マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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続、新泉の一本木のおん田

2009年07月10日 06時29分23秒 | 天理市へ
新泉の里は和名抄の山辺郡穂積邑になるという頭屋さん。

昭和40年ごろまではムギ作の二毛作を営み五月にムギを刈り入れするから「五月秋」と称していた。

そのころまでは奈良市の田原から牛を借りて田んぼを耕していたという。

苣原を経由して借りた借り牛は、正暦寺の裏山道も抜けて田原から来た。

牛は秋が過ぎて田を荒起こしするときにもきたという。

耕運機に替わってからは牛が田んぼから消えた。

そんな牛を見たこともない子どもたちがワラの牛を巧みに操って小さな田んぼを耕していく。


子どもの健やかな成長や地区の五穀豊穣を願う祭りはお神酒をいただいて終える。

そのあとお神酒を田んぼや土俵に捧げてウシ、ウマ、ムカデを本殿に置かれて頭屋の家に戻っていった。

50年以上も前に経験された役員さんは昔の土俵は2倍ほどあった。

田んぼも大きかったと懐古されるが、そのときは子どもの目線だったのではっきりとしたことは言えないと仰った。

(H21. 5. 3 Kiss Digtal N撮影)

続、新泉の一本木のおん田

2009年07月10日 06時28分13秒 | 天理市へ
「おん田」の神事は祭壇に神饌を献じて行われる。

「オシゴハン」と呼ばれる二段重ねの御供を供えるのも特徴がある。

修祓、祓えの儀、献饌、祝詞奏上、玉串奉奠、撤饌などの祈年祭神事を終えると子どもたちが演じる「おん田」の行事が始まる。

最初はカラスキを引く牛耕だ。小さな「田んぼ」を耕していく。

これを三周して繰り返す。

次は農具をマンガンに取り替えて牛が引き砂神田を耕して三周する。

その次はマンガンにハシゴを取り付けて深く田を耕す。

幼稚園の男児には父親が手を携えて行事を見守っている。

牛耕を終えるとウマの出番になる。

大きなワラウマを抱えると土俵廻りまで勢いよく走り回る。

これも三周する。

(H21. 5. 3 Kiss Digtal N撮影)

新泉の一本木のおん田

2009年07月10日 06時19分38秒 | 天理市へ
かつて一本木があった地で行われていたことから「一本木のおんだ」とも呼ばれる野神さんの祭りは昭和17年に天理市新泉町の大和神社南側に遷座された素盞嗚神社で行われている。

先月末の休日にムギワラで作られたウシ、ウマ、ムカデは頭屋の玄関に置かれている。

黒い角が目立つウシは頭を下げ、ウマは上げている。

ムカデはジャジャウマとも称されることもあるが、足は36本で細い竹で朱色の目が取り付けられているのが特徴だ。

大和神社の宮司を先頭にウシとウマを抱える主役の子どもたちや頭屋、村役員は出幸する。

道中の辻角では竹筒を地面に打ち込んで酒を注いでいく。

これは神社境内に設えた「たんぼ」や「土俵」にも捧げられる。

(H21. 5. 3 Kiss Digtal N撮影)