マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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飯高子部神社お綱祭

2008年04月06日 08時50分15秒 | 橿原市へ
古来、子部の里と呼ばれた橿原市飯高(ひだか)町。

大和武士豪族であった飯高氏の本拠地で、菩提寺瑞花院の西隣に鎮座するのが子部(こべ)神社。

穏やかな日となった今日は同神社の明神講衆によるお綱祭りが行われる。

46軒からなる講衆は昼前に幕を張った公民館に集まってヨバれの宴を広げる。

以前はトヤの家が会場であったが、負担が大きいことから公民館にしたという。

神社の年中行事を手助けする役目は「ねんぎょ(年行)」と呼ばれる五人衆。

当日までにモチワラでお綱祭の綱を作る。

20mほどの細長い綱は蛇を表すもので雨を呼ぶ水の神さんだという。

宴を終えると多神社の神職を先頭に役員らは神饌を抱えて出幸する。

後方には講衆らが蛇綱を掴んで長い列をつくり歩き出す。

伊勢音頭が流れるなか、あっちへヨレヨレ、こっちへヨレヨレ。

綱を引っ張って後ろへ後ずさり。

行ったり来たりでなかなか前へは進まない。

昔は途中の電柱に登って巻き付けたことがあったくらい元気やったのー、酒が飲み足らんのとちゃうかと声が掛かると、気勢があがり綱が大きく揺れた。

鳥居の前に到着しても押したり引いたりで進まない。

時間を掛けて入るのがしきたりなんじゃという蛇綱のお練りは子どもらも加わっていく。

お練りもそろそろ終いやでと言って鳥居をやっとこさ潜っていく。

綱は鳥居横のご神木と呼ばれるケヤキの幹に巻き付けられる蛇綱掛けだ。

掛け終えると地区の安全や五穀豊穣を祈願するお綱祭りの神事が執り行われる。

そして、待ちに待ったモチ撒き。

昔は拝殿の屋根を跨いで撒いていたが、今は組み立て櫓。

白いモチが青空にとけ込むように飛んでいく方向に手が伸びる。

(H20. 3. 2 Kiss Digtal N撮影)