マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

萱森高龗神社御田植祭

2015年12月03日 09時20分36秒 | 桜井市へ
2年ぶりに拝見する桜井市萱森の御田植祭。

ごーさん札の文字は正されたのか確認したかった。

2年前の頭人は引継ぎが誤っていたのか「牛王」と墨書すべきところを「牛玉」になっていた。

それが気になっていた。

書は「牛王」だった。

正常に戻っていたごーさん札に一安心する。



寶印を押したら昨秋のマツリに献じた洗い米を注ぐ。

ごーさんはオヒネリにして御田植祭に供える。



祭壇に置かれた御田植祭の諸道具。

一木造りの牛頭の面、スキ、二種のヒラグワ、カラスキ、マングワ。



「ナエ」と呼ぶ稲の穂を添えた芽吹きのネコヤナギの木、麻と呼ばれるヤマウルシのごー杖、ドモカンサの木で作った弓、矢に竹で編んだ鬼の籠もある。

ドモカンサはニシキギの木とも呼ぶマユミ(檀)の木である。

赤い実をつけるドモカンソはF家の竹ヤブにあった。

今年は見つけることができずに代用の木を使ったと話す。

萱森の御田植祭は高龗神社拝殿内で行われる。

神事に供える御供がある。

一際大きいモチは2段重ねの鏡餅。

施主は3升1臼搗いたそうだ。

スキで畦切り。



ヒラグワでクワ打ち。

いずれも時計回り。

次に登場した牛使い。

カラスキを曳いて田を起こす。

「ちゃいちゃい」と云って綱を引けば「モー、モー」と鳴く牛役。



反時計回りに一周。

一木彫りの牛面の内部は空洞でなく重たい。

手で抱えて所作をする。

マングワに替えて再び登場する牛。



ヒラグワで水田を均してから「ナエ」を植える。

御田植祭を終えてから数か月。

田植えの日を迎える。

この日に授かったナエを田んぼに運ぶ。

ナエは田植えを始める場に横倒しに置く。

コメバナと呼ぶユキヤナギやツバキのイロバナを添えて田植えをすると話していた。



田植えが終われば村から悪霊を追い出す鬼打ち儀式が行われる。

宮司が天、地、東、西、南、北に向けて矢を射る。



とどめは鬼の的。

拝殿の隅に置かれた鬼の籠を目がけて真正面から射抜く。



平成25年に取材した記事をここに挙げておく。

(H27. 2.24 EOS40D撮影)