寺伝によれば白鳳年間に役の小角が創建されたという大和郡山市小林町の新福寺。
鎌倉時代造立の薬師如来立像を安置する。
これも寺伝であるが、同寺には平安時代末期の定朝(じょうちょう)作の観音仏もあったそうだ。
地元では近年において併設する杵築神社の拝殿を改築された。
それを機会に新福寺・観音堂も建て替えることになった。
昭和43年の屋根瓦改修の際に発見された棟札によれば、観音堂は元禄九年(1696)に上棟大工小泉六兵衛・新五郎および法隆寺傳兵衛・九兵衛、龍田忠兵衛によって建て替えられたようだ。
320年ぶりに新築されることになった観音堂。
5月に解体する前の最後のお堂で内陣の縁を叩く「オコナイ」行事が行われた。
見納めのオコナイの場を撮っておいてほしいと願われて訪れたのだ。
オコナイに用意されるのはヤナギの木とフジの木。
お札は住職が墨書する。
右に牛頭天王、左は新福寺で、中央に寶印の文字に朱印の宝印が押されている。
朱印は不動明王の姿。
魔除けのお札だという。
いつのころか判らないが「牛玉」が「牛頭天王」に変化したのでは、と住職はいうが、併設する杵築神社の祭神は牛頭天王。
「座」によって祭祀されている。
「オコナイ」も「座」の長老の務めであることからそうしたのかも知れない。
本尊を安置する黒ずんだ厨子は年代ものだが製作年は不明。
上部に描かれていた絵にストロボを発光したら琵琶、楽太鼓、締太鼓が現われた。
右のほうにも絵がある。
琵琶、楽太鼓は同じような感じだが右端は箏のようだ。
厨子もいずれは解体するらしいと聞き、民俗にとっても貴重な絵は写真に記録する。
法要、焼香を終えれば、フジの木を手にして縁叩きが行われる。
かつては子供たちによって縁叩きが行われていた。
少子化によって小林町の子供はごくごく数人。
数年前からは大人も加わるようにした。
叩き納めの縁叩き。
何度も何度も繰り返す「ランジョー」を合図に思いを込めて縁を叩く。
解体される本堂。
内陣の縁は壊れてもいいくらいに叩いてほしいと願われて叩く。
心の中に住む悪魔を叩きのめして追い出してくださいと住職が伝える。
内陣の縁はこれまで叩いた傷跡がある。
元禄九年(1696)から延々と叩いてきた歴史の証しに手を合わせる。
観音堂を新築されたらピカピカの縁。
新品になれば叩き辛いだろうと思う。
縁叩きを終えたら袋に収めたごーさんを額に押す。
朱肉はないが、参拝者一人ずつ押してくださる。
この年は住職のご厚意で古びた袋からごーさんを出して見せてくださった。
誰もが初めて見るごーさんである。
これまでお札に押すことはなかったごーさんに感動する。
ちなみに平成22年に初めて訪れた際に拝見したお札はこれだ。
宝印の形はまったく違う。
いつのころか判らないがお札に押すための宝印は別途に作られたようだ。
(H27. 3. 3 EOS40D撮影)
鎌倉時代造立の薬師如来立像を安置する。
これも寺伝であるが、同寺には平安時代末期の定朝(じょうちょう)作の観音仏もあったそうだ。
地元では近年において併設する杵築神社の拝殿を改築された。
それを機会に新福寺・観音堂も建て替えることになった。
昭和43年の屋根瓦改修の際に発見された棟札によれば、観音堂は元禄九年(1696)に上棟大工小泉六兵衛・新五郎および法隆寺傳兵衛・九兵衛、龍田忠兵衛によって建て替えられたようだ。
320年ぶりに新築されることになった観音堂。
5月に解体する前の最後のお堂で内陣の縁を叩く「オコナイ」行事が行われた。
見納めのオコナイの場を撮っておいてほしいと願われて訪れたのだ。
オコナイに用意されるのはヤナギの木とフジの木。
お札は住職が墨書する。
右に牛頭天王、左は新福寺で、中央に寶印の文字に朱印の宝印が押されている。
朱印は不動明王の姿。
魔除けのお札だという。
いつのころか判らないが「牛玉」が「牛頭天王」に変化したのでは、と住職はいうが、併設する杵築神社の祭神は牛頭天王。
「座」によって祭祀されている。
「オコナイ」も「座」の長老の務めであることからそうしたのかも知れない。
本尊を安置する黒ずんだ厨子は年代ものだが製作年は不明。
上部に描かれていた絵にストロボを発光したら琵琶、楽太鼓、締太鼓が現われた。
右のほうにも絵がある。
琵琶、楽太鼓は同じような感じだが右端は箏のようだ。
厨子もいずれは解体するらしいと聞き、民俗にとっても貴重な絵は写真に記録する。
法要、焼香を終えれば、フジの木を手にして縁叩きが行われる。
かつては子供たちによって縁叩きが行われていた。
少子化によって小林町の子供はごくごく数人。
数年前からは大人も加わるようにした。
叩き納めの縁叩き。
何度も何度も繰り返す「ランジョー」を合図に思いを込めて縁を叩く。
解体される本堂。
内陣の縁は壊れてもいいくらいに叩いてほしいと願われて叩く。
心の中に住む悪魔を叩きのめして追い出してくださいと住職が伝える。
内陣の縁はこれまで叩いた傷跡がある。
元禄九年(1696)から延々と叩いてきた歴史の証しに手を合わせる。
観音堂を新築されたらピカピカの縁。
新品になれば叩き辛いだろうと思う。
縁叩きを終えたら袋に収めたごーさんを額に押す。
朱肉はないが、参拝者一人ずつ押してくださる。
この年は住職のご厚意で古びた袋からごーさんを出して見せてくださった。
誰もが初めて見るごーさんである。
これまでお札に押すことはなかったごーさんに感動する。
ちなみに平成22年に初めて訪れた際に拝見したお札はこれだ。
宝印の形はまったく違う。
いつのころか判らないがお札に押すための宝印は別途に作られたようだ。
(H27. 3. 3 EOS40D撮影)