「フレンズ」の故マシュー・ペリー、最期の日々は処方薬漬けだった 死因は「ケタミンの急性作用」
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10月末に自宅で急逝したマシュー・ペリー。ロサンゼルス郡の検視局がペリーの死が事故死であり、死因は「ケタミンの急性作用」だったことを発表した。ケタミンは鎮静剤でうつ病の治療に使われることもある。検視局によるとペリーは生前「ケタミンの注入療法」を受けていたが、最後の治療は亡くなる1週間以上前。そのため死につながったケタミンは療法で使われたものではないと一部のマスコミは示唆している。
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ペリーはオピオイドの依存症に苦しんでいたことがあるが、19か月にわたって薬物を絶っていた。しかし処方薬や市販の薬を大量に服用していた。新聞「ニューヨークポスト」が入手した検視報告書によると、友人の1人は「死の前の数週間、ペリーは男性ホルモンのテストステロンの注射を打っていた。そのため怒っていて意地悪だった」と証言している。また致死量のケタミンと共にオピオイド依存症を改善するために使われる類似薬のブプレノルフィンも検出された。それ以外にも体重を減らすためのタモキシフェン、糖尿病の治療薬、ニコチンキャンディを使っていたことがわかっている。ペリーと一緒に住んでいたアシスタントは彼がそれまで1日に2箱のタバコを吸っていたと証言。亡くなる直前は禁煙しようとしていたと語っている。
検視報告書には「ペリーが生活の質を維持するために処方薬や市販薬に深く依存していた」「アシスタントの寝室にはペリーに処方された薬のボトルが大量にあった。全部空いているものもあれば半分だけ残ったものもあった」とも書かれている。 ペリーは2022年に出版した回顧録でケタミンを使った療法が「好きではない」と告白していた。スイスのリハビリ施設で療法を受けているときに「死にかけている」ような気持ちになったという。しかし高名な神経科学者であり医師でもあるバンコール・ジョンソン博士はペリーの死因について「ケタミンを遊びで使用した可能性が高い」「ブプレノルフィンを使用している人にケタミンを出すのは医療として考えると疑問が残る。大惨事を引き起こす組み合わせだ」と新聞「ニューヨークポスト」に語っている。突然の死ですでにショックを受けていたファンに、この死因が改めて衝撃を与えている。