マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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続、池田熊野神社御田植祭

2009年05月03日 07時49分06秒 | 奈良市へ
シトギ配膳。

後日に聞いた尼講さんたちの話では、小学生のころやったか、ボタモチと呼ぶ大きなオニギリメシにキナコをまぶしたものがあったという。

十人衆が朝から呼び太鼓を叩いて神社に来る子どもたちに配っていた。

男の子は二個、女の子は一個で、手で割って食べたそうだ。

ゴンボにコンニャクとツリボシと呼んでいた丸いキリボシダイコンを炊いた御馳走。

それをホッカイに入れて三笠の山まで背中にせたろうて登った。

山ではそこらにある木の葉をとって、それを皿代わりに盛って食べていた。

この日は学校も休みで、ボタモチ喰いに行くのが楽しみだったと回顧話に花が咲く。

帰りには春日大社に寄って御田植神事の松苗をたばって帰り、それを水口に供えていた。

食べもんが少なくなった戦中、戦後に途絶えたという。

(H21. 3.15 Kiss Digtal N撮影)

池田熊野神社御田植祭

2009年05月03日 07時43分26秒 | 奈良市へ
前もって秋の豊作を祈願する祈年祭は「としごえのまつり」といって「年」は稲のことを意味する。

氏神さんを祀る奈良市池田町の熊野神社では、この祈年祭をおんだ祭(御田植祭)と呼んでいる。

県内各地で行われているオンダ祭につきものの牛や農耕道具、苗などは一切登場しない。

当家は予め神饌を本殿に納めている。

大福餅、コモチ、ミカン、カマボコの御供はイノコのときと同じという。

同神社の神饌は毎月の月並み祭に供えられるサカキの葉の裏に載せたシトギが特徴だが、今日の祭礼にはカワラケ皿一枚に盛っている。

柳生から神官を迎えて始まった御田植祭。

12本の蝋燭灯明に火が点けられる。

蝋燭の先は小さな半紙を巻きつけている。

風がきても絶えられるようにしているのだという。

決まった順に並んだ宮座十人衆と当家、前スケ(次当家)、後スケ(前当家)。

修祓、祓えの儀、宮司一杯、献饌、田作りの生業を祝して祝詞を奏上。

玉串奉奠、撤饌、宮司一杯と一連の御田植祭神事を終えると三人の当家衆は神饌御供を撤収する。

公民館の座敷にあがれば直会の場。

お神酒を注いで乾杯の儀。

昨夜の大雨で心配したが、今日は透き通るような青空でいい天気になったと一老の挨拶。

地区のことや神社の件など協議する直会は一時間ほど。

シトギやスルメ、コンブを切って紙皿に盛った直会の膳。

大福餅、コモチ、ミカン、カマボコなどの御供は持ち帰り用に分けられる。

(H21. 3.15 Kiss Digtal N撮影)