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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成31年(2019年)1月25日(金曜日)
通巻第5967号 <前日発行>
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中国が金備蓄を増やし、ドル依存を減らしているという報道はおかしくないか
金備蓄を急増させているのはEU主要国とロシアだ
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まずは直近のデータを比較一覧されたい。
金備蓄の国別ランキング(2018年度速報)
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(1)米国 8407トン
(2)ドイツ 3483
(3)イタリア 2574
(4)フランス 2518
(5)ロシア 2184
(6)中国 1904
(7)スイス 1075
(8)日本 791
(9)オランダ 633
(10)インド 619
(11)トルコ 509
<註 世銀、IMF管理の金備蓄は2500前後だが、この統計には含めない>
さて、この一覧でも明らかとなることが幾つかある。
第一の留意点は、ユーロ主導のEU主要国であり、共通通貨の存続と拡大で合意しているはずのドイツ、フランス、イタリア、そしてオランダが、スイスをおしのけて高位にあることだ。
究極的に各EU主要国がユーロを信頼していないことを裏書きしている。
第二にロシアの急伸ぶりである。18年の報道にもあったが、ロシアは相当量の金塊を中国から買ったようである。貿易支払いの担保ではなく、ロシアは保有した米国債を売却して、金にシフトさせたのである。
第三に中国の「躍進」ぶりだが、米国のNY連銀金庫にストックされた金塊が、タングステンの金メッキではないかという説がある(ドイツはそれを口実に米国から全量を引き揚げた)。
同様に中国の金備蓄の数字がどれほどの信憑性があるか、という問題と、同時にパンダ金貨はクルーガーランド金貨同様に、国際的には通用しない(購入する業者はスクラップ扱い)。
なぜなら中国の金塊は金の含有率が99・9%で、国際基準は99・99%(フォーナイン)だからだ。
第四はインド、トルコという嘗ての文明大国の金備蓄への執着ぶりであろう。ムガール帝国もオスマントルコも、金志向だった。したがってアラブのサウジ、クエート、UEAでも金備蓄は盛んである。
第五に相も変わらず日本のノーテンキぶり。外貨準備の殆どを日本は米国債で保有しているうえ、金備蓄の実物の金塊は日銀の倉庫ではなく、NY連銀の地下金庫に預けたまま、一度も返還要求をしていないのである
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● 人生万事塞翁が馬。何が幸運を呼ぶかは既に決められています。
今年は株が世界的に大暴落。
➡ 一時的に円高/ドル安(100~95円/ドル)になり、ドル建では金は上がるが
➡ せいぜい少ししか上がらない(1600ドル前後/1㌉)
➡ つまり、金は短中期的には少し上がるか又は低下傾向で投資としては
不適当。経済力のない国には、金購入は少し役立つが・・。
➡ いずれ株暴落は終わり、又日本の大金融緩和もあり
来年から円安ドル高になる
➡ 2020年から円安/ドル高の傾向となり、USAは最後の史上空前の
繁栄が始まり、2030年前後まで続く。
➡ 円安とUSA国債金利の暴騰で日本はUSA国債からの金利収入が膨大になる
つまり、金購入よりはUSAの国債投資が結果としてよくなる。
世界の混乱はUSA国債の金利上昇となって現れます。
➡ なぜなら金利のサイクルは60年前後ですから、今後30年は国債金利は
上がる、つまり、USA崩壊まで金利は上がり続けるのです。
➡ 2030年前後からUSA/大西洋資本主義諸国の大崩壊と金の暴騰が起こるが
国債金利も2046年まで上がり続けるので、株価の大崩壊があってから
金の購入を考えてもよいということです。
➡ 今からUSAの国債金利は上がり続けるのです。経験から最低15~20%
前後まで上がるでしょう。また同盟関係を維持する意味でも、
USA国債は売れないのです。
➡ むしろ今年の世界的大暴落と不景気を理由に日本は巨大な金融緩和をして
150円/ドル前後まで円安に持って行き、安くなった日本の精密機械を
世界に売りつけて、日本製造業の大復活を遂げさせるのです。
➡ 円安で安くなった日本の製品は世界の引っ張りだこになるのです。そして
USAの為の製造を安くで行い、日米同盟で来る第三次大戦を乗り切るのです。
➡ USAもドル高となったメリットを生かして、世界からお金を集めて、さらに
安くなった世界の製品や資源を購入して、史上空前の繁栄を遂げるのです。
➡ ただし、金融帝国最後の繁栄です。その後継者は日本です。円安で世界の
製造大国となった日本が次の世界のリーダーなのです。その時は
➡ ちゃんと軍事大国となって,核兵器も用意する必要があります。
それでこそ、パックスジャポニカと言われるのです。
ここでのキーワードは、製造業の国家・日本は円安で繁栄し、金融帝国の
USAはドル高で儲けるということです。これを理解しなくてはいけません。