マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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続、井戸野常福寺春彼岸の法要

2009年05月06日 08時04分34秒 | 大和郡山市へ
井戸野物語の讃仰和讃。


中興開山 円空覚寿上人『讃仰(さんぎょう)和讃』 無辺山常福寺第四十一世 洞空達定上人 作
1.「帰命頂礼青丹よし 大和の国は郡山 井戸野の村の常福寺 寺伝を仰ぎひもとけば」
2.「基(もとい)を開きし上人は 円空覚寿和尚なり 上人あまねく諸人に 念仏法門ひろむべく」
3.「たまたまこの地に掛錫(けしゃく)して 人情殊の他深き 井戸野の村の土地柄に いたく心をひかれけり」
4.「常福寺こそ我が命 捧げて悔いなきお寺ぞと 心に深く期せられし 上人勧化(かんげ)の功つもり」
5.「帰依する信者数をまし 法(のり)のともしび輝きけり しかるに明治十二年 悪病にわかに流行し」
6.「井戸野の村にもひろがりて 数えて三十六人が 命を失いたまいける 悲しき史実にむねせまる」
7.「悪病故に伝染を 恐るる人のみ多き中 病人看護や亡き人を 弔うために身を挺し」
8.「つとめ給ひし上人の 尊き姿しのばるる お陰をもちて悪病は 次第におさまりゆきけれど」
9.「過労のためか上人は その翌年の春五月 四十六才一期とし 亡くなり給うぞ悲しけれ」
10.「されども覚寿上人の 身命(しんみょう)惜しまぬ御苦労は 村人達の建てられし 古き墓石がそのままに」
11.「業績伝ふる形見なり 平成の世を今生きる 我等子孫もその頃の 先祖の気持ちをうけつぎて」
12.「とわに讃えん上人の 命をかけし生き様を 寺は心のよりどころ 朝な夕なに感謝しつ」
13.「とわにまもらん常福寺 無辺の寺はゆるぎなし」
なむあみだぶつ あみだぶつ なむあみだぶつ あみだぶつ 


(H21. 3.17 Kiss Digtal N撮影)

井戸野常福寺春彼岸の法要

2009年05月06日 08時00分53秒 | 大和郡山市へ
今日17日は彼岸の入り。

お水取りも結願されると気温もぐんと上昇してセーターも脱ぎたくなるような季節を迎えた。

大和郡山市井戸野町の常福寺ではこの日春彼岸の法要が営まれる。

檀信徒や村の婦人会の方々がお堂に集まってくる。

今年初めて行われる無縁仏の法要が始まった。

お花などを供えた祭壇を前に住職の読経。

お堂を出たり入ったりするのもなんやからと堂内から手を合わして拝む。

隣の八幡神社では子供たちが気にもせずに遊びにふけている。

清々しい風が頬をなでていく。

一瞬、線香がぽぉっと火の塊となって燃え上がった。

仏さんも喜んでおられることでしょうと住職は話す。

そのあとは堂内で彼岸の回向。

先祖代々追善塔婆供養が続き、ナムアミダブツーと唱和して手を合わせる。

法要を終えると「リン」を手に持つ婦人会の方々が残って和讃が行われる。

中央に住職が座って始まった「讃仰(さんぎょう)和讃」。

井戸野の歴史をひもとき、物語りにした和讃は「帰命頂礼青丹よし 大和の国は郡山 井戸野の村の常福寺 寺伝を仰ぎひもとけば」と唄われる。

優しい女人の声が堂内に響けば体内に包まれるような感覚に陥る。

彼岸の入りからはご先祖さんや亡き父母を思い浮かべて手を合わす一週間だ。

(H21. 3.17 Kiss Digtal N撮影)