[ L P ]
古いレコードが手元に戻ってきて、順番に聴いていますが、このアルバムが一番アグレッシブでしょうか。果たして今聴きとおせるかと思って聴いています。
1曲目、そんなこと思いながらも、意外とオーソドックスなビック・バンドのハーモニーです。
演奏している人たちもフランスの人が多いみたいで、今思い出せる人はベーシストといったほうがいいアラン・シルヴァ(ここではバイオリンを弾いている)よベースのベルナール・ゲラン、サニ・マレーぐらいであとは知りません。
2曲目“陽気なパリ”はにが陽気なのかわかりませんが、ぐしぁぐしぁと、テナーのケネス・トゥロードはアイラー系ピアノのフランソワ・トゥスクはテイラー系でそう思っているうちに3曲目“Now We Know”はもちろん引き続いてぐしゃぐしゃ系です。こうゆう時にベースっているのが以外と大事ですね。このベースしっかりと屋台を支えているというか、サニー・マレーの土砂降りみたいなドラムスに充分対応しています。
そういう意味ではこのドラマーの叩いているところも観てみたかったです。
B面に入って1曲目、フルートが前面にでた始まりはジョン・コルトレーンのエクスプレッションを思わせます。美しい演奏で、このマレーのアルバムは1969年1月の録音ですから充分それを咀嚼してそれ以外のとても幅の広い部分が加わっている感じです。
B面2曲目の“Straight Ahead”は詩の即興が入った演奏ですが、出だしのホーンのサウンドは覚えていました。
あちらとこちらみたいな突き詰められるような立場と、乱暴な未来がすぐ近く存在した時代は、今のように閉塞感と実は隣に何があるかわからないような時代と音楽の要望も変わっているのでしょうね。
私実はこのアルバムを聞いて、昔よりしっくりしているのは、あの時代を通り越して、状況を整理できたからなのでしょうか。これがノスタルジーとはとても言いませんが、ルロイ・ビブが叫んでいるのは、やはり若者の叫びだったみたいに感じてしまいます。
そして最後の曲が“This Bearly Was Mine”でこの曲、素晴らしいベースラインとドラムス、リズムにホーンが朗々と吹くあたり、サニーマレーのそれまでの共演者、セシル・テーラーとアルバート・アイラーの音楽が融合した感じで、とても美しい演奏に感じます。
サニー・マレー・イン・パリ
ベルナール・ヴィトゥ tp
ケネス・トゥロード ts
ロニー・ベア as
ベッキー・フレンド fl
フランソワ・トゥスク piano
アラン・シルバァ violin
ベルナール・ゲラン bass
サニー・マレー drms
H・ルロイ・ビブ poem
1 Angel And Devis
2 Hikarious Paris
3 Now We Know
4 Angel Son
5 Straigh Ahead
6 This Bearly Was Mine