旅と歴史

全国各地の史跡を取り上げて紹介しています。

本興寺

2015年09月11日 | 旅 歴史
 兵庫県尼崎市開明町に本興寺があります。
 精進院本興寺は法華宗本門流の大本山です。応永27年(1420)京都本能寺の日隆上人に帰依した細川満元が日隆上人を開基として創建しました。日隆は八品派を起こした傑僧で、多くの学僧を輩出させました。当初は現在の尼崎城の本丸付近の大物浦にありました。
 日隆は京都本能寺の開山でもあり、兵庫県下だけでも13ものお寺を開創しています。寛正4年(1463)に日隆が書いた本能寺法度には、本能寺と本興寺の両山一寺の制を定めています。本能寺を布教の寺、本興寺は教学の寺としていました。
 本興寺は、伏見宮(ふしみのみや)家との関係を深め、8世の日承(にっしょう)以降の住職は伏見宮家から選ばれました。戦国時代には広大な土地の周辺を土塁や堀で囲み、自治都市のようになっていたそうです。
 元和3年(1617)、膳所藩主だった戸田氏鉄が5万石で尼崎に入封し、尼崎城築城の際、大物浦が本丸付近になったため、本興寺は現在地に移されました。境内地は6万平方mもあり、法華宗教学根本道場、法華宗4大本山の1つとして隆盛しました。
 広大な境内には様々な堂宇が建てられています。三光堂、開山堂、方丈は国の重要文化財に指定され、鐘楼は県の重要文化財に指定されています。日隆聖人坐像は堺の仏師浄伝に刻ませ、自ら開眼したもので、恒次(つねつぐ)銘太刀(たち)などとともに国の重要文化財に指定されています。

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