昨年JAEMS FARMをブルーノートでみて、ライブでの演奏はさすがに凄いと思ったので、新しいアルバムをたのしみにしていたら、なんとバラッド集、それもウィズ・ストリングスだとは驚いた。
いろいろなアルバムがたまってしまっていて、記事にはすぐしないのでここのところ新しいアルバムもすこし遅れてアップすることが続きそうです。
ウィズ・ストリングスでバラッド集というのは、一寸心配なところもあり、どのような感じになるのかと聞き始めると、テーマに入ったテナーの低い音が良くて、そこを弦が邪魔しないのがとてもよい。
それでもどうかな~と白黒つけずらくて聞きすすむと6曲目、これはカルテットの演奏になるけれど、ピアノとの絡まりや、ベース・ソロがとても良い。曲はNYで活躍するブロンド・ロッド・ヘアというロック・グループの、日本人メンバー、カズ・マキノっていう女子の曲だけれど一寸物悲しい童謡のような感じ、ここまでくるとこのアルバムのバラッド集にするということが解ったような気がする。
ショーターの7曲目もソプラノも上手さもきっちりつたわる。バッハのアダージョもレット・イット・ビーや絵にかいたようなスターダストもどれもベタになりそうなところを、セーフさせているのもそんなこともふくめてジョシュアの意図みたいです。
このアルバムを聴き終わった頭に浮かんだのが蓮の花、一寸ジョッシュアって仏僧みたいなところもあるし、静かな花の佇まいの影響もあるみたいです。
泥水が濃ければ濃いほど大輪を咲かせるのが蓮の花。泥水とは人生の悲しいこと、つらいことで、それが大きいほど大輪をさかせ、実をつければそれは悟りとなるということだそうですが、バラッド集を作るということとジャズの一面を悟ということがつながるような、随分こじつけはありますが、もうすぐこの花を目にすることができるでしょう。
このアルバムを聴きながら眺めるのも良いかもしれません。
WALKING SHADOWS / Josua Redman
1. The Folks Who Live on The Hill
2. Lush Life
3. Stop This Train
4. Adagio
5. Easy Living
6. Doll is Mine
7. Infant Eyes
8. Let it Be
9. Final Hour
10. Last Glimpse of Gotham
11. Stardust
12. Let Me Down Easy
Joshua Redman (ts,ss)
Brad Mehldau (p)
Larry Grenadier (b)
Brian Blade (ds)