マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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大塩十二月伊勢講

2015年09月07日 07時18分39秒 | 山添村へ
4月と12月、一年に2度行われる山添村大塩の伊勢講。

場は八柱神社だ。

かつて大塩には4組の伊勢講があったがいつしか村行事に移った。

村の代表者が伊勢参拝をされて授かったお札がある。

神社参籠所に集まった人たちに年番のドウゲが見せまわる。

折敷に載せたお札。

これを拝み膳と呼んでいる。

参籠所左側に座るのは寺座の人たち。

村神主は中央に座って右側は宮座が座る。

拝み膳は寺座、宮座の順に廻される。

これが村行事となった儀式なのだ。

拝み膳の儀式を終えればドウゲは熱燗をもって廻る。

ジャコを肴に酒を飲むだけの在り方はいつもとかわらない。

そのころ雪がちらつきだした。

外は寒いが参籠所には暖房器具で温まる。

お神酒は熱燗。

寒くなったこともあるのかいつもより飲むペースが早い。



ひっきりなしに要請される熱燗酒。

温まる余裕もなく声がかかるからドウゲは忙しい。

普段なら酒2本で済むようだが、この日は倍の4本。

今年の集まりは実に消費量が多いと話していた。

1時間ほど経過したときに配られるセキハンがある。

肴当番が用意したセキハンのお重である。

始めに二つのパックに詰める。

これは肴当番にさげるセキハンだ。

それからセキハンを抱えて座中に進み出る。



ドウゲは箸で摘まんで差し出す。

座中は手で受けていただく。

いわゆるテゴク(手御供)の作法である。

こうして村行事の伊勢講を終えて解散した。

座中の話しによれば「ヒッポでする講は別にある」という。

「ヒッポ」とは「ウチワ」のことだ。

「ウチワ」は「扇」ではなく親しい組で行われている伊勢講のことであろう。

ちなみに拝み膳に差し出されたお伊勢さんのお札は「タノモシ」と呼ばれる費用を供出して代表が伊勢神宮に代参するようだ。

(H26.12.14 EOS40D撮影)