米軍、イラクとシリアの親イラン武装組織を攻撃 米兵死亡への報復か
記者団との質疑応答に臨むバイデン米大統領=ホワイトハウスで2024年1月30日
複数の米メディアは2日、米軍がイラク、シリア両国内の親イラン武装組織に対して軍事行動を開始したと報じた。中東ヨルダンの米軍拠点で米兵3人が死亡した無人航空機(ドローン)攻撃への報復措置だとみられる。イランなどの反発は必至で、中東での緊張が一段と高まる恐れがある。 【写真まとめ】米兵死亡に関与か 新イラン組織「神の党旅団」って?
ヨルダン北東部で1月28日未明に起きたドローン攻撃では、米兵3人が死亡、40人以上が負傷した。イラクやシリアでは2023年10月から親イラン武装組織による駐留米軍への攻撃が頻発していたが、死者が出たのは初めて。バイデン大統領は「必ず攻撃の責任を負わせる」と強調し、具体的な対応策を検討していた。
イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとの戦闘を巡って、米国はイスラエル、イランはハマスを支援しており、周辺国では駐留米軍と親イラン武装組織との間で緊張が高まっている。イラクとシリアでは23年10月以降、米軍の拠点が少なくとも165回攻撃された。【ワシントン秋山信一】