蘇州世界大会の審判は、昨年のアトランタ世界大会に比べて(失礼?)とても質が高かったと思います。
審判の判定などで、もめたのはほとんど無かったと思いますし、審判によって判断が違うということも無かったように思います。
(これも水野先生がスタッフの中に入ってくださっていたことは大きな効果だと思います。)
以下に、ジャパンオープンと異なっていた部分について示したいと思います。
・レッドゾーンでの競技進行停止
レッドゾーン(今回から傾斜路以降はレッドゾーン)に入ってからでも、ロボットが進めなくなったり、傾斜路を逆走し始めると競技進行停止のペナルティを取った上でロボットを持ち上げて置きなおしました。 多くは、傾斜路を上れない場合や、傾斜路の途中の被災者発見後に横を向いてしまったりした場合に、持ち上げられていました。 傾斜路で持ち上げた場合には、チームメンバーに傾斜路の途中に置くか、傾斜路の上に置くかを確認していました。
(まあ、教育プログラムだから・・・傾斜路上で持ち上げられた場合は、傾斜路の得点は入らなかったようです。 あたりまえか。)
2階の部屋に入ってからは、壁に突進してそのまま動かなくなっている場合や、傾斜路に戻ってしまった場合に、「神の手」が入っていました。
・2階の楊枝ならし
2階には障害物としての楊枝が撒かれていました。 ロボットの多くは、楊枝を乗り越えて進んでいましたが、いくつかのロボットは(「M&Y」のロボットも)楊枝をブルドーザのように押して進みました。 その結果、楊枝が集められた状態になります。 1回の競技が終われば、次のマルチチームのために楊枝を撒きなおしたり、均(なら)したりするのは良いと思うのですが、まだ、マルチチームの競技が継続しているのに、均すことがありました。 これは、マルチチームの作戦で、先発する片方のロボットが楊枝をどけて、後発のロボットが被災者を発見するという作戦もあるのだから、やっちゃダメでしょう。
・ショートカットをさせない
ロボットが黒線を外れると、20秒間はそのまま放置して、自力で黒線に復帰できれば競技進行停止になりません。 ただ、その20秒間にもっと先の黒線に復帰してしまった場合にはいわゆる「ショートカット」になります。 この「ショートカット」をしてしまうと、競技進行停止のペナルティはまぬがれますが、いくつかの得点源をすっ飛ばしてしまうことになります。 その配慮があったからか、黒線を外れてショートカットしそうになると、審判はロボットを持ち上げて、外れた黒線のちょっと先に置きなおしていました。
・後発ロボットのスタート
マルチチームはチーム全体で10分の競技時間が与えられます。 先発のロボットがスタートすると10分の計測が開始されます。 後発のロボットは30秒経過したらスタートすることができるのですが、審判から「30秒たったからスタートしなければならない」と迫られていました。 2階でぶつからないために、「出発を2分半空ける」と約束していたので、「M&Y」は頑固にスタートしませんでした。 ちゃんとKateさんに確認しておいたので、問題にはなりませんでしたが、この部分だけ審判での認識が合っていませんでした。
・撒きすぎの楊枝
特に決勝は2階に撒く楊枝の量がすごかったです。 この楊枝が飛び散って、傾斜路に出ていたり、1階のフロアに落ちていたりしました。 これらをキチント取り除いて競技をしてほしいです。 決勝の2戦目では、マルチチームの相手が撒き散らした大量の楊枝が傾斜路の上の部分にはみ出しており、「M&Y」のロボットは傾斜路の上の部分で棄権することになりました。(そのとき、審判は、本来ここには楊枝が無いはずだから、ここでの競技進行停止のペナルティはノーカウントにする、と言っていたらしいです。)
まあ、将来的には全部の部屋(傾斜路とかにも)楊枝が撒かれるような気がするな。
といろいろ書いてきましたが、総じて良い運営だったと思います。
きちんと予定通りの時刻に開始されておりました。
決勝も、「プライマリ12チーム、セカンダリ12チームがそれぞれ4戦やるなんて、なんて無謀な!」なんて思っていたら、ちゃんと時間通りに運営されてこなせていたのに驚きました。
スタッフの皆様、ご苦労さまでした。
(特に、水野先生、お疲れ様でした。)
「ショートカット」がシュートカットになってます。