7時半、起床。
トースト、クリームシチュー、サラダ、紅茶の朝食。
今日は午後から自宅で妻の工芸の講習会がある。今回はバーバリウムをやるらしい。私はいつものように散歩に出る。ここ数日、春のような陽気に池上梅園の梅の開花も進んだのではないか。行ってみることにした。
呑川に沿ってた道ではなく、大城通りを歩いて行くことにした。
「女塚診療所」。「診療所」という名前が古風である(今風なら「クリニック」だ)。昔からやっている医院なのだろう。「女塚」はいま「西蒲田」という味気ない地名で呼ばれている地域の一部の昔の地名である。「女塚神社」「女塚小学校」「女塚通り」などにその名をとどめている。
同じ通りの少し離れたところに「女塚クリニック」という別の医院がある。なんだか紛らわしいが、大丈夫なのだろうか。
「本吉書店」。頑張ってほしい。
町の自転車屋さん「ヒラタ」。頑張ってほしい。
数珠の専門店「清水」。寺町池上の隣町だけのことはある。
「池上温泉」。残念ながらもうやっていない。
「フジ理容所」。閉店の張り紙が出ている(先月閉店)。「理容所」という名称をいまでも使っている店はあるのだろうか。
こちらの「喫茶・スナック」も営業しているようには見えない。
大城通りの一方の入口にある和菓子の「大國屋」。ここは現役バリバリである。頑張ってほしい。
池上通りに出る。ここを右折。
梅園に行く前にどこかで昼食を食べておきたい。
「はりがねベーカリー」。
「phono kafe」の大原さんお勧めのパン屋さんだが、いまはパンの気分ではない。
ネパール料理の店「ヒマラヤ」。
一度、卒業生と来たことのある店で、美味しかったが、今日はネパール料理の気分でもない。
とんかつの名店「燕楽(えんらく)」。でも、今日はとんかつの気分ではない。
池上駅前の交差点に着いてしまった。
葛餅の老舗「浅野家」。やきうどんと靴餅のセットはいいなと思ったが、今日は定休日だった。
古民家カフェ「蓮月」でランチでも思ったが、そこに行く途中でカフェ&キッチン「薫風」の前を通り、久しぶりにここに入ることにした。
「甘味あらい」があったころは、ここで食事をして、「あらい」であんみつを食べる(あるいはその逆)というのが定番のコースだった。
おまかせ9種を注文。
食材にこだわった9種類のおかずがワンプレートにちょっとずつのっているこの店の人気メニューである。早稲田の「たかはし」の二重弁当のおあかずをちょっと上品にしてお皿に並べたような感じだ。
コーヒー(あるいは紅茶)がついて1200円。
ところが、支払いをしようとして、鞄の中に財布がないことに気が付いた。またやってしまった。落としたのではなく、入れ忘れてきたのだ。幸いだったのは食べている途中はきづかなかったこと。気づいていたら、美味しく食べられたかどうかわからない。もう一つ幸いだったのは、お店の方が私の顔を覚えていて下さっていたこと。財布を忘れてしまったことを申し出たとき、「よくいらしていただいている方ですよね。はい、大丈夫です」と言って下さった(確かに以前はそうだが、前回来たのは一昨年のことだったはずである)。
自宅に帰り(池上線に乗って)、書斎の机の上に置いてあった財布を鞄に入れ、「薫風」に戻り(自転車に乗って)、支払いをすませた。「今日でなくてもよろしかったのに」とお店の方は言ってくれたが、そういうわけにはいきません。
池上梅園へ行く。受付の方に聞いたところでは「4分咲き程度です」とのこと。もっとも桜と違って園内の梅が一斉に「満開」になるわけではない。早咲きのものもあり、遅咲きのものもあり、けっこう長い期間に渡って楽しめるのがここのよいところである。入園料は100円である(65歳以上は無料←私も再来年には無料だ。わ~い)。
園内の地図。左半分の広い部分は丘の斜面である。右半分は日本庭園になっている)
美人画で知られる伊東深水の自宅兼アトリエ「月白山荘」があった場所だそうである。
枝垂れ梅がけっこう植わっている。
こちらは双頭の龍のように天に向かって伸びている梅である。
板敷の遊歩道のところの白梅が満開である。
時刻はもうすぐ3時になろうとするところ。
園内には紅梅より白梅が多い。白梅7に紅梅3くらいの割合だろうか。
白梅が好きと唇うごきけり たかじ
桜と同じで、白梅は青空に映える。
見晴らし台。
でも、紅梅もいいものである。とくに紅梅と白梅が並んでいると互いを引き立てあっているようである。
丘の上の紅梅。
紅梅と白梅の混じり合う斜面。
茶室・雨聴庵。
政治家の藤山愛一郎の芝白金の自宅にあった茶室を移築したものである。
日本庭園にある背の高い紅梅。
紅梅や枝々は空奪ひあひ 鷹羽狩行
園内には「NPO法人色えんぴつ」のみなさんの露店が出ている。昆布茶で一服。
梅一輪一輪ほどの暖かさ 服部嵐雪
紅梅の満を持しをる蕾かな 下村梅子
自転車に乗ってきたので、寄ってみたいカフェがある。
梅園前の国道(第二京浜)を地下鉄千代田線西馬込駅の方へ。地味な上り坂がずっと続いて、ママチャリだとしだいに足に来る。
カフェ「yohak」。「余白」の意味だろうか。それとも北欧あたりの言葉だろうか。ブログ仲間の「kimimatsu」さんに教えていただいたカフェである。「kimimatsu」さんには蓮沼の「カフェ・ヴァリオ」も教えていただいた。あちらはお子様連れの卒業生と、こちらは奥様とということだったが、自宅から歩きでは遠い場所なのでなかなか来る機会がなかった。
自転車は店の横(歩道)ではなく、車道の端に停める。
シンプル・モダンな店内。窓から差し込む光が静謐な雰囲気を演出している。
ミルクティーとサンドウィッチを注文。紅茶はポットで供される。「まやんち」や「スリック」の場合は、最初の一杯はお店の方がカップに注いでくれるが、ここではそこまではやってくれない。甘えてはいけないのだ。
よい香りのミルクティーである。自然の甘味があって、砂糖なしでいける。
サンドウィッチの中身はハムとキュウリか、はちみつとクリームチーズから選ぶ。私は「薫風」でランチをした後なので、サンドウィッチはスイーツ感覚で後者をチョイス。サクッとしたパン。サラダも美味しい。
ごちそうさまでした。次回はフードメニューを注文してみたい。
「kimimatsu」さんの「yohak」訪問記事は → こちら
近所に「馬込文士村商店会」という通りがある。入ってみよう。
カフェ「ローゼンダー」。懐かしい感じの喫茶店である。
焼き鳥の「花鳥」。店頭で焼いている。焼き鳥屋さんのある商店街はいい商店街である。生活感がアップする。
ここは何の店だったのだろう。
とんかつ屋「多久満(たくま)」。こういう名前のとんかつ屋は外れが少ない、というのが私のセオリーである。
酒屋「ECHIGOYA」。角の酒屋には活気がある、というのも私のセオリーである。
眼鏡屋「すどう」。個人の眼鏡屋さんは誠実な人が多い、というのも私のセオリーである。
和菓子屋「わたなべ」。商店街にはやはり和菓子屋が不可欠である。
閉まっているリース会社の店先の人形。夜中に動き出すに違いない。
手作りパンの店「ブーラン・ブーラン」。この店名、このたたずまい、美味しいパン屋さんに間違いない。
馬込文士村商店会は「yohak」とセットでまた訪れるだろう。次は田町から浅草線に乗って来ようかしら。
帰りに本門寺に寄って行く。工事中の総門。
階段の脇の早咲きの桜。これを観に来たのだ。
それにしても早い。
5分咲きくらいだろうか。
もう少し開花が進むと、メジロが蜜を吸い来るだろう。
池上梅園に来た時は必ずこちらにも寄るべし。梅と桜を同時に楽しめる。
夕方になって、少し寒くなってきた。さあ、家に帰ろう。
夕食はラムチョップ、アスパラのソテー、lサラダ、味噌汁、ご飯。
「三本よ」と妻が言った。
2時、就寝。