
ダド・モロニのデヴュー作「BLUESOLOGY」は1981年の作品で、N・O・H・ペデルセンを相手に貫禄のようなものまで感じさせる引き出しの多いフレージングで吃驚しました。
このアルバムはそれから21年、今度は本当に貫禄をつけて、ライブです。
1曲目、ボサノバのリズムも入ったこの人としては軽いファンキーなフレーズ、ドラムスはWRに本公演で強烈なソロを見せたピーター・アースキン、この組み合わせはとても良い気がします。
2曲目の“Django”の選曲が面白い、これをほとんどピアノの演奏で一貫したジャンゴ(変な言い方ですが)であることが素晴らしい、構成力と表現の力が充分なのです。
3曲目は美しい曲、落ち着いたベースソロが入るシットリ感、モロニも音数をおさえてこれが良い。
4曲目“I Hear a Rhapsody”も雰囲気が続いてはじまります。でもかなり音数が多くなります。
ダド・モロニのデヴュー作の後はしばらく合わない時期が続いていて、久しぶりにあったらば、これでもかと音が並べられるかんじで、あまり私には会わなくなっていました。
なんだか、小学校の同級生が神童とこちらも認める子だったのに、高校に入ったころあ会ったてみれば、結構アクが強くって会わないことを感じた感じです。
6曲目“Vitti Na Crozza”イタリアのトラディションのようで、ビバリーヒルズの会場へのサービスみたいに軽く歌います。
7曲目、8曲目がモロニのオリジナル、ここら辺はテクニックもあって、ゴリゴリした感じも押さえてあって、器がとても大きくなった感じです。
という事で大人になってまた出会えば、実績もあって、言うことだって私よりしっかりしている大人で、あらら、と自分の不測を恥じるのでした。
Live in Beverly Hills / Dado Moroni
Dado Moroni(P)
Marco Panascia(B)
Peter Erskine(Ds)
Rec. April 10-11, 2010, Live at the Rising Jazz Stars, CA
1.Ghanian Village(Moroni)
2.Django(J.Lewis)
3.Where Is Love(L.Bart)
4.I Hear a Rhapsody(Gasparre)
5.Einbahnstrasse(Carter)
6.Vitti Na Crozza(Traditional)
7.Nose Off(Moroni)
8.Jamal(Moroni)
(附属DVDのみ1-8に加え以下の2曲を収録)
9.Set Closer Blues
10.Just an Old Song