ジャケットはなんだか覚えはあったけれど、内容はまるで知らないで拾った1999年フランス録音のアルバムです。
とても寡作なピアニストでこの前のアルバムが1985年だそうで、ですからそろそろ次のがでるかもしれません。
1曲目、美しいタッチのピアノ音で内省的だけれど、軽やかなフレージング、すぐのベース・ソロの音も好みのタイプです。
2曲目スタンダードも上手く歌って、ドラムスとベースの絡み方がキースのスタンダード・トリオににています。
3曲目4ビートのウォーキングだけれど、ピアノのフレーズは簡単なメロディは弾かない。
4曲目など角が立っているピアノで5曲目も同じ強調、この時期すこしアバンをいれるのが流行りでしたっけ。
6曲目美麗なハーモニーから始まり暮れて闇が濃くなっていくような、フランス語わかりませんが曲名もそんな感じです。
7曲目ベース・ソロから、正調ヨーロッパ・ベース・ソロです。
8曲目はトラディションだそうですが、スペイン風のリズムをいれた演奏。
9曲目はオーネット・コールマンの“バード・フード”ハクエイ・キムとトライソニークの1stアルバムに収録されていましたが、こちらも粒だった音が散りばめられて、この曲はこんな弾き方がよいのでしょうか。
聴き終わるとバード・フードは別にして強烈な光、直射日光の降り注ぐ線をはっきり見せるというよりかは、淡い光とか、雲がかかった太陽とかそんなものを感じます。
ただしぼやけているかというとそうではなく、とてもその淡さを光として感じさせるのです。
それで思いついた言葉が光の魔術師、音楽で光を表すのもたいしたものです。
一般的に「光の魔術師」といえば絵画の世界でつかわれるでしょう。みなさんも大好きなはずのフェルメール。1632年生まれのオランダのがかです。
同じくオランダの画家でこちらも光の魔術師とよばれたレンプラント、1606年のうまれです。
そして私はもう一人光を独自の技法でとらえたフランスの画家ラトゥールも魔術師と呼びたい。この人はもう少し昔の1593年うまれです。
このChristian Lavigneのピアノは無理してえらぶならばフェルメールに近い感じでしょうか。
・・・flowing / Christian LAVIGNE
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