーの指揮を執るのはリック・フラッグ大佐。
もしもウォラーおよびフラッグの指示に背くようなことがあれば、
メンバーの首に巻き付けられた爆弾のスイッチが押されるのだ。

ミッションの真実は長らくメンバーに知らされないままだったが、
女性探検家ジューン・ムーンが調査中に偶然魔女を解放してしまい、
しかも肉体を乗っ取られたことを知り……。

もっとはっちゃけた作品を想像していたら、思ったよりシリアス。
しかし笑えるところも相応にあり、なかなか楽しめます。

スーサイド・スクワッドのメンバーがいずれも魅力的。
キャプテン・ブーメランだけは要らんかったやろと思いますし、
彼から逃走に誘われたせいでいとも簡単に死んでしまった“スリップノット”、
出番も見どころもほとんどないままサヨナラでお気の毒。

ハーレイ・クイン役のマーゴット・ロビー
『ターザン:REBORN』の奥様役の清楚さとはまるでちがうキレ味。
美貌が邪魔することなく、幅広く何でもできそうです。
デッドショット役のウィル・スミスも本領発揮。
オスカー狙いのシビアな役もいいけれど、彼はやっぱりこっちでしょう。

フラッグ役のイケメン、ジョエル・キナマンは、主演の『ロボコップ』(2014)よりも、
脇役だった『チャイルド44 森に消えた子供たち』(2014)のほうが印象が強い。
そのせいでものすごく腹黒い奴のイメージが強かったのですが、
本作ではスーサイド・スクワッドに手を焼きながら
魔女に肉体を奪われた女性奪還に心を砕く男を演じていい感じ。
フラッグの部下役で出演しているのはクリント・イーストウッドの息子、スコット・イーストウッド
そう聞くと、ちょっと父親に似ている気が。
ノークレジットで出演のベン・アフレックも楽しませてくれます。

みんなが「てめぇが死ね!」と思ったのは、
普段は圧倒的にいい人役の多いヴィオラ・デイヴィス演じるウォラーでしょう。
これ、きっと続編がありますよね。ウォラーに天罰が下るとこ、見たい。

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チェーンの居酒屋と侮ることなかれ。

2016年09月20日 | まるっきり非映画
ひと月近く前の話になってしまったのですけれども。

昨年8月、高校の同窓会の折におじゃました贔屓屋 北野阪急店
後日お礼のメールを送ったら、店長さんからお電話をいただいてビックリしたのは
「お礼のお礼をいただいて」に書いたとおり。

年に1回の同窓会、毎年、店を変えていましたが、
あんな気持ちのよい対応をしてくれる店はなかなかないので、
今年も贔屓屋 北野阪急店にするつもりでいたところ、
ちょっとしたワケがあって、今年は同窓会を2回に分けざるを得なくなりました。
別に仲間割れしたとかじゃないですよ(笑)。

で、1回目のほうが人数多く、しかも女子会になりそうな雰囲気。
女子ばかりならちょっとオシャレな店に行っとくかと、グランフロントへ。
結局男子も2人来て、1人は暑さに扇子で仰ぎながら入店してきたから、
その店には似合わなすぎる登場に笑いましたが。

ほいで同じ週に2回目。参加者は1回目とほぼかぶる。
だけどかぶっていない人が主賓とも言える(その人が毎夏来阪するから同窓会している)状況。
私を含めて5人のみだったので、ほなら贔屓屋に行こうかと予約。
去年「お礼のお礼電話」をいただいたことが嬉しくての再訪だと告げると、
店長さんがまたしても「ありがとうございます」と心のこもった声でおっしゃる。

当日、直前に参加できることになった人がひとりいて、
5人でも6人でもテーブルの数は同じやし行けるやろ、
飲み放題付きのコースを頼んでるから、1人分追加したらええなと思い、
あらためて連絡は入れずに贔屓屋に突撃。

そうしたら、ものすごい混みよう。
1人追加したいと告げると、あの店長さんが出てこられて、
「こんな状態なので、お料理は増やすの無理なんです」。
すみませんと謝ってくださるけれど、普通はコースは人数分頼むのが鉄則。
なのに、6人で行ってコース5人前、飲み放題料金の1,200円だけいただきますと言わはる。
こちらとしてはこのうえなくありがたい申し出。

満員御礼で大忙しのときでも、乾杯の音頭は店員さんが取ってくださるのがこのお店。
店長みずから音頭を取りにテーブルに来てくださいました。
料理5人前と言いつつ、こそっと増やせるものは増やしてくれはって、
何もかもじゅうぶんすぎるボリューム。

「贔屓屋なんて、どこの店舗へ行こうが同じチェーンの居酒屋」、
そう思っていました。ごめんなさい。店長次第で如何ようにもなる。
いい店長といい店員がいれば、大はやりの店に。

ウチの隣のテーブルのおっちゃん3人連れ。
何を頼んだのかわかりませんが、店員さんから「それは別料金になるんですけど」と言われ、
一瞬沈黙したのち、「店長に言うてきて~っ!」(笑)。

無茶ぶりする客、無理を言う常連客も増えるでしょうが、
そこは上手くさばきはるにちがいない。
年に1回の利用ですみません。が、またよろしくお願いします。
本当にありがとうございました。

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『ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS』

2016年09月19日 | 映画(た行)
『ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS』
監督:熊切和嘉
出演:松田翔太,浜野謙太,須賀健太,NOZOMU,OMSB,木原勝利,
   宇野祥平,政岡泰志,康芳夫,安藤サクラ,柳沢慎吾他

仕事帰りにTOHOシネマズ西宮で2本ハシゴの2本目。
2日続けて平日の晩に2本ずつ観るとさすがにヘロヘロです。
気合い、気合い。面白かったら寝ないもの。
1本目に観た前述の『セルフレス 覚醒された記憶』はお目目らんらんでしたが、
これはちょっとビミョー。深夜枠TVドラマならではの面白さと推察。

密入国した外国人がひしめく東京。
難民認定を受けられず、貧困生活を余儀なくされた異邦人が、
自分たちを守るためにつくりあげた秘密組織、裏都庁。
裏都庁には銀行、病院、そして警察もある。

異邦警察“ディアスポリス”のただ一人の警察官・久保塚早紀(松田翔太)。
彼の助手を務めるのは、東大卒のエリート銀行員でありながら、
横領の罪を着せられて逃亡中に裏都庁で拾われた日本人・鈴木博隆(浜野謙太)。

ある日、裏都民のマッサージ嬢・マリアが、呼ばれた先で拉致される。
身代金の送金を求める電話がマリアの友人のもとへ入り、
とりあえずは要求に応えるよう久保塚はアドバイス。
その間に拉致された場所と犯人を突き止めるが、
到着したときにはマリアは惨殺され、犯人は逃走していた。

犯人はジョウ(須賀健太)とリン(NOZOMU)という若者二人組。
彼らはアジア人犯罪組織“ダーティ・イエロー・ボーイズ”のメンバーになりたくて、
ボスへの上納金を稼ぐために強盗を繰り返していたのだ。
マリアを殺したあと、チンピラの横島と悶着したうえに横島をも銃殺。
横島を可愛がっていた黒銭会のGM・伊佐久真人(真木蔵人)が激怒する。

こうして久保塚と伊佐久の両方から追われる身となったジョウとリンだが、
ダーティ・イエロー・ボーイズの支部長に会ったところ、どうしようもない奴。
ジョウとリンは支部長をぶっ殺し、メンバーだったホセ(OMSB)とパク(木原勝利)を仲間に、
各地の支部長を次々と殺しにかかる。

ジョウの父親が北京の地下教会の牧師だったことを知った久保塚は、
信仰は簡単には捨てられないはずだと、各地の教会に聞き込みに行くのだが……。

劇場版が製作される場合、TVドラマ版を観ていなくてもわかるように、
丁寧ではなくとも簡単な説明が付くことが多いですが、これは無し。
そんなに複雑な話でもないのでついてはいけるけど、
もう少しなんらかの説明があってもいいような。
キャラがわからないから、あんまり笑えないんです。
犯人たちの不幸な境遇はわかるけど、共感はまったく持てません。
短絡的で残虐なうえに、最後のそこ、その人を盾にするかと嫌悪感。

そんななか、嬉しくなったのは、関西の支部長役の宇野祥平
最近の活躍ぶりは目を見張るものがあり、こんな役もできちゃうのかと笑いました。
えらく自然な関西弁だなと思ったら大阪出身。さらに親近感が湧きました。
関西支部メンバーとして登場する安藤サクラもワラけます。
彼女は東京出身にもかかわらず、いい具合に力の抜けた関西弁で、これとはちがう。

ゲロあり、血ドバドバで直視に堪えないシーンも。
この日のハシゴ、観る順番としては逆のほうがよかったです。
睡魔には襲われなかったけど、イマイチ。

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『セルフレス 覚醒した記憶』

2016年09月17日 | 映画(さ行)
『セルフレス 覚醒した記憶』(原題:Self/Less)
監督:ターセム・シン
出演:ライアン・レイノルズ,ベン・キングズレー,ナタリー・マルティネス,
   マシュー・グード,ヴィクター・ガーバー,デレク・ルーク他

ダンナ2泊3日の国内出張中で、ワタシ映画三昧の2日目。
火曜日はTOHOシネマズのシネマイレージ会員デーなので、
前売り券がなくても1,400円。
レイトショーは1,300円で観られるから、この日も仕事帰りに2本。

1本目はインド出身の色彩の魔術師、ターセム・シン監督の作品。
『ザ・セル』(2000)、『落下の王国』(2006)、『白雪姫と鏡の女王』(2012)、
いずれもその鮮やかな色づかいが印象に残っています。
それに比べて本作は色ひかえめと思いきや、やはりマジック健在。
たいして期待もせずに観に行ったらかなり面白かった!

「ニューヨークを創った男」とまで称えられる建築家で大富豪のダミアンは、
癌があちこちに転移し、余命わずかと宣告される。
もうすぐ死ぬのだということを伏せて一人娘のクレアに連絡を入れるが、
これまで家族に目を向けてこなかった父親とは口も利きたくないらしい。
NPO法人を主宰するクレアの資金の足しにと小切手を持参すると、
「なんでも金で片づけられると思っている最低な男」とバッサリ。
このまま娘と和解せずに死んでしまうのか。

そんな折り、ダミアンに謎めいた科学者が接触してくる。
オルブライトというその男は秘密の研究所を運営しており、
死者の頭脳を若い肉体にそのまま転送できると言う。
転送先の肉体は最先端クローン技術でつくりあげたもので、すでに成功例あり。
信じがたい話ではあるが、金なら唸るほどあるのだから、試す価値はある。

こうしてダミアンは死んだ瞬間に若い肉体を手に入れ、
エドワードという新しい名前で暮らしはじめる。
幻覚等の副作用を抑えるために薬の服用が必要だが、
その面倒など些細なものに感じるほど、新しい人生を謳歌。

ところが、ひょんなことからクローンだという話に疑問を持つようになる。
幻覚で見た記憶を頼りに辿りついた先には、女性と少女が。
ダミアンの容貌を見て驚喜する女性マデリーンと少女アナ。
クローンのはずの肉体は、マデリーンの夫マークという男のものだったのだ。
殺人を犯してまで頭脳の転送がおこなわれていたことを知ってしまい、
ダミアンはマデリーンとアナ共々、組織から命を狙われるようになるのだが……。

ダミアン役にはベン・キングズレー
エドワードおよびマーク役にはライアン・レイノルズ
ベン・キングズレーの出番は最初の数十分だけなのに、その存在感の大きいこと。
見た目ライアン・レイノルズなのに中身はベンだと感じさせるのは、
ふたりとも演技が上手いということなのでしょう。
ベンにその力があるのは当たり前のことですが、ライアンも一皮むけたかも。

自分とは真逆の人生を送る若者として過ごしてみてわかったこと。
エドワードとしてクレアに会いに行くシーンには胸を打たれます。
鑑賞前の印象とは異なり、意外に厚みのある作品でした。

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『ブレイク・ビーターズ』

2016年09月15日 | 映画(は行)
『ブレイク・ビーターズ』(原題:Dessau Dancers)
監督:ヤン・マルティン・シャルフ
出演:ゴードン・ケマラー,ゾニア・ゲアハルト,オリヴァー・コニエツニー,
   ゼバスティアン・イェーガー,ライナー・ボック他

前述の『アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲』とハシゴ。
同じくシネ・リーブル梅田にて。

これもどうしても観たかったわけではないのですが、
ハシゴできる時間帯の上映作品はこれか『セトウツミ』『ロング・トレイル!』のみ。
残り2本はもう観ちゃったんだから、これしかない。

相当マイナーなドイツ作品のようで、監督も知らなきゃ俳優も知らない人ばかり。
唯一、ライナー・ボックだけはハリウッド映画でも見かける人。
これ、客入ります? 誰が引っ張ってきたのか謎。
との懸念は当たり、レビューUPに至った今日にはもう上映が終了しとるやないかい!(^^;

1985年、ベルリンの壁崩壊前の東ドイツ
青年フランクは、工業都市デッサウで父親と二人暮らし。
お気に入りの西ドイツのテレビ番組を見ていたところ、
近ごろ流行っているらしい不思議なダンスに魅了される。

そのダンスは「ブレイクダンス」と呼ばれているらしい。
近所の劇場でアメリカ映画『ビート・ストリート』が上映されると聞き、
さっそく友人アレックスを誘って観に行く。

すっかりブレイクダンスの虜になってしまったフランクは、
何が何でも大学へ進学しろとうるさい父親の言葉に耳を傾けず、ダンスに没頭。
アレックス、ミヒェル、それに可憐な女性マティと一緒に路上で踊る。
ダンスチームを結成して、“ブレイク・ビーターズ”と命名する。

ところが、ブレイクダンスの流行に警戒心を持つ娯楽芸術委員会は、
いっそのことブレイクダンスを社会主義化してしまおうと計画、
ブレイク・ビーターズを東ドイツ公認チームとして起用するのだが……。

実話が基なのだそうです。
30年前の話なので、ダサい(という死語がピッタリ)のは当然だけど、当然以上にイモっぽい。
登場人物がとにかくイモで、見た目も行動も格好よくありません。
ダンス自体も凄くはないから、苦笑に次ぐ苦笑という感じです。

親友同士でダンスを始めたら、二人とも紅一点の女子を好きになり、抜け駆け禁止に。
だけどそうは行かなくて、主役が内緒でつきあいはじめたらバレる。
青春映画の典型ですが、登場人物に魅力がないからドッチラケ。

上述のライナー・ボックはダンスの指導者役。
といってもブレイクダンスを知るよしもなく、
娯楽芸術委員会と秘密警察から指示されてチームを統制。
娯楽にまで秘密警察が口を出してきて統制を図るなんて怖すぎる。
映画としての魅力には欠けますが、東ドイツのあり方は面白く観ました。

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