goo blog サービス終了のお知らせ 

JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

一歩一歩を確かめて歩む La notte / ketle Bjoronstad

2013-06-16 18:06:24 | 聞いてますCDおすすめ


誰かが休みの時に聞くアルバムと言っているので今日はこれにしました。
ジャケットをみると1960年代のイメージで、ミケランジェロ・アントニーニの映画「La notte」からのイメージらしいですが、マルチェロ・マストロヤンニとジャンヌ・モロー、モニカ・ヴィッティのこの映画とビヨルンスタの演奏の、雰囲気がだいぶ違います。



映画の方は倦怠期の淀んだ雰囲気の映画、愛の不毛3部作とよばれたらしいですが、ビヨルンスタが愛の不毛を題材にするはずがない、「La notte」からの連想がジャケになったのでしょうが、クロスするところといえば、1曲目が未明の暗がりの中から始まっているようなところです。
こちらは勝手な想像をしながら聞いています。

チェロの音にパーカションの音がかすかに鳴って、実に静かに闇の中から形が見えてくるまで1分20秒、ピアノをバックに太いチェロのメロディはとても内省的、夜明け前の暗闇に目覚めた感じは、このアルバムⅠ~Ⅷまでにわかれていますが、題をつけるならば「はじめに目ざめしもの、はじめに祈りを捧ぐ」
2曲目、アルペジオのピアノに今度はテナーのメロディ、ガルバレイクを思い出せば、続くギターはラピダルを想定しているような、再びアンディ・シェパードのテナーにもどってこのソロがカッコいい。
「祝福をあたえしものが祝福をあたえる」こうなったら全曲題名造りをしてみよう。
3曲目ベース・ソロにチェロがかぶさると、そのもう一つ高いソプラノ・サックスにひきつがれていく曲、2曲目では少し激しかったけれど、また落ち着いた曲調「日々の営みを日々にいとなむ」という、なんだかアーミッシュみたいな雰囲気が漂うアルバムなのだ。
4曲目、ピアノとパーカションのデュオにチェロのメロディ、ビヨルンスタにはこのマリリン・マズールがまたあうのです。
「香るティーはいつもの時間で」
5曲目はピアノにパーカション、チェロと同じで、フルートみたいな音のソプラノ「収穫をひとつひとつ束ねていく」
6曲目もチェロではじまり、後半はベースのピッチカートだんだんと激しくなってつづけて7曲目にはいります。「我々は収得をする」
ベースとドラムが激しくなって、ベースのアンデルセンがすごくうなっている。これジャズ・フェスの演奏だから、盛り上がりも必要で、デストーションが効いたギターの後はソプラノ・サックスのそろ、教会的だった曲調は突然コズミックな世界にだから題は「収穫物は宇宙の承認をうける」になってしまった。
8曲目、再び静かなチェロとピアノ、夜が更けていく世界に戻って「今日の祈りは今日に修める」

まことに勝手な連想世界にお付き合いいただきましたが、このアルバムビヨルンスタの実に落ち着いた世界感と刺激を受けることができるアルバムでここのところでは一番調和のとてたアルバムだと思う。ゆったり聞きながら自分のことに思いが向かうのでした。

でもう一度アルバムは「一歩一歩確かめて歩む」。



La notte / ketle Bjoronstad

Ketil Bjørnstad: piano
Andy Sheppard: tenor and soprano saxophones
Eivind Aarset: guitars, electronics
Anja Lechner: violoncello
Arild Andersen: double bass
Marilyn Mazur: percussion
Recorded live July 21, 2010 at Molde International Jazz Festival.

1 I
2 II
3 III
4 IV
5 V
6 VI
7 VII
8 VIII
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする