歴史と経済と医療の未来予測・歴史経済波動学

フラクタルと歴史経済波動学で予測
 未来の世界と経済と医療の行方
貴方はいくつの真実を見つけられるか!

ジムの見えている波は小波・問題は大波・巨大波である エリオット波動

2019年01月30日 11時17分48秒 | 経済戦争
★ https://shuchi.php.co.jp/voice/detail/5941

クリスマス大暴落は予兆か 大投資家ジム・ロジャーズが予言する「史上最悪の下げ相場」

    2018年12月28日 公開  ジム・ロジャーズ(訳:大野和基)


<<2018年12月25日、「クリスマス暴落」が株式市場を襲った。1年3カ月ぶりに日経平均が1,000円超も急落したのだ。株価は一時2万円台を割り込み、各紙は「世界経済減速の懸念」と報じた。

世界3大投資家の1人として知られるジムロジャーズは、驚くことに2018年夏の時点で今回の事態を「予見」していた。2019年1月17日に刊行される新著『お金の流れで読む 日本と世界の未来』の中で、アメリカ発の経済危機が近いうちに起きるだろう、と断言しているのだ。その真意やいかに――。>>

※本稿は『お金の流れで読む 日本と世界の未来 世界的投資家は予見する』(ジムロジャーズ著、大野和基訳 PHP新書)より一部抜粋・編集したものです。


史上最悪の世界恐慌は確実に来る

私は、ジョージ・ソロスと「クォンタム・ファンド」を立ち上げる以前に、イェール大学とオックスフォード大学で歴史学を修めた。歴史は、さまざまなことを教えてくれる。

たとえば、「4~8年の周期で大きな経済問題が起きる」ということもその1つだ。

今後1~2年のうちに、私が生きてきた中で最悪の経済危機が起きると予想している。なぜなら、世界中の負債額が史上最悪の数字を記録しているからだ。これで米中貿易戦争も絡んだら、とんでもない大惨事になる。

国際金融協会(IIF)によると、政府、企業、家計、金融機関を合わせた世界の債務残高は2018年3月末の時点で247兆ドル(約2京7000兆円)。10年前の2008年末と比べると、約43%、75兆ドルも増加している。

その一方で世界の国内総生産(GDP)の合計額は37%、24兆ドル増加にとどまっている。GDP比で見た債務規模は2.9倍から3.2倍に拡大しており、稼ぎに見合わない借金を抱える構図は、リーマンショック当時と変わらないどころか、悪化している。

2008年にアメリカでリーマンショックが起きて以来、世界中の国で債務が膨らむようになってしまった。10年前はほとんど借金がなかった中国でさえも、いまは多大な債務を抱えている。

アメリカの中央銀行も、そのバランスシートはたったの10年で500%も膨れ上がっている。500%とは、実に驚異的な上昇率だ。何十年という歳月を経て500%上昇した、と言われても信じがたいというのに、それがたったの10年という短期間でそこまで上昇してしまうとは、まったく理解の範疇を超えている。

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● USAの株価分析。インフレ調整しているUSAの長期チャートがエリオット
  波動分析には最高の材料です。270年のサイクルが体制のサイクル
  ですが、その中には90年サイクルが3つ含まれます。

● 90年の2つ目のサイクルの崩壊が、1929年に始まる世界恐慌です。
  これは戦後の1949年にようやく終わっています。この20年間
  =1929~1949年はいわゆる調整波=トライアングルですが、

● 第二回目の90年サイクルの調整でもあり、また30年サイクルの調整波
  でもあります。30年サイクルとは、1919年からの10年間の上昇波
  を加えたものです。

● つまり第二回目の90年サイクルの最後の波は、調整波20年+10年の
  上昇波という少しいびつな波ですが、丁度30年で終わっています。
  歪なのは90年サイクルの調整波でもあるという事がその原因でしょう。

● その後の30年サイクルは、1949年~1966年~1982年に見られます。
  つまり、上昇波は1949~1966年の事です。17年間です。
  下降波=調整波は1966~1982年で16年間です。

● 合計33年間ですが、1/fゆらぎで、少し伸びています。その後の
  30年間のサイクルは、1982~2000~2020と予測できます。
  上昇波は18年間で、史上最高の期間となっています。

● 不景気を乗り越えたUSAの永遠の繁栄が始まったと誤解した期間です。
  それは不老長寿の薬を見つけたと興奮するのに似ています。
  サイクルは自然現象ですから、永遠などはあり得ません。

● その後に下降波が現在まで続いています。つまり2000~2019(2020)年
  までが下降波となりますが、これは実際の株価を見るとなかなか
  分かりにくいですが、インフレ調整後の株価を見ると一目瞭然です。上図☝

● 実際の株価は、例えばリーマンショックの前には1万4千ドル前後まで
  上がりましたが、上記のチャートを見ると、インフレ調整した場合の
  株価は,2000年の1万ドルより低いのがわかります。上図☝

● インフレ調整しないと分かりにくいですが、その目で見ればわかります。
  つまり調整が始まる=暴落が始まると普通はお金をばらまいて
  その苦痛を取り除くのが普通です。だからインフレになるのです。

● 日本ではお金をこれでもかこれでもかと国民から搾り取り、国民に
  腹切りを強いたので奈落の底まで下がったのです。
  1990年から19年間の調整波がそれにあたります。

● つまり日本経済をガタガタにしたのは、三重野総裁から白川総裁までです。
  ようやく黒川総裁で、少しだけ経済のわかる人がトップになったのです。
  それでも本丸財務省が邪魔するので、インフレは起こらないのです。

● 金融緩和すればインフレになります。不景気にはその政策が重要ですが、
  日銀はそれが全く理解できないので、金融緩和しながらその横で資金の
  回収と増税による回収を行い、今でも景気の足を引っ張っているのです。
  インフレになりようがありません。経済がわかっていないのです。

● 2000年からのダウ調整波はインフレ調整前では、特殊な形=拡大型下図☟
  トライアングルを示していますが、インフレ調整するといわゆる
  サイドウェイ=ホリゾンタルを示しています。上図☝




● 又トライアングルは所謂第4波でしか出ないものですから、その後の波は
  必然的に第5波となります。言い換えれば最後の約30年間で、
  第三回目の90年サイクルが終わることになります。

● それは、同時に270年サイクルの終わりを意味します。これは今の
  資本主義体制が終わることを意味します。それの形は第二回目の
  90年サイクルの暴落が参考になります。

● つまり、1919年から10年間の急上昇の上昇波が起こり、その後に
  大暴落が20年続いて、世界恐慌となったのです。第2回目の
  90年サイクルの崩壊で世界大戦が起こったのです。

● 来るダウは、2020年から上昇波が10年ほど続き、その後に大崩落が=270年
  サイクルの大崩壊が起こるのが、私の予測です。エリオット波動から
  必然的に導かれる人類の宿命なのです。西洋文明の崩壊でもあります。

● 270年サイクルの崩壊では、すさまじい崩壊が起こることが予想されます。
  それが革命の時代であり、さらに世界戦国時代への幕開けとなって、
  世界、特に西欧はカオスの時代へと突入するのです。

● これを理解することが、エリオット波動の理解では最も大切となります。
  トライアングルは第4波しか出ないというのは、法則ですから
  必ず覚える必要があります。


 
  
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悪化する・自由・民主主義と平等と博愛の末路  資本主義の崩壊

2019年01月30日 10時09分36秒 | 資本主義・自由と民主主義
★ http://japan.techinsight.jp/2016/12/ellis12021220.html/2


外発!Breaking News 2016.12.03 20:10
writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】バッキンガム宮殿改修に500億円かけるなか 25万人のホームレス 氷点下で凍死者も(英

イギリス第二の都市と言われるバーミンガムでは30日の夜、マイナス6度を記録した。今年一番の寒さだっただけに、ホームレスらにとっては辛かったに違いない。

バーミンガムのジョン・ブライトストリートで凍死していたのは、30代とみられる住所不定の男性だった。地元住民が駐車場の近くで、冷たくなり息をしていない男性を発見したという。

イギリスでは現在、25万人のホームレスが路上生活をしていると言われている。なかでもロンドンのウエストミンスター地区はホームレスが最も多く、25人に1人が路上生活経験者かホームレスのための仮設利用者だそうだ。

国内でホームレスの多いエリアの上位50のうち、ロンドンのチェルシーやケンジントンなど34エリアがロンドン市内だという。他にもブライトン、バーミンガム、ブリストル、レディング、マンチェスター、コヴェントリーなどが含まれている。

この国において話題となっているニュースの一つに、バッキンガム宮殿の修理費の高さがある。日本円で約500億円と言われる金額を税金から負担しようとしている政策を市民は快く思っておらず、「王室にはいくらでもお金をかけるのに、ホームレスの人たちには十分なサポートができていないのでは」という批判の声も少なくない。

出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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● エマニュエル・トッドによれば、革命の時期は、社会的諸環境が
  悪化するという。例えば平均寿命の低下や、庶民の教育環境の
  悪化などである。勿論生活の困窮度合いも増えます。

● USA/大西洋資本主義諸国での貧富の差の拡大は勿論それを端的に
  表しています。だからと言って革命が起これば物事がすぐに
  解決するわけではありません。

● さらに今回の革命が庶民にとって最悪なのは、次の体制が戦士の
  戦国時代になるという事です。一難去ってさらに一難ならぬ
  多難の時代が西欧に来るのです。

● ホームレスの凍死の問題程度では済まないのです。さらに地球寒冷化が
  始まれば、さらに事態は悪化します。温暖化は北国の恵みですが
  何を狂ったのか、温暖化は西欧の危機と誤解しているのです。

● あらゆる意味で、貧すれば鈍するを表す西欧の支配階級の判断ミスは
  それ自体が老化による認知症的判断といえましょう。

● マルクスの判断も最悪でした。資本主義は滅びるという大原則は
  当たりますが、問題はそれ以外は当たらないという事です。
  滅びる時期は150年前後も遅れて、さらに

● 彼の予測する共産主義革命は、史上最悪の虐殺となり、又なる運命
  なのです。自由平等博愛の革命は、現在の資本主義をもたらし
  ましたが、戦士の時代はまさに生き残りの戦いの時代だからです。

● 今後は西欧で、凍死者は増えて革命がおこるが、それでも凍死者は
  減らず、ますます増加して、挙句は革命の為に多くの人が
  虐殺されるという運命が待っています。

● 革命と戦国時代への移行と核の拡散と地球の寒冷化、西欧文明の
  崩壊は、一言でいえば、人類の危機をも意味します。
 
● 言い換えれば、現代資本主義は、夢のような豊かな時代であったと
  後世の歴史家は語り継ぐのでしょう。
コメント (2)
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資本主義末期の問題点 お金のために国を売る  西洋の崩壊

2019年01月30日 07時59分32秒 | USA/大西洋資本主義の大崩壊
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成31年(2019年)1月30日(水曜日)弐
        通巻第5973号     
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 豪政界も中国に汚染され、三人の高官がファーウェイの代理人だった
  孟晩舟はファーウェイ(豪)の取締役としても、陰謀に加担していた
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 豪政府高官だった三人をファーウェイは、「取締役」に雇用し、高給を支払って事実上の代理人を務めさえ、オーストラリア市場の拡大に協力させてきた。
 豪政府は労働党のジラード政権からターンブル保守政権まで、国家安全保障部門は、ファーウェイの警戒を怠らなかった。

 「ファーウェイ(豪)」は現地法人を装いながらも、事実上のスパイ機関として、機密情報を入手していた。

2011年からファーウェイ豪の取締役になっていた三人の高官とは、ジョン・ブルンビー元ヴィとリア州副首相、ダウナー外相、そしてジョン・ロード元海軍中将で、いずれもが「ファーウェイのスパイ行為という陰謀論には証拠がない」と中国を擁護してきたため、豪メディアは疑惑の目を向けてきた。

 さてカナダで拘束されている孟晩舟だが、2005年10月から2011年8月まで、このファーウェイ豪の取締役を務め、中国と豪のあいだを行き来していたのだ。

 米国が起訴に踏み切ったのは23の容疑で、イランへの不法輸出と迂回路の送金のほかに様々なスパイ容疑が俎上には網羅されている。資金洗浄と迂回送金に利用されたHSBCは、ファーウェイとの取引から撤退している。

 中国はなんとしても孟晩舟の米国への身柄引き渡しを阻止するべく、在中国のカナダ国籍13名を拘束し、さらに中国人だが豪国籍をもつ楊という作家を拘束し、カナダに対して猛烈な圧力をかけた。

 弱腰トルードー(カナダ)首相とて、ファーウェイ政策には厳しい姿勢をしめすようになり、駐北京カナダ大使の親中発言に激怒、大使を召還した。
 ファーウェイ問題、これからの裁判の行方に注目があつまる。
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先ずは獅子身中の虫の退治 そしてサムソンの破壊 第三次大戦は中韓との闘い

2019年01月30日 07時42分41秒 | 朝鮮半島
★ https://www.msn.com/ja-jp/news/world/日本を「仮想敵」扱いして準備してきた韓国軍/ar-BBSUV8j?ocid=spartandhp#page=2

日本を「仮想敵」扱いして準備してきた韓国軍

     古森 義久 2019/01/30 06:00

(古森 義久:ジャーナリスト、産経新聞ワシントン駐在客員特派員)

 韓国軍による日本の自衛隊に対する敵性のにじむ行動が波紋を広げている。実は韓国軍は伝統的に日本を脅威とみなす軍事強化策をとっており、米国から警告を受けた歴史がある。これは日本ではほとんど知られていない重要な事実である。

 北朝鮮の軍事脅威が顕著な1990年代、韓国は北朝鮮に対抗する軍備として最も必要な地上部隊の強化を後回しにして、日本を仮想敵と見立てて海軍や空軍の増強に力を入れた。そして、その施策について米国当局から抗議を受けたという現実が存在するのだ


今に始まったことではない韓国軍の反日姿勢

 韓国軍が日本の自衛隊に対して挑発的な行動をとっている。現在日本では、その動きの理由として「一部の将兵が勝手に行動したのだろう」あるいは「日韓の政治的な対立のために韓国の一部の軍人が感情的となり、腹立ちまぎれに日本への威嚇的な動きに出たのだろう」という見方が多数派であるといえよう。
 日本と韓国はともに米国の同盟国であり、近年の北朝鮮や中国の軍事脅威に備えて、米日韓三国で防衛協力する必要性が叫ばれている。そんな中で、韓国軍による日本の自衛隊機への危険なレーダー照射などが起きるのは、韓国軍が一時の感情に突き動かされて、過剰な反応へと走ってしまったのに違いない、という見方である。また、たまたま北朝鮮漁船と接触しているところを自衛隊機に見つけられたため、追い払ったのだという解説もある。
 ところが、韓国軍部の反日姿勢は今に始まったことではない。韓国は、二十数年前から安全保障戦略や軍事面でも日本を仮想敵および脅威とみなして、対策をとってきた。韓国軍の反日姿勢には長い歴史が存在するのだ。


「中長期の日本の潜在的軍事脅威に備える」

 その事実を、私自身がワシントン駐在の記者として書いてきた産経新聞の記事を通して紹介しよう。
 まずは今から25年前、産経新聞の1994年12月5日の朝刊国際面に載った記事である。《韓国軍の空・海強化計画 「日本脅威」傾き過ぎ 米共和党 次期議会で調査開始》という見出しが付けられていた。

《【ワシントン4日=古森義久】米議会の共和党は、韓国軍の軍事能力強化の計画が日本を潜在的脅威と見立てた空、海軍の増強に傾きすぎている─として1月の次期議会で公聴会などを開き、本格的な調査を開始することになった。米議会側では、「韓国は在韓米軍と共同で北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の脅威に備えるため、地上防衛軍の強化に最重点を置くべきだ」と主張しており、ウィリアム・ペリー国防長官も韓国が日本を仮想敵として中長期の防衛計画を立てている実態を認め、韓国側に抗議したことまで明らかにしている。
 共和党筋が3日までに明らかにしたところによると、議会共和党は上院外交委員会などを中心に第104議会で、韓国軍の兵器調達計画などの調査を開始する方針を決めた。特に在韓米軍の任務に関連して、韓国の中長期の軍事計画が日本を潜在的脅威とみての増強に比重を置きすぎているとの認識に立ち、米国の防衛予算の使途という見地から下院予算委員会なども加わって公聴会を開くことも予定しているという。
 米議会では、韓国軍の軍事計画の現状を「米韓共同防衛態勢のゆがみ」ととらえ、下院が今年(1994年)6月、「米韓共同防衛では北朝鮮の現実の脅威に対し、原則として韓国軍が地上防衛、米軍が空、海の防衛と責任分担が決まっている。だが、韓国軍は地上防衛能力になお欠陥があるにもかかわらず、その改善計画では費用の顕著な部分を地上防衛以外の分野に向けている」と指摘。その是正を目指すために、米国防総省に調査と報告を求める決議案を可決した

 この決議は「他の分野」として、(1)潜水艦(2)駆逐艦(3)高性能の航空機─をあげ、「これらの兵器は地上軍事能力の改善に役立たず、その分、米軍への負担が増す」としている。
 この決議には、韓国がなぜ北朝鮮からの攻撃への対処に直接、有用ではない潜水艦などの増強に力をそそぐのかは明記されなかったが、その理由が主として中長期の日本の潜在的軍事脅威に備えるため─とされることは、米側の議会筋や朝鮮問題専門家が明らかにしている。
 事実、今年5月にペリー国防長官がワシントンで朝鮮半島の安全保障について演説した際、議会調査局のアジア安保問題の専門家ラリー・ニクシュ氏から「議会では最近、韓国軍が日本からの仮想脅威に対処するため、空、海の軍事能力強化を優先させていることに批判がある。韓国側にその是正を要請したか」という質問が出た。
 これに対し同長官は「確かにここ数年、国防総省も韓国軍のそうした(日本を仮想脅威としての)目的の兵器システム開発計画の不適切な優先順位に懸念を抱いている」と述べた。さらに同長官は、4月の韓国訪問では韓国側にその現状を抗議し、是正を正式に求めたことを明らかにした。
 共和党議員には、米韓軍による「北朝鮮からの総攻撃に対しては北の中枢への通常戦力での大量報復」という抑止戦略が実効を失いつつあるとの認識がある。》

 1994年当時、米国側はビル・クリントン政権、韓国は金泳三政権だった。金泳三政権自体は比較的安定していたが、ちょうどこのころ、北朝鮮の核兵器開発への動きが米朝関係を緊迫させるようになった。北朝鮮の軍事脅威が米韓両国に重大に認識されるようになっていたのだ。

 ところがそんな時期であるにもかかわらず、韓国軍は北朝鮮との戦闘に不可欠の地上戦力を強化せずに、海軍や空軍の増強に力をそそごうとした。その動機は、日本を脅威とみる認識だった。
 この歴史的な事実は現在の日韓関係の悪化をみるうえで重要な意味がある。韓国側の日本敵視はこれだけ根が深いのである。

WSJが伝えた米国政府の強い不満

 日本を脅威と捉える韓国側の認識と、その認識に基づく防衛政策について、私は翌年(1995年)にもワシントンから同じ趣旨の記事を発信した。1995年1月19日の産経新聞朝刊国際面の記事である。見出しは《米、韓国の防衛政策に不満》で、内容は以下のとおりである。
《【ワシントン17日=古森義久】韓国の防衛が当面最大の脅威とされる北朝鮮地上軍よりも日本へ重点を置き軍事力整備が進められていることに対し、米国政府が強い不満を抱いていることが17日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの報道で伝えられた。
 同紙はソウル発で米国の国防当局が同盟国の韓国の防衛政策に強い不満を抱いていることを報じた。この記事は「韓国国防省は長期の脅威としては北朝鮮よりも日本を恐れている」「米国政府当局者は韓国の北朝鮮への対抗戦闘能力を疑問視している」という見出しで、ソウルの韓国防衛関係者や在韓米軍当局者の説明を伝えている。
 同記事によると、韓国軍当局は「360度防衛」の標語の下に長期の脅威としては北朝鮮よりも日本を第一に位置づける方針をとり、北朝鮮への抑止、防衛の中心となる地上兵力の強化よりも海軍、空軍の増強に重点を置く傾向が続いてきた。この政策の表れとして韓国軍は潜水艦、偵察衛星、駆逐艦などの調達に力を入れているという。
 さらに同記事によると、韓国の同盟国として共同防衛にあたる米国としてはこの韓国の「日本脅威」戦略に明確に反対し、韓国軍が北朝鮮への防衛を在韓米地上軍に依存する度合いを減らすことを要請している。(以下、略)》

日本の防衛態勢を専門に研究する部門も

 さらに私はこの記事に対して、「視点」というタイトルの短い解説記事を書いた。その記事は本体の記事と同じ日の紙面に掲載された。全文を引用しよう。

《【視点】韓国軍の空・海強化計画 「日本脅威」傾き過ぎ 対日認識屈折あらわ
 米議会の共和党が韓国軍の日本を潜在的脅威とする増強計画に批判を強めたことは、韓国の安全保障面での屈折した対日認識に光をあてることになった。一方、米国側ではこの動きは共和党主体の新議会が同盟国との共同防衛の責任分担区分をより厳密に求める傾向を示したといえる。
 米韓防衛関係を長年、研究する米海軍大学院のエドワード・オルセン教授は「想定可能のあらゆる事態に対応する軍事シナリオを考えるのが軍の任務だから、危険視する必要はないが、韓国軍が日本を将来の潜在的脅威、あるいは仮想敵として軍事対処を検討しているのは事実だといえる」と述べる。
 別の米国軍事筋は、(1)韓国軍部には北朝鮮が現状の政体のまま続くのは10年未満とみて、朝鮮半島の統一、米軍の撤退という展望を踏まえ、日本が地域的に新たな軍事的脅威となるとの見方がある(2)韓国の国防省所属の国防研究院には最近、日本の防衛態勢を専門に研究する部門が新設され、女性研究者の宋永仙博士の下に専門家6、7人が勤務し、あらゆる事態を想定した机上演習をしている(3)韓国軍のドイツ製ディーゼル潜水艦の購入や、駆逐小艦隊の整備は日本の自衛隊に対抗するため(4)しかし近代兵器の調達には長期間を要し、調達は将来に備えてで、日本を目前の敵とみていることを意味しない─などと述べている。
 ブッシュ政権の国家安全保障会議(NSC)のアジア担当官だったトーケル・パターソン氏は「日本を対象とするようにみえる韓国の兵器類の調達や開発には、防衛産業育成という側面も大きい」と指摘する。だが、日本といま安全保障面でも交流や連携を広げる韓国が、一方で長期の視点にせよ日本を潜在的脅威と認識しているとの屈折した側面があることは否定できない。》

ちらほらと見える「衣の下のヨロイ」
 以上を、古い話だというなかれ。韓国はこんなにも前から日本を軍事面での脅威と認識してきたということなのだ。
 そしてなによりも、2019年1月の現在、日本側の防衛省、自衛隊の複数の幹部たちの言によると、韓国軍の「日本潜在脅威認識」はいまも存在し、韓国の防衛態勢にはちらほらと「衣の下のヨロイ」が散見される、という。
 この経緯をみると、最近の韓国軍の自衛隊機に向けての攻撃用のレーダー照射事件も、まったくの別の様相をみせてくるといえるだろう。
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