私の住んでいる地域では、まだそれほどまで秋めいた感じはありませんが、本日は東北の街に仕事で行ってきました。
これまではクールビズで上着もネクタイもなしでしたが、無いとちょっと物足りない。地域によってはもう秋を感じてらっしやる方いるんですね。
今年はどのような秋が許されるのでしょうか。
平均律クラヴィア集が流れるような、どこまでも透明な空気を感じるのでしょうか。
「 秋の日の ヴィオロンの ためいきの
身にしみて ひたぶるに うら悲し。 」 ヴェルレーヌ 上田敏訳
の落ち葉の世界なのでしょうか。
はたまた、映画『おくりびと』でみた山並みに流れるチェロのようにゆったりした時間なのでしょうか。
今日のこのアルバムからはチェロに近い低い音のviolaのメロディが、訪れた山並みをゆったりと流れます。
Ketil Bjørnstadのアルバムは中古屋さんで古いのを見つけると拾うようになりました。
このアルバム、2002年レインボーでの録音ですが、2000年のコンサートの模様を録音した「Grace」とよく似ていて、鼻にちょっとかかった女性ヴォーカルは同じ人です。
http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20070731
いやみがなくて、音程もいいのでvocalによってずいぶん好みが分かれてしまうのですが、前作はvocal多目だったのが、良い配分、インスト色が高まってこちらの方が好みです。
1曲目ピアノソロで導入、心の準備のような曲、落ち着いて、静か。
2曲目は鼻にかかった、かといって澄んだ歌声、歌詞がわからないけど英語で助かります。
4曲目はシンセをバックにピアノが少し硬い音を出すと、そこにヴィオラの柔らかいふくよかなメリディが上層をながれ、ピアノの流れが下の方ではげしくなっていくというなんとも心がマッサージされるような演奏です。
5曲目は歌とピアノとヴィオラが調度良く交じり合うような、仲間の存在を感じさせるや優しさに満ち溢れた曲。
7曲目は静かなvocalで17曲中6曲といい塩梅です。
8曲目はシンセの効果音をいれたヴィオラとピアノは、戻ってきた秋の一つ一つのしるしを確かめるような曲です。
9曲目は少し重たく暗い感じのヴィオラのメロディ、曲名も“Darkland”一番長い曲で5分7秒なので、暗くても、すぐ次の挿話を聞くような牧師の話みたいなところがあるアルバムです。
17曲目1曲目と同じ曲を今度はヴィオラがメロディを弾き、ゆったりとこれですべてが終了するように終わります。
山並みを眺め秋を感じ、東北の街道を走れば、その土地出身の人に教えてもらったお蕎麦やさんがありました。
もちろんここが目的ではありません。もちろん秋を感じに来たわけでもありません。が調度お昼なので、ここでいただきました。
名物は板蕎麦というのだそうで、品はこんな感じです。
お近くの新潟、へぎ蕎麦に似ていますが、へぎ蕎麦がのど越しと、観た目の美しさが有るのに比べ、こちらはもう少し純朴、蕎麦の香りを強く感じる(蕎麦湯の味が香りだっていた)一品で、おいしゅうございました。
仕事内容は、お互い当事者同士どうしようもないことが勃発したのですが、売り元としてお詫びに伺いました。その経過を説明してすんなり終わりましたのでやれやれでした。
THE NEST / Ketil Bjørnstad
Ketil Bjørnstad : piano, synthesizers
Anneli Drecker : vocals
Nora Taksdal : viola
Eivind Aarset : guitars
Kjetil Bjerkestrand : synthesizers, samples, percussion
1. The Nest (Preludium)
2. In Shadow
3. The Window
4. The Bridge I
5. The Bathers
6. The Hope I
7. Exile
8. The Circle
9. Darkland
10. Forgetfulness
11. The Joy
12. The Bridge II
13. Old Song
14. The Hope II
15. The Memory
16. Fear
17. The Nest (Postludium)