ポール・セルバ氏(ロイター)© 読売新聞 ポール・セルバ氏(ロイター)

 【ワシントン=海谷道隆】米軍退役大将や米政府元高官ら約500人が24日、11月の大統領選で民主党のジョー・バイデン前副大統領を支持するとの公開書簡を発表した。トランプ大統領が同盟国との信頼関係を損ねたことなどを理由に挙げている。安全保障関係者の間にトランプ氏への不信感が広がっている。

 「バイデンを支持する国家安全保障指導者」と題した書簡には、トランプ政権下で米軍制服組ナンバー2の統合参謀本部副議長を昨夏まで務めたポール・セルバ退役空軍大将も名を連ねている。米軍幹部は中立性を重視するため、退役後も政治的な意見を公にすることを控える傾向がある。セルバ氏の参加は危機感の強さの表れとみられている。

 セルバ氏らは書簡で「現大統領は、大統領職の巨大な責任に見合わない人物であることを自ら示した」とした。その上で「彼の尊大な態度や失敗のせいで同盟国はもはや米国を信頼も尊重もしていない」と指摘した。