★ http://bizgate.nikkei.co.jp/article/87655910.html
近づいていた「世界大恐慌の足音」 2015/06/05 みずほ総合研究所
❶ 原油価格暴落の背景には、日米欧同時バランスシート調整という大恐慌以来の事態に加え、中国を筆頭とした新興国の調整がある。米国を先頭に先進国は調整から脱しつつあるが、その後遺症として金融緩和への過度な依存と世界的「金利水没」が残った。日本は金融緩和に伴う異例な低金利の麻酔状態と「トリプルメリット」(円安、財政支援、原油安)を活かすことで、1990年代以来の長期停滞から脱出する外科手術を成功できるかが問われる。一方、世界は原油価格暴落と金利水没からの出口を見つけていない。
日本を取り巻くニューアブノーマル
❷ 2012年、今から3年前、筆者の一人である高田は、『20XX年世界大恐慌の足音』(高田創著、東洋経済新報社)という著作を発表している。そこでの基本認識は、日米欧先進国が同時にバランスシート調整(※)に陥ることによってかつてない経済減速が生じて、それは1930年代の大恐慌に匹敵するとの問題意識だった。
(※)バブル崩壊などにより資産価値が大幅に下落したとき、企業や家計がバランスシートの負債を圧縮したり収益性を改善したりするために投資・支出を抑制すること。
日本は言うまでもなく1990年以降、バブル崩壊に伴うバランスシート調整で未曽有の停滞から抜け出せないままにあった。欧米も2007年以降のサブプライム問題、翌年2008年のリーマンショックを端緒にしたかつてないバランスシート調整にあった。
❸ その調整規模は、「100年に一度」とされることもあったが、少なくとも戦後最大の経済危機であった。2007年以降、日米欧が同時に深刻なバランスシート調整に陥り、1930年代の世界大恐慌以来の経済危機が生じた。2012年はそうした不安がより高まったクライマックスの局面だった。
日米欧の先進国がそろって未曽有のバランスシート調整に陥るような状況になれば、「世界大恐慌」の再来が生じてもおかしくなかった。しかし、
❹
2012年以降過去3年を振り返り、現実には世界大恐慌とされるまでの危機にはならなかったのはなぜだろうか。
その要因の1つは、2013年以降、米国の調整が少しずつ回復に向かったことにある。米国が回復に向かったことによって、ドル安圧力が転換し、日本もアベノミクスを中心とした回復のきっかけをつかんだ。加えて、日米欧以外の地域の景気拡大が日米欧の先進国の調整を救った面も大きかった。
ただし、今日、本当に大恐慌再来不安は過去のものとなったと言い切っていいのだろうか、本連載の問題意識もここにある。確かに、ここまで大恐慌の再来にはならなかったが、今日もバランスシート調整の後遺症は根強く残っているのではないか。以下で議論する原油価格の暴落と世界の「金利水没」はその後遺症の根深さを示すものではないだろうか。
今日、日本はそうした世界的な逆境をばねに長期停滞からの脱却ができるかが問われている。以下で世界経済の危機とその中で日本が抱える課題を考えたい。
❺ 日米欧以外の地域の拡大が世界大恐慌再来を救った
まず、なぜ日米欧先進国の同時調整に伴う景気下押しが決定的なものとならなかったのかを考えてみよう。次の図はみずほ総合研究所による先進国と新興国のGDPシェアを示したものである。日米欧の先進国経済の連動が生じ始めた1980年前後、新興国のウェイトは20%台であり、世界経済の動きは基本的に日米欧の動きに応じたものだった。
先進国と新興国のGDPシェア変化
(注) 米ドル市場レートによる換算
(資料) IMF, “World Economic Outlook Databases”より、みずほ総合研究所作成
仮に、こうした状況で日米欧が同時に深刻なバランスシート調整に陥ったら、1930年代以来の大恐慌の再来が本当に生じてもおかしくなかっただろう。しかし、実際には2010年代には新興国のシェアは40%近い水準まで上昇する大きな環境変化が生じた。新興国という新たな経済主体の存在が先進国中心の大きな調整を補完するクッションになったとも考えられる。
このような、新興国のプレゼンス拡大の中心にあったのが中国の存在であり、今や中国は世界第二のGDPを抱えるまでになった。ここで特筆すべき点は、
❻ 欧米が同時調整に陥った2008年のリーマンショックの直後に、中国が4兆元の経済対策を行って先進国を中心とした需要不足を補ったことにある。中国の存在はまさに世界大恐慌に陥る状況から世界を救った「ノアの方舟」のようなものだった。当時のハリウッド映画で世界的にヒットした『2012』(2009年、ソニー・ピクチャーズエンターテインメント)は世界の滅亡を中国から出る船が救うかのような結末になっていたのは印象深い。
当時、ノーベル経済学者であるクルーグマンは、世界で日米欧の先進国が同時にバランスシート調整に陥ったなら、そこから浮上するには「他の惑星の外需」に依存するしかないとの表現を用いて、難しい状況を説明していた。当時、中国の存在はまさに「他の惑星」に等しかった。また、BRICsを中心とした新興国の拡大も先進国の需要不足による調整を補ったと考えられる。
❼ 欧米の財政拡大も一時的に危機を救ったが、その後、緊縮に戻った
同時に、先進国も欧米を中心に2008年以降は自ら財政支出拡大を行って国内需要を回復させる危機対応策に踏み切った。バランスシート調整における財政の拡大はケインズ政策的な意味合いを持つ政策であり、2008年、09年と先進国は政策協調として財政拡張的政策を行った。これは、当時ケインズ政策の復活として議論されていた。
しかし、2009年にギリシャの債務問題を発端に欧州債務危機が生じ、同時に米国においても財政赤字問題に脚光が当たった2010年以降、
❽ 欧米は財政再建に大きく歯車を戻すことになる。
欧州では、ユーロの危機を回避すべく経常収支黒字化を志向して超緊縮的な財政政策が合目的にとられることになった。米国においても、その後、「財政の崖」とまで言われるほどの財政再建に向けた動きにつながった。日本も2012年には、税と社会保障の一体改革の名のもとに消費税引き上げを中心とした財政再建に重点が移ることになった。
一方、新興国については中国を中心とした急速なバランスシート拡大が2010年頃まで続いたものの、
❾ その後、2011年頃からは息切れの症状が顕現化し、過剰設備を中心にした過剰感に伴う調整が顕現化するに至った。
後遺症としての「長期停滞論」
2010年代以降の状況を改めて振り返ろう。欧米は、2013年以降は大恐慌以来の調整から改善に向かい、なかでも米国はそれまでのQE1、QE2、QE3という量的緩和による異例な金融緩和局面からの出口・政策転換を模索する段階に移行する。しかし、大恐慌以来のバランスシート調整からの回復は異例なほど緩やかなものだった。
❿ それはサマーズ元財務長官によって「長期停滞論」(secular stagnation)とまで称される後遺症を残すものとなった。米国では「財政の崖」とされ、財政面の拡大を封印する政治圧力が続く中での経済の回復感は自ずと限られたものにならざるを得なかった。
⓫ 加えて、それまで旺盛な投資を行ってきた米国の家計や企業は、サブプライム問題に伴う反省から、一転して慎重な投資行動になった。欧州の長期停滞不安は言うまでもないだろう。欧州では債務危機を脱すべく財政緊縮が行われ、経済の停滞が長期化した。
⓬ 以上の、欧米の大恐慌以来初のバランスシート調整は「日本化現象」とされることも多く、日本が1990年代以降にひきずった長期にわたる経済停滞、経済主体の先行き見通しの低下に類似した状況が生じるにいたった。
みずほ総合研究所 編著 『激震 原油安経済』(日本経済新聞出版社、2015年)「近づいていた世界大恐慌の足音」から
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● ここに見られる、
経済の現況判断や、未来予測は、法則を知らない事から間違った判断に
陥るのです。経済学が生きた現実を扱うとはいえ、経済学である以上法則はあるのです。
● 問題なのはすでに、
先人がその法則を見つけているのに、その意義を理解出来ない事と、
現実の目前の利益の為に先駆者の法則を知るものがそれをお蔵入りしていると、
考えられることです。しかし、ソロスははっきり言っています。
●
経済は再帰性=サイクル(≒私に言わせれば成長螺旋サイクル)であると” しかし
史上最大の経済暴落の天才・資本主義におけるが支配階級のハザール国ユダヤ人の
メッセンジャーが語る事を理解できる学者がいない・又は少ないと
思われることが、今の経済学会の問題なのです。
● その法則を見つけた先人とは、
エリオット波動を見つけたエリオットであり、その成果を
複雑系として化粧直ししてノーベル賞をいただいた、マンデルブローです。
● ソロスはそれを、
インサイダーとして、最も効果的に現実の経済の世界・投資の世界に応用して
英国政府を負かし、アジア危機の主役となり、リーマンショックではぼろ儲けし、
安倍政権後の日本円安相場でもぼろ儲けしてきたのです。
● 正に法則を知り、それを応用して
史上最大の暴落の投資家となったのです。新人の私もエリオットを
少しかじり、安倍政権からの円安相場の120円台への回復と、日経株価の回復を予言して
それなりに概略ではあるが、当たってきました。
● その新人の私にもできる事を、今の経済学会は対処が出きず、魑魅魍魎の跋扈する下らない
世界になっています。
● エリオット波動から言えることは、今回の2000年からの(2007年のリーマンショックでない)
不景気の波動は、大暴落のサイクル第Ⅴ波ではなく、その一段階前の、サイクル第Ⅳ波の
崩壊である事は、
図1から分かります。
図1
● 2000年からの波動は、エリオット波動の原則を忠実に再現したものです。
つまり波がトライアングルや
その拡大型となった場合、それは波の第Ⅳ波を意味し、その後に最後の第Ⅴ波が来る。
これは
投資でも最重要な原則です。それが今の世界なのです。
● 2000年からの調整波は、拡大型トライアングルを呈していますので、
1949年から始まった
USA資本主義最後のスーパーサイクル第(Ⅴ)波の一段下のサイクル第Ⅳは
今回の2000年からの調整波であることを示しています。これは図一の
インフレ調整では誰でもわかる調整=
ZIGZAG調整を示しています。
● つまり最後のサイクル第5波が残っているのです。その最後のサイクルが終わる2046年が
USAの資本主義体制の終わりである事を示しているのです。
2029年の崩壊開始時点≒
前回の1929年から丁度100年目に入る時点が歴史の断層の始まりを示すのです。
●
新興国のGDPの割合や、各国の世界経済への依存度の高さ、時の流れ等は、恐慌や不景気のサイクル
戦争の繰り返しや大虐殺などの繰り返しには、何の影響も与えてはいません。
●
むしろ大戦争・大虐殺等の残酷さは、20世紀・21世紀の世界に入り、つまり世界の相互の依存度が
高くなってから、ひどくなっているのです。従って次に来る第三次大戦・歴史の
カタストロフィーは、史上最大の大虐殺となる事が予想できます。
● すべては物事の内在する法則・因果関係・DNAで決まる事なのです。貴方の意思にかかわらず、
貴方は生まれ、成長して外見を気にする思春期となり、必然的に異性に興味を持ち、
子供を持ち、せっせと働き、やがて老化して死を向かえるのです。
● 人類誕生10万年の歴史は、その観点からは、同じことを繰り返している事を表しています。