二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

ドーデー「風車小屋だより」(桜田佐訳)の改版が刊行された

2021年07月25日 | 小説(海外)
   (左改版、右旧版)


ドーデーの「風車小屋だより」(岩波文庫)の待ちに待った改版が、ようやく刊行された(^^♪
桜田佐さんのあとがきをふくめ226ページだったのが、文字がやや大きくなって278ページ。
それに有田英也さんの解説、年譜つき。そのほか表紙の風車の挿絵が変わり、ばったがバッタとなるなど、表記の見直しもなされている。

この本は100円コーナーにあったので、見つけると買い、また買い、たぶん4冊は持っている。
それだけ好きなのだ。
家のなか、いろいろな場所に配置してある。
初版は1932年の刊行だが、訳文は神西清さんなみにすぐれている。
検索してみたら、わたしは2007年7月に書評を書いていた。

https://blog.goo.ne.jp/nikonhp/e/48ef292189eb34d339b38552c63e2f55

「風車小屋だより」は大久保和郎訳、旺文社文庫も手許にあるけれど、文字が小さいのでいま読むのはつらい^ωヽ*

《あなたにとって、いちばん好きな小説はなんですか?
そんな質問を受けたとしよう。わたしはほんのちょっと迷ったすえ、「え~と、まあドーデーの『風車小屋だより』かな~」と答えるだろう。》
書評はそんなふうに書き出している。

現在でも、その気持ちに変化はあまりない、記憶がうすれているだけ。
ああ、そうだった、阿部昭さんも一時期よく読んだ・・・、
いまからかんがえると、岩波新書の「短編小説礼賛」は、わたしの方向性をかなり変えた本である。
ドーデーはもちろん、夏目漱石の「永日小品」や、国木田独歩「忘れえぬ人々」も、阿部昭さんの影響で手に取った。

かつて読んだ本を、数年たってふたたび、あるいはみたび読み返す。
大げさないい方になるが、人間にとって“体験”、この場合読書体験だが、そういうものが、あわただしい日常の時間の経過に抗して、どう持ちこたえていくのか、スリリングな意味の綾をふくんでいる、とかんがえる。

はてさて・・・しのごのいわず読み返さなくちゃ( ´◡` ) ムハハ

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