めいすいの写真日記

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METオペラ「アイーダ」

2020-02-07 | オペラ・バレエ

 オペラの代表傑作の一つといわれ、現在、最も人気のあるオペラともいわれるヴェルディ作曲「アイーダ」
 ほとんどの人が聞いたことがあるほど有名(サッカー日本チームを応援する時に口ずさむ・・・)な第二幕の勇壮な凱旋の場、「エジプトと聖なる国土の守護神イシスの神に栄光あれ」の合唱とアイーダ・トランペットの響き、息をのむほどの迫力があります。 
  メトロポリタン・オベラ(MET)の2018-2019シーズン、オープニングを飾った、このヴェルディの「アイーダ」。メトを代表する壮麗な舞台となっています。このスペクタルなプロダクションは、METにある7台の舞台昇降機を全て使っているとのこと。これは、今までに「アイーダ」だけといいます。出演群も100名を超え、本物の馬2頭も登場します。
 
 このプロダクションを観られるのは最後の機会であり、次回からの「アイーダ」は新演出になるようです。
  
 

 舞台は古代エジプト、戦いに敗れたエチオピアの王女アイーダは身分を隠しエジプトの女王アムネリスの奴隷になっていました。しかし、アイーダは敵国エジプトのの若き将軍ラダメスと密かに愛し合っていたのです。
 一方アムネリスもラダメスに恋していおり、アイーダとの仲を知った彼女は嫉妬に狂います。
  オペラ界の女王 歌姫アンナ・ネトレプコがMETで「アイーダ」役を美しく伸びやかな声と抜群の演技力で初披露します。
 アイーダの宿命の恋敵となるアムネリス役、アニタ・ラチヴェリシュヴィリは存在感が抜群で、濃密で陰影に富むパワフルな美声のメゾソプラノです。
 二人の演唱により舞台を傑出したものとなり、このプロダクションの最後を飾るのにふさわしいものでした。

 また、第1幕第2場のメンフィスのフター(火の神)の神殿で行われる戦運を祈る崇高な儀式も素晴らしい。

 幕切れのシーンもヴェルディが指定しているのは上が神殿、下が牢獄となっていて、感動的なシーンとなります。

上下に明確に分けることの出来るのは、他の劇場では困難なようです。


配役 アイーダ   ・・・ アンナ・ネトレプコ
   アムネリス  ・・・ アニタ・ラチヴェリシュヴィリ
   ラダメス   ・・・ アレクサンドルス・アントネンコ
           エジプト国王 ・・・ ライアン・スピード・グリーン
           ラムフィス  ・・・ ディミトリ・ベロセルスキー
           アモナズロ  ・・・ クイン・ケルシー

演出 ソニヤ・フリゼル  1937年生まれ、イギリス出身の女性
ニコラ・ルイゾッティ指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団・バレエ団

 ところで、演出のソニヤ・フリゼルは1937年生まれでイギリス出身の女性。
という以外、ネットで調べても分かりません。
 アイーダのこれだけのプロダクションを制作した演出家なのに経歴は不明です。
 現在年齢も83才のはずです。優れた演出家以外はこのような演出・・・「離れ業」は出来ないはずなのに謎だらけです。
 さて、アイーダはMETでも人気の演目、今回のプロダクションはこれで最後ということですので、早ければ2021-2022年には新演出で行われる筈です。これまで以上に魅力のあるコンストラクションになるのかどうか。今から興味津々です。

  ところで、このオペラの時代背景は古代エジプトとなっていますが、エジプトとエチオピアが戦争をしたという史実はありません。登場人物も架空の人ばかり。時代考証に基づいた舞台づくりといっても、正確には出来ません。ただ、凱旋行進の時の小道具には、ツタンカーメンの黄金のマスクに似たものが掲げられたり、輿などもまねて作られたりしています。神殿もアブシンベル神殿やルクソールにある神殿などを彷彿とさせるように作られています。神殿の内部にある柱や壁画やヒエログリフなども参考にしていると思われます。だから古代エジプトの雰囲気が、このオペラのコンストラクションには満ち溢れているように思えます。次回の新演出の時も、こうした点がなくならないようにと思っています。

 もちろん、今回のような素晴らしい配役が重要なファクターであることは間違いないのですが・・・。

 なお、新国立劇場のオペラ「アイーダ」はフランコ・ゼフィレッリが演出してもので出来映えは素晴らしく、大変な人気があります。今後もこのコンストラクションで引き続き行われる可能性が高いと思えますので掲載しておきます。

 新国立劇場オペラ「アイーダ」フランコ・ゼフィレッリ演出・・・めいすいの音楽随想