二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

影の王国(ポエムNO.76)

2012年08月08日 | 俳句・短歌・詩集
1すでに伐採されてしまったはずの木々が風になびいてざわめいている。 いまこの空の淵を満たしている不思議な明るさ・・・暗さといっても ほとんど同じだけれど。本という名の印刷物にとじこめられたこころを解き放ち夜へと傾いたいちにちの斜面をすべり落ちてゆく。水をたたえた田のそこかしこを眼には見えないずぶ濡れのコウモリが 飛び回って。世界の終わりがこんなに静かであっていいのだろうか?ねえ だれかぼくに教えて。そこの葉うらに止まったカミキリムシの名前を。2酒瓶をならべたように 夜の都会が輝いている。つかのまの陶酔にぎやかなありふれた悪夢のイルミネーション飲み疲れた人たちが 一夜のこころを空瓶の中に捨てて立ち去ってゆく。 . . . 本文を読む
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