マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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苣原惣社九頭神社祈年祭

2008年04月02日 07時49分43秒 | 天理市へ
布留川の上流域を遡ると東山中のひとつである天理市苣原(チシャワラ)町の集落にたどり着く。

昨日降った雪が積もり、惣社九頭神社の参道を凍らせている。

早朝から宮座十一人衆や区長らが集まってきて、年中行事の始まりでもある祈年祭を執り行われる。

石上神宮から神職を迎えると、一同は拝殿にあがり、今年の豊作、五穀豊穣を祈願する。

祓えの儀、二段重ねモチやスルメ、昆布に季節の野菜などの神饌献饌、開扉、祈年祝詞奏上、玉串奉奠などの神事が営まれる。

五人の左座、六人の右座で構成される宮座は生まれたときからその座に属するとされ、座衆は宮守役目を終えるまで担い、宮本衆と呼ばれている集団だ。

一老は87歳、若手でも70歳を超える宮本衆は、欠員が生じたとき、年齢順に次の者が座入りする。

神事を終えたあとの参籠所での直会も左座、右座に別れて着座する。

座前には奉書の上に載せた神饌のお下がりが配膳され、熱燗の酒をいただく。

例祭など年中行事、神社や参道付近の清掃など役割はたくさんあるというトヤは、左、右座から家の順に2名ずつ。

苣原は30数軒であることから、7年に一度は廻ってくるという。

4人のうちのひとりは大トヤと呼び、5、6年前の改正までは榊の木で籤を引いて決めていたという。

負担のかかるものは簡略化していくが、大切な形式は残しながらも今後も祭り行事を続けていきたいとおっしゃる。

(H20. 2.28 Kiss Digtal N撮影)