マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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成願稲荷神社の三月初午

2015年12月18日 07時45分11秒 | 民俗あれこれ(ハタアメ編)
新暦三月の初午の日に初午祭が行われ、参列者に昔懐かしいハタアメ(旗飴)を配られると知って出かけた桜井市三輪の成願稲荷神社。

大神神社の神宮寺の一つである浄願寺の鎮護社として正応三年(1290)に創始されたと伝わる。

成願稲荷神社はかつて大字高宮の氏神社であった。

大神神社の神職がいうには昭和40年に大神神社末社として移管したそうだ。

石灯篭に「稲荷社 享和三年癸亥(1803)九月吉日 寄進壽七」。

台座に「石工 佐保庄村儀助」の刻印が見られる。

奈良県内で佐保庄といえば天理市の佐保庄町。

機会があれば関係性を調査したいものである。

三月初午祭の神事に大神神社の神職が参進する。

参集した人たちは大字高宮と馬場。

この日は30数名の一般参賀など大勢の人たちが参拝する。



修祓、祓えの詞、斎主一拝、献饌、祝詞奏上など神事が行われ、巫女さんによる浦安の舞も奉納される三月初午祭。

雨天を想定して立てたテント内の人たちは大字高宮・馬場。

玉串を奉奠される。

周りを囲んでいるのは一般参賀者だ。



本殿社横に置いてあったハタアメ。

藁束に挿している。

ハタアメは五色の幟旗。

委託した業者が製造したものである。

透明な包みで飴を覆って藁束に挿す。

この作業は大神神社の神職によって行われただそうだ。



斎主一同が退儀されたあとに一般参賀者へハタアメを一人一本ずつ配られる。



大神神社広報によれば、かつてはお稲荷さんを祀っている家や商店は初午の日に飴を神棚に奉ったのち、付近の子供たちやお客さんにふるまう風習があったと伝える。

幟旗には商店の名前が書かれていたものがあったそうだ。



ちなみに大神神社神職のご厚意でいただいた五色のハタアメは帰ってから旗を広げて並べてみた。

(H27. 3. 7 EOS40D撮影)