かなり古い作品。1999年から2007年に放送されたHBO(Home Box Office)製作の人気番組。これがアマゾンプライムで観られる。
ニュージャージーのマフィア、ソプラノ家のトニー・ソプラノ(ジェームズ・ガンドルフィーニ)は、ディメオファミリーの有力者だった父ジョニー・ソプラノの跡を継いでいる。血統と能力に問題はないが、法(RICO法、いわば組織暴力対策法)の圧迫、外部圧力と内部圧力にさらされ原因不明のパニック症候群に悩まされている。これはうつ病なので精神科医に掛かっている。こんな人物設定も珍しい。
マフィアの話だから暴力はつきもので、殺人も簡単に行われる。それでもこのドラマがエミー賞(映画のアカデミー賞に相当)を96個のノミネート、通算17回受賞した。(ウィキペディアから)それはマフィアを描きながら、トニー・ソプラノ家の家庭や他の家庭のエピソードがちりばめられている点だろう。これは家族の物語と言っていい。
トニーの家族、妻カーメラ(イーディ・ファルコ)、長女メドウ(ジェイミー・リン・シグラー)、長男AJ(ロバート・アイラー)たち。それにトニーの姉ジャニス(アイダ・タトゥーロ)、トニーの甥クリス(マイケル・インペリオリ)などが絡む。
トニーは女性関係がルーズ、AJは成績が悪く口答えばかり、ジャニスは頭が良い。妻カーメラはみんなを支える良き妻という存在。姉ジャニスは、トラブルメーカーで頭痛の種。甥のクリスは、血の気が多く先走った行動が多い。シーズンズ6で酒とドラッグでハイになりトニーを乗せて道路わきに転落して重傷を負う。そのクリスの鼻と口を押えて窒息死させるのがトニーだった。このように人間の恥部は留まるところを知らない。それゆえに共感を呼んだに違いない。
イタリア系の俳優たちを眺めてみると、太っている俳優が多い。本物のマフィアに見えると言ってもいいかもしれない。それなりに迫力はあった。
トニーの家族も息子のAJは、軍隊に入ると言い出したが、知り合いのツテでテレビ局で助手となった。本人は雑用で不満らしい。娘のメドウは、弁護士事務所に採用された。とりあえずトニーとカーメラは、二人の子供と食事をするために豪華なレストランでなく、食堂と言ってもいいところでメドウがドアに近付く場面で終わる。一見の価値あるドラマの一つに違いない。