猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

「若尾文子映画祭 青春」 見に行ってますよ。Ⅲ

2015年07月28日 21時33分21秒 | 映画
「若尾文子映画祭 青春」続きです。

「女の勲章」 製作年 1961年 上映時間 110分

あらすじなどはこちらをどうぞ → 女の勲章 | Movie Walker

監督は 吉村公三郎 ですが、脚色を 新藤兼人 がしています。
原作は山崎豊子の新聞小説。

小さな洋裁教室から次々に洋裁学園を拡張する 大庭式子 に 京マチ子。
その一の弟子 津川倫子 に若尾文子。
その二の弟子 坪田かつ美に 叶順子。
三の弟子には 大木富枝 中村玉緒。
事業欲にもえる野心家 八代銀四郎 田宮二郎。
式子の心の支えになった 白石教授 森雅之。
ああ、「羅生門」の頃よりぐっと老けたな~。
新聞記者 銀四郎の友人である 曽根英生に 船越英二。
倫子と真面目に付き合っていた(と思っていたが利用されていた) 野本敬太は 内藤武敏。
他にも大映映画に度々登場する 穂高のり子 浜田ゆう子 市田ひろみ 三浦友子 田中三津子 等の女優陣。

ファッション業界物という事で、華やかなトップファッションが次々に女優陣によって披露され、今見ても斬新なデザインが印象に残ります。
文子さんなんて豹柄のブラウスを堂々と着こなしているんですよ。54年前に !
京マチ子さんも35歳という設定ながら、貫禄たっぷりに大振りのアクセサリーや帽子を着こなし正に女優 !と言う印象です。

冒頭からひょろっとした男優が大阪弁でまくし立てていて、誰かいなと思ったらなんと !
田宮二郎さんではないですか。
私らの年代だと、「クイズタイムショック」の司会やテレビ「白い巨塔」とか映画だと「華麗なる一族」の印象が強いんです。
特にテレビドラマ「白い巨塔」がまだ放映中に猟銃自殺を遂げたのがショッキングで当時大きな事件となりました。

その田宮二郎さんが野心丸出しで次々と女達を篭絡していく様を機関銃のような大阪弁で演じているとは !
いや、上手いな~と思っていたら、それまで長らく端役が多かった彼が、この映画の演技で注目を集めた出世作と言うことでした。
原作がしっかりしているせいもあるのか、陰影のある良い日本映画でした。
DVDが出ていると思いますので、機会があったらこれもぜひ。

「新源氏物語」 製作年 1961年 上映時間 102分

あらすじなどはこちらをどうぞ →  新源氏物語 | Movie Walker

「週刊文春」連載の川口松太郎の同名小説を光源氏 市川雷蔵 雷様主演で映画化した王朝絵巻。
お衣装が~ !
出てくるたびに豪華絢爛・百花繚乱の違う衣装に包まれた 雷様 や女優達にただただうっとり。
お話はね、マンガでも小説でも何度も読んでいるからして、ああ、ここはこう表現したのね、とか余裕で他のことに注目できると言うもんで。(笑)

文子さんは 葵の上 をやってます。
最初はちょっと若すぎないかな、なんて思ったけど、勝気なお姫様と言う役が結構合っていた気がします。
当時の結婚年齢を考えれば全然若くないんですけれどね。
源氏の母桐壺と憧れの君藤壷は 寿美花代 。
高島忠夫の奥さん、高嶋政宏(二男)高嶋政伸(三男)のお母さんですよ。
始めなよなよ、覚悟を決めた後はきりっとした演技が光ります。
朧月夜は 中村玉緒 が演じていますが、はっちゃけ 現代っ子(?)朧月夜がいいアクセント。
紫式部の原作と違う解釈なのは、末摘花 (二代目水谷八重子) のエピソードです。
ぼろぼろの屋敷に住む落ちぶれたお姫様と言うのは同じですが、生活力に溢れたたくましいお姫様でした。
鼻も赤くなかったし。(笑)

この映画も 雷様 素敵でしたが、長丁場の源氏のこと、源氏が明石に流されたところで映画が終わってしまいました。
続きの映画は無いのかな~。
雷蔵源氏もっと見たいのにな~。

「薔薇いくたびか」 製作年 1955年 上映時間 135分
 
あらすじなどはこちらをどうぞ → 薔薇いくたびか | Movie Walker

小山いと子氏の雑誌連載原作を人気監督の笠貞之助が監督したモノクロ作品。
戦後10年経った1955年製作ですが、映画の中で配給のコメが来ましたよ~なんて言っているので設定は少し前のような気がします。
1953年生まれの私だって配給なんて知らないもの。

根上淳 の真一郎は時計メーカーの御曹司。
妹(南田洋子)の音楽大学受験で知り合った 若尾文子 の弓子は田舎の大きな、しかし落ちぶれた家の娘。
受かるまで名前を言わないようにしましょう、と妹と約束したせいで彼の名前や住所も知らないで分かれてしまった。
すれ違いのラブロマンスです。
彼の方も弓子を忘れられず1年以上もいろいろ手を尽くして探します。
しかし、それが仇になるようなことが起こり…。

この作品も長谷川一夫、市川雷蔵、菅原謙二、勝新太郎、小沢栄太郎 、京マチ子、山本富士子、三益愛子、船越英二等のオールスター出演です。
雷様はあまりストーリーには絡みませんが、舞台で踊りを披露するという珍しい場面が見られました。

「女の勲章」でも感じましたが、真一郎の乗っている多分外車?の車や女優達の着ているドレスなど、まだまだ貧しかった頃としては精一杯の夢を、見ているものに与えたのだろうな~と思います。
映画は当時は夢の世界だったのですね。
コメント
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