NHKで始まっている、シャーロックホームズのドラマシリーズ(全41回)。
世界中の人々に愛されている探偵物語です。今回放映された「まだらの紐」は、
作者コナン・ドイルが一番気に入っていると言った作品です。
【あらすじ】
朝早く、ヘレンという女性がおびえた様子でシャーロックホームズの所へやってくる。
義父のロイロットと暮らす彼女は結婚を控えているが、同じように結婚を控えていた
姉ジュリアが2年前の嵐の夜、謎の死を遂げる。
姉ジュリアは夜中に聞こえるという口笛に悩まされており、嵐の夜「まだらのバンド」という謎の言葉を言い残し、
苦しみ、もだえながら死んでいった。その意味は謎のままである。体にはなんの傷もなかった。
その部屋は扉は内側から鍵がかかり、窓には太い鉄の棒がついたよろい戸が降りていた。
また、壁も床も変わったところはなかった。
そして2年経った今、ヘレンが屋敷の改築のため寝室が使えなくなり、仕方なく姉の部屋で寝ていると、
やはり真夜中に口笛が聞こえてきたという。
話し終えたヘレンは,その時の恐ろしさを思い出したらしくわなわなと震えていた。
ホームズは「たいへん難しい事件です。今すぐ出かけて、お父さんに気づかれぬように,そっと部屋を調べることが
出来ますか?」「父は、今日は一日留守にするから大丈夫と思います」とヘレン。
一息ついた途端に、入口のところに大男がにゅっと立ち、「ホームズはどこだ」「お節介者の、出しゃばりめ」
と大声を出す。ヘレンの義父であるロイロット博士だった。
「この警視庁スコットヤードの木っ端役人め!我が家のことで余計な口を出すな。
わしを敵に回すとただでは済まぬ」と一歩前に出て暖炉の火かき棒をねじ曲げた。
その後のホームズの調べで、母親の遺産は当初は年間1100ポンド・・・これならば豊かであるが、
それが農産物の目減りで750ポンド、姉・妹に3分の1づつ分割すると、ロイロット博士は今は無職なので
貧乏人に転落してしまう。
「医者の豊富な知識を悪事に使うと恐ろしい犯罪となる」とホームズ
問題となっている寝室の外側を調べるホームズ。
部屋の内側、2年前に付けられたという「呼び鈴の紐」は換気口に繋がれていて本来の役目を果たしていない。
床を調べていくと、ベッドがちょうつがいで固定されていた。
隣のロイロツトの部屋、金庫の上部にはミルク皿が置いてあった。
その夜は、ヘレンは昔の部屋に移り、ホームズとワトソンは入れ替わりでヘレンの寝室で待機する。
外には、インドから取り寄せたヒヒが放し飼いに。
狩猟用の豹〈ひょう〉も放し飼いにされている。
*************** 以下はネタバレ注意 ***************
隣の部屋の「換気口」から「呼び鈴の紐」を介して渡ってくる毒蛇を棒で叩くホームズ。
ヘビは叩かれて興奮したのか、もと来た換気口から隣の部屋に戻り、飼い主のロイロットにかみつき、
ロイロットは即死する。
こちらは、2年前に毒蛇にかまれて無念の死を遂げた姉ジュリア。この時はかみついた後、口笛で
もと来た場所(ロイロットのいる場所)に戻った。
***************** 問題点 ********************
てんとう虫ブックス〈小学館〉まだらのひも 1988年8月20日 初版本 より
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①ヘビは音を聞いたり、ミルクで調教出来るのか。
②ホームズにステッキで思い切り叩かれたヘビはなぜ下に落ちないで、もう一度
もとのところまで帰えれたのか。
③噛まれたら10秒後には死ぬというのに,姉はなぜ部屋の外まで出てきて「ああ!ヘレン!」
などと叫ぶことが出来たのか。
との記載がありました。
シャーロック・ホームズは100年ほど前に書かれた物語なので、一度犯人を知ってからも、
いろいろな読み方をして楽しまれてきたようです。
【感想】このドラマは、本を何度か読んでいても、恐怖感があり、とてもスリリングで見ていて
充実感を感じることが出来た。原作にとても忠実で、イギリスの雰囲気も良く出ていてると思う。
なお、ドラマでは触れられていないが、原作では「このあとの警察の取り調べは、いたって呑気で、
結局はロイロット博士は蛇に、間違って噛まれて死んだということでけりが付いた。
しかし、その結論が出るまでにかなり時間がかかった」となっている。
(了)