映画の導入部でヒュー・グラントがナレーションで言う「世の中に嫌気がさしてきたらヒースロー空港の到着ゲートへ。人は言う“現代は憎しみと欲だけ“と、そうだろうか? ここには“愛“の光景がある。
崇高な“愛“ではなくニュース性もない。ハグする父と子、母と子、夫と妻、恋人同士、懐かしい友人。“9月11日“の犠牲者があの時かけた電話も“憎しみや復讐でなく愛のメッセージだった。見回すと実際のところこの世には愛が満ち溢れている。(Love actually is all around)」
このLove Actuallyは邦題にしにくいせいかそのままラブ・アクチュアリーとなっている。ネットでアメリカ人女性英語教師が解説しているが、actuallyは「実は」ということで、相手の勘違いを訂正したり、思っていることを訂正する会話でよく使うとのこと。
一例として
A: Do you want some wine? ワインいる?
B: No thanks. Actually, I don’t drink wine. いや大丈夫。実はワイン飲まないの、という具合。
映画は、子供から老人まで19人の男女が織りなす愛の物語。出演者は、ヒュー・グラント、リーアム・ニーソン、コリン・ファース、ローラ・リニー、エマ・トンプソン、アラン・リックマン、キーラ・ナイトレイ、ビル・ナイ、マルティン・マッカチョン他というオール・スターキャスト。
すべての恋物語を書くわけにいかないので、ヒュー・グラントとマルティン・マッカチョンのコメディを。英国首相を務めるのは、独身のデイヴィッド(ヒュー・グラント)、その秘書がナタリー(マルティン・マッカチョン)。常日頃お互いに気になる存在になっていた。そんな折、アメリカ大統領(ビリー・ボブ・ソーントーン)訪英で首脳会談。デイヴィッドが書類を持って執務室に戻ったとき、好色なアメリカ大統領がナタリーを口説いている場面に遭遇する。共同記者会見は、辛辣な言質でアメリカ大統領を批判して惨憺たる結果に終わる。
ついでにナタリーの節操のなさにも腹を立て配置転換を断行。しかし、クリスマスイブはすべての人に穏やかでハッピーな気分をもたらす。ナタリーからのクリスマス・カードには愛が溢れていた。もうこうなったらナタリーの家に行くしかない。イギリスの下町という風情の棟割長屋が連なる一軒の家にやってきたデイヴィッド。ナタリーが家族揃ってクリスマスイブの集いで学校に出かけるところだった。
一緒に行こうというデイヴィッド。有名人のデイヴィッドが、会場に入るわけにいかない。こそこそと舞台裏に迷い込み、ナタリーとキスしているとカーテンが開き、二人は白日の下にさらされ、苦笑いして手を振るしかなかった。
この映画のサウンドトラック盤も発売され好評を博した。その中から1曲、ビートルズの「All you need is love愛こそすべて」を聴いていただきますが、欧米ではこの曲を教会での新婦の入場時に演奏されることが多いと言います。