二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

セルバンテスがさらにヒートアップ  ~挿絵という別天地

2024年09月05日 | 小説(海外)
   (手に入れた教養文庫版・窪田般彌訳編) 


■「ドン・キホーテ物語」セルバンテス(ギュスターヴ・ドレ挿絵 窪田般彌訳編 教養文庫1990年刊)


数日まえ、運よくこの本を100円(税別)で手に入れた。
いやはや、いやはや。
本に挿入されるイラストが、わたしは好きなのだ(^o^) 稀には嫌いなものもあるけど、まあ概して好きの部類に入る。


   (これは旧版の「レ・ミゼラブル百六景」文春文庫。新版は表紙が違う)


フランス文学者の鹿島茂さんが、こういった嗜好を助長した。藤原書店の「バルザック全集」なんて、挿絵がふんだんに使われているから買ったようなもの。
文庫でいえば、岩波のものも、挿絵があるから、それが原因で“好きになった”ものがある。
傾向としては写実的なものに、偏っている。
日本の業界でいうと、「剣客商売」を担当なさっていた中一弥(逢坂剛の父)さんも忘れられないけどね。

挿絵が好きで、その作家のファンとなった人が、わたしのほか、どの割合で存在するか(^^? )
ドレの本は、この教養文庫のほかに、「神曲」など数冊持っている。
ウィキペディアを参照すると、イラストレイター、版画家、挿絵画家、彫刻家と表示される。
わたしが知っているのは、ドレのほんの一部にすぎないようである。

ドラマチックなのだ、原作のストーリーに沿ってはいるけど、より劇的にヒートアップさせている。そういう需要があって、それに応えているわけだ。
「ドン・キホーテ物語」には120枚の挿絵が収められている。そこから5枚だけスキャンさせていただいた。原本が文庫本なので、画質は多少難がある。












どうでしょう? ギュスターヴ・ドレ(1832~1883年)のイラスト。江戸時代の日本の浮世絵に、勝るとも劣らない出来映えですよね。
「ドン・キホーテ」を読もうとすると、岩波の全巻そろいで6冊(正・続各3巻)もありますからねぇ。
この文庫本なら、1冊に縮小されているので、最初から最後まで、きちんと読めそうな気がします(^^;;)



※教養文庫というのはこれまでバカにしていた。しか~し、見直しました、こんな本を出していたこと。
早大の名誉教授だった窪田般彌先生の仕事では、アンドレ・ブルトンの本や「フランス幻想小説」等4-5冊が手許にあった、と思う。

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