めいすいの写真日記

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上野の西洋美術館が世界遺産になる?

2009-08-07 | 美術館を訪れる
 上野駅の公園口から外に出ると「西洋美術館を世界遺産に!」という横断幕が飾られています。この美術館は世界的に著名な都市計画家であり建築家であるフランスのル・コルビュジエの設計ということは知っていましたが、なぜこの美術館がという気持ちになります。



 西洋美術館は駅から歩いてすぐのところにあり、音楽の殿堂である東京文化会館と道路を隔てて並んで建っています。緑が多く環境は良好です。入り口の脇に「開館50周年記念 ル・コルビュジエと国立西洋美術館」のパネルがありました。ちょうど食事をした後の、昼の時間であったので、庭の中に入ってみました。



 こちらは西洋美術館の建物。開館してまもなくの頃に入った記憶があります。歴史を紐といてみるとここで、ピカソの「ゲルニカ」展や「ミロのビーナス」展が行われています。凄いことだと思います。今では、この2作品はあまりにも有名な芸術作品になりすぎていて再び海を渡って来ることはないでしょう。当時としても、もちろん有名であったことは間違いなのですが・・・・。
 この美術館の収蔵品は松方コレクションと呼ばれ、フランスの印象派画家などの絵画を中心に数多くの作品があります。戦前の収集であり、フランスにあったので、戦後、一時的にフランス政府に敵国財産として没収された経緯もあります。入館料を払い、建物の中に入れば良かったのですが、時間もなかったので中庭にある彫刻家ロダンの作品だけを再び見ることにしました。



 この作品は「考える人」。以前はよく広告などにも使われていましたが、最近は使われることが少なくなってしまったようです。
 青銅製なので、昔は酸性雨に溶け出してまだら模様になっていましたが、何か黒く加工したようです。この西洋美術館の中庭には何点かのロダンの作品がありますが同じような加工が施されていました。以前よりも観賞しやすくなった気がします。



 こちらは「カレーの市民」。英仏100年戦争の時、イギリス軍によって包囲された港町カレーの裕福な指導者達が人質としてイギリス軍に出頭していこうという様子を表現したもので、6人の苦悩がにじみ出ている傑作です。
 ロダンはこの作品を鑑賞者の目の高さで展示するようにいっていました。以前、ここで見た時は台座はなく低い位置に置かれていたのですが、今は台座の上に載せられてしまっています。どうしてそのようになってしまったのでしょうか。

 他にも中庭には、「弓を引くヘラクレス」、「アダム」、「イヴ」、「地獄の門」など見事なロダンの作品が飾られています。それが無料で見られるというのは素晴らしいことです。

 ところで、世界遺産の話。フランス政府が世界遺産登録の前提となる暫定リストに、フランス国内にあるル・コルビュジエの作品・計13件を「ル・コルビュジエの建築と都市計画」と登録していて、その後コルビュジェの作品でドイツやスイスにあるものと、この西洋美術館を含めて世界遺産に申請しようとしているもので、実現の可能性は高いようです。もし認められれば、都内唯一の「世界遺産」ということになります。

 8月12日から10日間ほど夏休みとして女房とフランスに行くことにしています。ル・コルビュジエの建築物を見学する予定はないのですが、ここになんとなく入ることになったのもフランスに行きとつながりがあるように思えてきました。

  FUJIFILM FINEPIX F200EXR で撮影

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