奈良県奈良市般若寺町に般若寺(はんにゃじ)があります。
般若寺の笠塔婆2基は十三重石塔を建てた伊行末の息子・伊行吉(いぎょうきち)によって建立されました。花崗岩製で南塔は総高4.46m、北塔は4.76mです。父の一周忌にあたり、一基は父の追善のため、一基は母のため建立したようです。刻まれた梵字漢字は鎌倉時代独特の雄渾な「薬研彫り」の代表例とされ、他の銘文は石造美術の貴重な資料となっています。
現在、笠塔婆は本堂の手前右側に建てられていますが、もとは寺の南にあった般若野五三昧(平安期、畿内の代表的な五火葬場)南都の惣墓の入口に建てられていたそうです。明治初年(1868)の廃仏毀釈に遭い破壊され、明治25年(1892)にここ般若寺に移されたようです。「考古資料」として国の重要文化財に指定されています。
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