マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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豊井町小正月の苗代御供

2014年06月29日 09時08分54秒 | 民俗あれこれ
昨年の1月18日にたまたま見つけた田んぼのススキ。

荒起こしをした場にカヤススキがぽつんとあったのだ。

なんであろうか、と思って傍まで歩み寄った。

そこにはアズキ粥と白いもので包んでいたオカガミがあったのだ。

それから数日かけて田んぼの主を見つけて話を伺った。

田主が云うには「1月15日の朝におましている」である。

その状況に変化があるのか、ないのか、確かめたくて、この日、仕事帰りに立ち寄った豊井町の田んぼ。

立ててあったカヤススキの本数はおよそ15、6本である。

傍には一合枡に盛ったアズキ粥と千切った一個のモチもあった。



横には昨年同様に白い布で包んだオカガミもある。

その場は苗代作りの場である。

昨年の5月8日に苗代にイロバナやケッチン行事で祈祷された2本の松苗を立てていた。

若干移動していたが、苗代の場である。

この日、田んぼにご主人はおられなかったが、昨年に聞いた話しでは「家を出る前にカヤススキの茎を箸代わりにして一口、二口、家族が食べてから、苗代場に立てる」と云っていた。

前日に御所鴨神下垣内の男性が話していたカヤススキの箸がある。

家族が5人おれば、束にして10本を立てたということを考えれば、豊井町の田主家もそうであろうと思う本数。

家族はおそらく8人であろう。

家族の喰いぶちの稲作、今年も豊作であってほしいという願いであるような気がした。

(H26. 1.15 EOS40D撮影)