❶ USAは戦勝後の復興で世界の工場となり、しこたまゴールドを稼ぎ、
それを担保にドルを増やしました=金本位制。
❷ 世界の復興特に日独の復興と追い上げを、ニクソンショック
(金兌換制中止・変動相場制導入・石油*ドル本位制)にて切り
抜け、ドルをジャブジャブと印刷し焼け太りします。
❸ 三度目の正直は、高金利で世界の金と投資をUSAに呼び込む
しかありません。もはや世界の工場復活は不可能でしょう、
ドル本位制もBRICsの反撃で維持は不可能です。あるのは資源と
億単位の人間と広大な土地とジャブジャブに刷ったドルのみです。
どこの国でも崩壊過程の国は、その国の紙幣の魅力を高めようと高金利でお金を引きつけます、USAもその例に漏れず、高金利をひたすら続け、高金利の魅力と投資の呼び込みにて生き延びるしかありません。
その結果は10%台前後での株式市場大崩壊と20〜30%台前後の高金利と強力なスタグフレーションとUSA資本主義の大崩壊です(近年ではギリシア危機が参考になる)。
株式市場の大崩壊は強力なドル安円高を招き、日本は為替介入の為に幾らでも円を印刷することができますが、インフレ脳しかない日銀おじさん達のために、円を増刷(金持ちになるチャンス)せずに超円高を招き第二次産業空洞化を招きます、
いずれにしろこの3度目の正直で西欧資本主義の栄光は終わるのです
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資本主義は転換期にある。ドル基軸通貨体制はいつまで続くか?(第1回)
● トランプ現象は矛盾を抱えた 産業資本主義の巻き返し ――お金と物の価値の関係、すなわち金利と物価の関係を歴史的に解き明かすことが、本書『金利の歴史』と『物価の歴史』のバックボーンになっていますね。 世界的かつ歴史的に視座を高めてみると、近年のお金余り状態のスタートは、1971年のニクソン・ショックにあります。
❶それまで米国は自国通貨ドルを金(ゴールド)と一定価格で交換すると国際的に約束し、基軸通貨としてのドルの信認を取り付けてきました。その体制には米国が通貨発行の裏付けとして金地金を保有するという“縛り”がありましたが、ニクソン大統領がその約束の放棄を宣言した後は、米国という国そのものの信用が担保となりました。
以降、❷制約から解放された米国はドルの発行や融資を増やし続け、世界に流通するユーロダラーはまさにジャブジャブ状態になるのです。 ニクソン・ショック以降はマネーが増殖していくのですが、それは実態経済にニーズがあったからです。 商業資本主義に続く産業資本主義では、大きな工場やインフラを作っての大量生産・大量消費で、社会を大きく成長させた。その際、先立つものとしてお金が必要だった。お金の希少性が高かったのです。 その時代には、金利が金利を生む複利効果で、金持ちにますますお金が集まるようになります。実態経済では、生産した製品の売り先としての市場がグローバルにどんどんと広がっていきます。その過程で、経済格差が拡大していきます。 行き着いた先が現代です。もうそんなにモノは要らないという段階に来て、いわゆるモノ消費からコト消費へと市場ニーズが変わっています。
ニーズを捉えるための情報が、より高い価値をもつ情報社会となります。産業資本主義時代のように生産設備の増強は必要でなくなり、そのための投資資金需要も弱まっていく。すなわち、お金がかつてほど必要でなくなり、希少性が減っていく。 この状態を金利の面から見ると、2%割れということになるわけです。かつて“世界の工場”と呼ばれた中国でも今日、金利がどんどん低下し、日本に近づいています。 ――今日、希少性はどこにあるのでしょうか。 一つは情報であり、データですね。モノが希少な需要地へ供給地から運ぶことで稼げた商業資本主義から、モノの大量生産・大量移送でより大きく利得する産業資本主義に移行し、現代はモノの過不足の情報やコト消費の元になる情報に価値があり、それを他社よりも早く正確に伝えるためのデータの収集・移送が収益の源泉になっています。
先立つものはお金ではなく、情報やデータなのです。お金は結果であって原因ではない。非財務の知的資本やブランド、人的資本などに価値を見るのもその流れの一環です。 さらには今後、世界的に高齢化が進み、先進国から始まって新興国へと人口減少が広がります。生産年齢人口が中国でもピークアウトしていることを考えると、人に希少性が出てくるかもしれません。 世界経済全体が大きな転換を迎えていて、それが金融に反映され、金利水準が大きく下がってきているのかもしれません。
――社会の構造が大きく変わっている。 と同時に、振り子史観を私は持っています。古代から金利を考察していくと、前述したように徴利禁止と金利容認が振り子のように変わっています。 古代ギリシャ時代のアリストテレスは、人間ではないお金が子供(利子)を産むのはおかしいと言って批判しています。格差の要因になると。しかし、経済が発展していくためには、余剰資金の活性化が不可欠で、いろいろな方便で金利を認めていくようになります。中世では、カトリック教会はキリスト教徒同士の徴利は禁止していましたが、プロテスタントの中でもカルヴァン派は金利を認めます。それが商人には望ましいのです。 お金がお金を産む期間が続いて格差が広がると、徴利禁止あるいは徳政令のように借金棒引きという施策が施されます。生活困窮に追い込まれる債務者の暴動が起きて、社会秩序が崩壊することを為政者は恐れるからです。
――今日もその流れにあるのでしょうか。 情報社会が急成長してGAFAMに象徴される少数の突出した富裕層と中間層の崩壊という流れの中で、昨今のトランプ現象はいわば産業資本主義の巻き返し、振り子の揺り戻しに見えます。トランプ大統領の支持者層は情報社会の中で取り残され、相対的に借金している人が多いとの報告もあり、揺り戻しを働きかけている。 ただし、その人たちにとっては金利が低いほうがいいはずですが、❸新政権の政策は、物価上昇要因になるという見通しが多く、結果的に金利上昇圧力となりつつあります。その意味では、ねじれが生じているわけです。
産業社会から情報社会への構造転換という潮流の中で、産業資本主義を支えた人々が振り子を振り戻そうとしている。多くの人々が結集した揺り戻しの力が、歴史の流れを押し戻してしまうかもしれない。今、どちらの方向に動くか微妙な状態にあると思います。 ――冒頭お話しされた「人の感情が市場を動かす」という行動ファイナンスから来る動きと、長期スパンの歴史思考からの流れとがぶつかり合っているのでしょうか。 行動ファイナンスでは割と小さな波を見て、その小さな波の下にある潮流は歴史で見ていく。両視点で金利の変動を見ていくべきですが、中でも後者の意味を強調したことが本書の特徴の一つです。