フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

11月17日(日) 晴れ

2019-11-20 22:32:40 | Weblog

9時、起床。

トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

 昨日、ユミさんからいただいたお菓子を食べる。

 バームクーヘンにチョコレートをコーティングしたものである。スイーツダイエット中のはずの妻も摘まんでいる。

 昼過ぎから句会のグループLINEに選句の投稿が始まった。皮切りは渺さん、月白さんご夫婦だ。通常の句会では、選句はみんなが同時に行う。しかし、今回はグループLINE上で三々五々行うので、先行して投稿した人の選句内容(感想を含む)を読むことができる。それが後に投稿する人にどう影響するが。3つの場合があるだろう。「なるほどいい句だ」と思って同じ句を選ぶか、「では自分は違う句を選ぼう」と思うか、そしてもう1つは、「自分の句を選んでくれたから、(返礼として)その人の(と思われる)句を選ぼう」だ。どれに転ぶかは人によるだろうが、まったく何の影響も受けないというのは難しいだろう。

私は3番目に投稿した。

 天 ざくざくと蜜柑むく手の頼もしさ

 地 刷毛職人天空に居り秋の雲

 地 白粉も白粉花も毒を秘め

 人 白息よ低所得者のいない町

 人 白菜を背負いて帰路のご挨拶

全員の選句が終わるのは夜になりそうだ。

昼食は中村屋の中華まんじゅう(肉まん1.5個、あんまん1個)。

 4時ごろ、散歩に出る。

 工事中(解体ではなく、大幅なリノベのようである)の「立花屋」の角を右に曲がる。

 天ぷらの「天味」の二軒隣に新しいカフェが出来ている。少し前にブログ仲間のkimimatsuさんから「カフェ・ド・コバ」(サンライズ商店街にあったが一年前に閉店)が復活したという情報をいただいたのだ。ここがそうらしいが、名前は「プレミエール・カフェ」とある。 

 でも、店の前にあるメニューを見ると、「カフェ・ド・コバ」のものとかなり重なっている。

ドアの外から店内をうかがうと、お店の方と目が合った。ああ、あの男性は「カフェ・ド・コバ」の店長さん(オーナーは別の方)だった方だ。

店内に入って店長さんと会釈を交わす。「よく見つけてくださいました」と彼が言った。「人伝にカフェ・ド・コバが復活したときいたものですから」と私は答えた。 

トースト(サラダ付)とブレンドコーヒーを注文。美味しそうなキツネ色である。

店長さんのお名前が大橋さんであることを今日初めて知った。厨房の中にいらっしゃるのは奥様で、「カフェ・ド・コバ」のときも厨房担当だったそうだ。「カフェ・ド・コバ」のときは店員さんが数人いらしたが、ここではご夫婦だけでやっていらっしゃるそうだ。

「カフェ:ド・コバ」のときから店内の広さは3分の1くらいになったろうか。駅前の商店街からは外れた場所だから、認知されるのには時間がかかるだろう。でも、こういう場所にある個人経営のカフェが私は好きである。そういう人は決して少なくないはずだ。

奥様に厨房から出てきていただいて。

どうそ頑張ってください。そのうち卒業生を連れて来ることもあるかもしれません。

営業時間は11:00~22:00(ラストオーダーは21:30) 月曜定休

*ランチタイムは11:00~15:00

ご主人が夜のフードメニューを黒板に書いて、「これでどう?」と奥様に見せていた。 

それはそうと、店長さんからびっくりする話を聞いた。「プリミエール・カフェ」は11月3日に開店したのだが、同日、「天味」が閉店したというのだ。「ラーメン店を始めるそうですよ」「あのご主人がですか?」「そうです。天ぷら屋からラーメン店への転身です」「な、なんと!」

帰りがけに「天味」の前に行ってみると、店内でご主人が内装を変える作業をされている姿が見えた。

 入口には「天ぷら屋としての営業を終わらせていただきます」との張り紙が。ラーメン店の店名は同じ「天味」なのかしら。いや、そんなことより、なんで天ぷら屋をやめてしまわれたのだろう。

最後に「天味」に来たのは9月21日だった。そのとき食べた上天丼のかきあげ付が「天味」で食べた最後の天ぷらになってしまった。残念。

 駅ビルで買い物をしてから「ルノアール」に行く。 

ミルクティーを注文し、 持参したノートパソコンを開いて、店内のWi-Fiを使って、ブログの更新をする。ミルクティーはブレンドコーヒーよりも少しばかり高いが、ポットサービスなので、しっかり2杯飲めるので、長居をするときにいい。

 7時ごろ、まだ「ルノアール」にいる私に妻から電話がかかってくる。「早よ、帰って来んかい!」という意味のことを言われる。

夕食はピラフとサラダと味噌汁。ピラフにはシャウエッセンが6本載っていたが、配置を私なりに変えてみた。タイトルは「叱られて」。

 デザートは柿。

10時半頃、紀本さんが最後の投稿をしてから、24句の作者が明らかにされ、月白さんが集計をしてくださった。

結果は以下の通り。 

15点 君のこと忘れられそう冬銀河 まゆこ

今回の特選句。月白さん、花さん、恵美子さんが「天」を付けた。「地」や「人」を付けた人はいなかった。つまり評価が両極に分かれたということである。「歌の文句みたい」と月白さんが選評を述べていたが、私は「短歌の上の句」のような印象を受けた。下の句は・・・「ときどき凍て付く夜もあるけど」とかね(笑)。ライトノベル風なストーリーがそこにはあって、JR東日本の冬のポスターに使えそうである。 

13点 ざくざくと蜜柑むく手の頼もしさ まゆこ

これもまゆこさんの作品。金銀独占である。私と立夏さんが「天」、月白さん、花さん、恵美子さん(「君のこと」に「天」を付けた3人)がそろって「人」を付けた。同じ作者の句ではあるが、「君のこと」にはない臨場感というかリアリティーがある。「ざくざくと」という擬音語がそれをもたらしている。

12点 柿の似合う青空探し飛鳥まで 渺

紀本さんが「天」、月白さんとまゆこさんが「地」、蚕豆さんが「人」を付けた。)。「青空」と「飛鳥」が重なって、「青い鳥」を追いかけるチルチルとミチルの二人連れが私には見える。「似合う」という言葉が少し気障だが、オシャレな句で、JR西日本のポスターに使えそうである(笑)。

11点 時雨るるや席を立てずにルノアール たかじ

私の句。月白さん、まゆこさん、恵美子さんから「地」、渺さん、立夏さんから「人」をいただいた。先日の松本旅行での体験をもとにして、それを「ルノアール」という記号を使って一般化した作品(「信毎メディアガーデン」では句にならない)。もちろん安住敦の名句「しぐるるや駅に西口東口」へのオマージュも込められている。

10点 刷毛職人天空に居り秋の雲 月白

花さん、蚕豆さん、わたしが「地」を付け、紀本さんが「人」を付けた。すじ雲を刷毛で描いたようだとは誰もが思うが、そこに刷毛職人が居るとまでは思わない。そのファンタジックは発想がこの句のポイントである。ただし下の句の「秋の雲」は凡庸である。すでにすじ雲の映像は読者の頭の中にあるから「雲」はいわずもがなである。下の句をひと工夫すれば、特選をとったのではないかしら。

 9点 おでん鍋子らは半片ばかり喰う たかじ

私の句。まゆこさんから「天」、立夏さんから「地」、紀本さんから「人」をいただいた。子どもが小さかったころの実体験を詠んだ作品。立夏さんが選評で「自分が小さい頃そういえばそうだったなと思い出しました」と述べ、作者がわかった後で、「父の作品だったので当たり前ですね」と感想を述べた(笑)。

 9点 ふたつめのため息白いロングコート 直美

渺さんが「天」、立夏さんが「地」、月白さんが「人」を付けた。ショーウィンドーの中のロングコートを眺めながら「いいな」「ほしいな」と思いつつ、値段を見て、ため息をつくという情景だろう。それなりの時間そこにとどまっていることは、「ふたつめのため息」ということからわかる。「白い」は「ため息」にも「ロングコート」にもかかっているように読めるが、白いロングコートを切るのは勇気がいるだろう。 

 6点 削ぎ落とし裸身に積もる淡き雪 蚕豆

渺さんと花さんが「地」を付けた。私は葉を落とした裸の木を詠んだ作品と思ったが、作者の説明によれば、旭川の街中に点在する彫刻を詠んだものだそうだ。う~ん、そこまでは伝わらなかった。細身の人間や動物の彫刻といえば「ジャコメッティ」だから、それを記号として使って、「ジャコメッティの「歩く男」に積もる雪」とかしてくれてたら伝わったのではないだろうか。

 6点 白菜を背負いて帰路のご挨拶 蚕豆

これも蚕豆さんの句。紀本さんが「地」、渺さん、恵美子さん、私が「人」を付けた。白菜はスーパーのポリ袋に入れてぶら下げて歩くのが普通で、背負うというのは私の子供ころの行商の女性(「千葉のおばさん」と我が家では呼んでいた)を連想させる。作者も「これは完全にノスタルジックな描写」と言っている。千葉のおばさん、売り切って帰りたかったろうな・・・。だから私にとっては懐かしさと切なさを伴う作品である。

 6点 何となく頭重たし白梟 月白

蚕豆さんと紀本さんが「地」を付けた。フクロウというのは胴体と顔(頭)の境目がわからない。だから頭が重そうとは断定しがたい。「何となく」重そうなのだ。文法的には「重たし」として切るよりも、「重たき」と連体形にして「白梟」に接続した方がよいように思う。何となく(笑)。

 5点 葉の縁のほんのり紅の参道の 花

蚕豆さんが「天」を付けた。「の」の多用。最後の「参道の」は一体どこにかかるのだろう。再び先頭に戻りそうである。無限のループだ。蚕豆さんは自分しかこの句を選ばなかったことについて、「技巧的過ぎてあまり点を集めなかった?」と感想を述べているが、くらくらと目が回ってしまったのではかしら。

3点 神楽坂の某所に寄りて冬夕焼け 月白

渺さんが「地」を付けた。「神楽坂の某所」が謎めいているが、「待合」とかではなく、夫(渺さん)が東京に単身赴任していた頃のアパートであろう。渺さんには「これは妻(月白さん)の句だな」と分かったはずである。夫婦で愛人ごっこしてるんじゃありません(笑)。

 3点 白粉も白粉花も毒を秘め 渺

私が「地」を付けた。兼題の「白」を二度も使っている。作者は女性かと思ったが、渺さんでしたか。「柿の似合う」の句もそうだが、渺さん女性的な(あるいは女性が登場するような)雰囲気の作品が多い。

 3点 白猫も黒猫もおり漱石忌 たかじ

私の句。恵美子さんから「地」をいただいた。彼女は前日、早稲田にある「漱石記念館」の側を歩いていたので、この句に反応しやすかったのだろう。兼題の「白」を使って「白猫」を思いつき、それなら「黒猫」もいた方が絵的によいと思い、さて季語はどうしようと考えたときに、ああ、「漱石忌」があるじゃないかと、この句が出来上がった。 

 2点 白息よ低所得者のいない町 立夏

まゆこさんと私が「人」を付けた。「白息」(しらいき)を「白銀」(しろがね)に変えても通じる。場違いなお金持ちの街を歩く(紛れ込んでしまった)プロレタリアートの詩である。

 2点 平和像ひらり落ち葉に自撮り棒 紀本直美

蚕豆さんと花さんが「人」を付けた。「平和像」はどこの像だろう?長崎の「平和祈念像」のことかしら。平和像をバッグに自撮り棒を使って自分(たち)の写真を撮ろうとしたとき、画面の中に枯葉がひらりと入ってきたのだろうか?だとすれば、空中にあるときはまだ落葉ではありません(笑)。

 1点 ラグビーの国を選べる軽やかさ 渺

立夏さんが「人」を付けた。どこの国の代表になるかを選手は(一定の条件を満たせば)自分で決めることができるというのを詠んだ句である。ラグビー選手は重量級の人が多いけれど、その点は「軽やか」であると。

 1点 初冬のホームに光る死のしらせ 立夏

まゆこさんが「人」を付けた。この句の解釈は2つあるように思う。1つは作者のスマホに知人の死の知らせが入ったということ。光っているのはスマホの画面だ。もう1つは、人身事故(飛び込みか)で電車が停まっているというアナウンスをホームで聞いているということ。光っているのは電光掲示版だ。「死の知らせ」という語感は前者である。

ネット句会は初めての試みだったが、今回はリアル句会の不成立による緊急企画であった。もし本格的にネット句会をする機会があれば、選句の過程が見えない工夫をした方がよいだろう。グループLINEは全員の選句(投稿)が終った後の、各自の選句を披露する(その部分に時間をかける)ところから使うとよいと思う。


11月16日(土) 晴れ

2019-11-19 08:47:21 | Weblog

9時、起床。

サラダ、牛乳、紅茶の朝食。パンを食べなかったのは、昼食を「パン日和あをや」で食べることになっているから。そして朝食と昼食の間が短いから(後者の理由の方が大きい)。

12時に鹿島田駅で卒業生のユミさん(論系ゼミ1期生)と待ち合わせ「パン日和あをや」へ。矢向駅と鹿島田駅のちょうど中間に位置するということになっているが、経験的には矢向駅からの方が少し近いような気がする。けれども鹿島田駅には急行が停まるので、待ち合わせには便利である。 

私が彼女と前回会ったのは7月で、そのときと印象が違うのは(久しぶりに)前髪を切られたからである。彼女はいま東京オリンピックの事務局で働いていて、一年前にあたるこの夏は忙しかったようだが、いまはそのピークは越えたそうである。

さて、何を注文をしましょうか。 

最初に冷たい飲み物を注文することが多かったが、もうそういう季節ではない。ほうじ茶ミルクティーを注文。 

オリンピックの事務局の仕事は、当然のことながら、オリンピックが終わるとともに終わる。その後のことはまだ決まっていないが、今度は長期にわたって働ける安定した職場がいいと考えている。彼女は学生時代から専業主婦志向の強い方だったが、最近、結婚しても働き続けたいと思うようになったそうである。そういうモデルを身近に何人も見てきたそうだろう。 

おじいちゃんの蜂蜜トースト。これは外せない。

本日のスープはマイタケのポタージュ。 

ミルクティーとスープが同時に食卓に並んでいるというのは、構成としては間違ったかもしれない(ミルクティーは〆の方がよかった)。本日の小さな反省。

サーモン、アボカド、クリームチーズを食パンではなく、ベーグルに挟んでもらう。

オムレツとトマトとレタスを食パンに挟んでもらう。 他に丸パン、コッペパンで挟むという選択もある。パンカフェであるから、いろいろな種類のパンを楽しみたい。

論系ゼミ1期生は2011年3月の卒業であるから(震災の影響で卒業式は中止だった)、彼女との季節のカフェも9年目である。これはちょっとした時間であろう。 

店を出るとき、ご主人に写真を撮っていただいた。ちなみに「パン日和あをや」が開業したのが2012年2月で、今年で8年目であるから、われわれの方が1年長いことになる(笑)。

ところが、そういう長い付き合いのユミさんだが、意外にもスーパーグランドスラマーではないのだ。たしか「あるす」(そこが閉店してからは「ノチハレ珈琲店」)にはまだ行ったことがないのだ。いつだったか、「ノチハレ珈琲店」に行こうとして、定休日であったか、満席だったかで入れず、同じ矢向にある「ロッティーズ」というフルーツ系のケーキの美味しいケーキ屋さんでイートインしたことがある。それ以来、「ノチハレ珈琲店」にはアプローチしていないのだ。 

ちょうどいいから、これから「ノチハレ珈琲店」に行きましょう。

ところが、「ノチハレ珈琲店」に行ってみると満席で、その上、二組待っているという。カフェに待って入るというのは好みではない。待つことも好きではないが、客として中にいるときに外で待っている人がいるという状況も好きではない(それでは寛げない)。 SGSを急いではいないので、他のカフェに行きましょう。

「パン日和あをや」と同じ塚越通商店街には「くもい」というカフェがあり、何回か行ったことがある。母と娘さんが二人でやっている地元密着型のカフェである。「くもい」というは店主さんの名前ではなく、「雲のありどころ」という意味の古語である。

よかった。こちらは入れた。

白を基調とした明るい店内。 

われわれが座ったテーブルの上の照明の笠には雲の模様が。 

私はバタートースト(マーマレード付き)とコーヒー。今日はこの後、お母様と六本木で食事の予定のユミさんはコーヒーのみ。私は「ノチハレ珈琲店」に入っていても季節のジャムとバターのトーストを注文しただろう。

支払いのとき開店4周年記念のお菓子をいただいた。今日(11月16日)がちょうど4周年の日なのであった。「ノチハレ珈琲店」に入れなかったからこその僥倖で、これもひとつの運命かもしれない(大袈裟かしら)。4周年というのは地元に定着されたということで、よかったですね。これからもお母様と娘さん二人、頑張ってください。これも何かのご縁ですから、私もたまに顔を出したいと思います。「パン日和あをや」「ノチハレ珈琲店」「ロッティーズ」「くもい」で「矢向グランドスラム」ができるのではないかしら。そうしたらユミさん、リーチがかかってますよ(笑)。

矢向駅の改札でユミさんと別れる。「次は京都で」とわれわれは別れの挨拶をした。どういうことかというと、今月末に私は句会で京都に行くのだが、偶然、同じ時に、ユミさんもお母様と京都に旅行されることが 「くもい」でおしゃべりをしているときにわかった。それで「もしタイミングが合えば京都でカフェをしましょう(お母様もご一緒に)」ということになったのである。もっともお母様が「いいわよ」と言って下さった場合の話だが。

自宅に帰る前に「ティースプーン」の顔を出す。 

シュトレーンが出ている。一切れでも買えるようである。

ミルクティーとシュトレーン。 

シュトレーンの載ったこの青いお皿は「ノザワBAKE」から譲ってもらったそうである。通りで見覚えがあると思ったが、元々、「ノザワBAKE」もこれを「フォノカフェ」から譲ってもらったのである。北欧のメーカーのお皿である。 

リンゴジャムを買って帰る。シマダさん姉妹、まだ新しい消費税の計算が不慣れのようである(笑)。 

 店を出ると、もう夕暮れである。

帰宅すると、宮崎公立大学の阪本博志さんから新著が届いていた。ありがとうございます。

 阪本博志『大宅壮一の「戦後」』(人文書院)

私の勝手な想像だが、私にとっての清水幾太郎は阪本さんにとっての大宅壮一である。清水がアカデミズムとジャーナリズムの接点で活躍した言論人であったとすれば、大宅はジャーナリズムの中心で活躍した言論人であった。人呼んで「マスコミの王様」。着目する人物こそ違え、一人の言論人のライフヒストリーを通して「時代」を見ていこうとするアプローチはわれわれに共通である。だから私より20歳下の阪本さんのことが戦友のように思えるのである。

 夕食は鮭鍋。味噌は使っていないので、石狩鍋ではない。

副菜につぶ貝の佃煮と玉子焼き。 

予定では明日が句会(於.カフェゴト―)だったのだが、集まれる人が少ないので、初めての試みとしてネット(LENE)句会をすることになった。紀本さんから作品(24句)が送られてきた。一人3句なので、投句したのは8名ということだ。兼題は「白」。明日の夜までに選句(天1、地2、人2)を投稿すること。

いろは句会 番外編(二〇一九年十一月十七日)

 息白く今宵大志を叫びたし

 白粉も白粉花も毒を秘め

 裸木にロックンロールの撥が鳴る

 ラグビーの国を選べる軽やかさ

 晩秋や門の灯りの温かさ

 初冬のホームに光る死のしらせ

 何となく頭重たし白梟

 息吐けば白くなる窓指字書く

 君のこと忘れられそう冬銀河

 葉の縁のほんのり紅の参道の

 おでん鍋子らは半片ばかり喰う

 平和像ひらり落ち葉に自撮り棒

 時雨るるや席を立てずにルノアール

 刷毛職人天空に居り秋の雲

 ゆきはふるあのカラスさえ轢かれれば

 柿の似合う青空探し飛鳥まで

 ふたつめのため息白いロングコート

 白息よ低所得者のいない町

 ざくざくと蜜柑むく手の頼もしさ

 神楽坂の某所に寄りて冬夕焼け

 白菜を背負いて帰路のご挨拶

 白猫も黒猫もおり漱石忌

 島国の小さな教会カンナ咲く

 削ぎ落とし裸身に積もる淡き雪

ざっとみたところ兼題句に佳作が多い感じがする。

 2時、就寝。 


11月15日(金) 晴れ

2019-11-17 18:38:09 | Weblog

9時、起床。

パン、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

10時半に予約している近所の整骨院へ。 

11時半に卒業生のマユミさん(一文、2000年卒)と待ち合わせて、「ランチは軽めで」という彼女の希望で、「テラスドルチェ」にカフェご飯を食べに行く。 

彼女は10月末で在宅勤務の仕事を辞め、たっぷりの自由時間を手に入れた。いまはその自由時間を満喫中だが、終日自由というわけではなく、小学生の下のお子さんが学校から帰ってくるまで(午後3時半ごろ)までという限定はついている。今日は蒲田に2時半ごろまで滞在できる。 

お土産に紅茶をいただく。「奥様が甘いものを控えていらっしゃるとブログに書かれていたので」とのこと。そうなんです。ですから甘いものをいただくと私一人で食べることになるのです。それでも日持ちのするものの場合はよいのですが、「本日中にお召し上がりください」と書かれいたりすると大変なんです。 

私はハンバーグライス。肉のぎっしり詰まったハードタイプのハンバーグである。 

彼女はタラコのパスタ。 

セットのコーヒーもちゃんとサイホンで淹れてくれる。 

彼女はアイスコーヒー。 

「美味しいアイスコーヒーですね!」と彼女が言った。はい、サイホンで淹れたコーヒーを氷のぎっしり入ったグラスに注いで作りますからね。

彼女が「ランチは軽めで」と言ったのは、この後、東口の「スリック」でシフォンケーキを食べることになっているかれである。 

彼女は「スリック」は初めて。でも、ブログでは旧知の場所である。 

6種類のシフォンケーキの中から彼女はチョコレートシフォン,私はほうじ茶シフォンをチョイス。 

紅茶は彼女はイングリッシュブレックファースト、私はキームンをチョイス。 

お茶の支度ができるまでテラス席でポートレイトを撮る。 

お茶の支度ができました。 

そろそろポットカヴァーが必要な季節が来ますね。 

ほうじ茶シフォン。 

チョコレートシフォン。 

駅まで歩く時間(5分ほど)を考えて、2時半ちょっと前に店を出る。マユミさんと同期のアリさんが6月にSGSの最長達成記録(卒業後19年と3カ月)を達成したが、マユミさんはSGSまで後2つ(「トンボロ」と「ノチハレ珈琲店」)である。最長記録更新は間違いなく、かつ、それをどのタイミングでするかも任意である。「もうあえて更新せずに行くのも面白いですね」と彼女は言った。でもね、いつでもできると思わない方がいいですよ。私もいつまでも健康というわけではありませんからね。突然「カフェめぐりリタイア宣言」を出すかもしれない。何事も、「いつでもできる」「そのうちやろう」ではなくて、できるうちにしておくことですよ。 

彼女とは東京駅までご一緒に、彼女は丸の内線に乗り換え、私は東西線に乗り換えた。

個人研究費からの支出を申請した領収証の一部にミスがあった。お手数をおかけします。

来年度、久しぶりに担当する必修基礎演習(1年生)曜限はまだ決まっていないらしい。 論系と大学院の時間割はすでに固まっているので、希望通りの曜限でありますように。

5限・6限はゼミ。

5限は3年生のグループ発表。今日のグループは映画『リバーズエッジ』(行方勲監督、2017年)を使っての発表。

私はこの作品は未見だが、土井隆義さん(筑波大学)が『「宿命」を生きる若者たたち』(岩波ブックレット、2019年)の中でこの作品について言及していたのが印象に残っている。

2時間ほどの作品なので、その一部を観ただけだが、興味深く観た。興行的にはうまくいかなかったようだが、エンターテイメントな作品ではないから、それはしかたあるまい。観客動員数=作品の質の指標ではない。

来週の5限も今日のディスカッションの続きをしたい。 それまでに個人的に全編を観ておこう。

休み時間のスイーツは焼き菓子。

6限は学年に分かれてのゼミ。私は3年生のクラスに出て、進行中のライフストーリー・インタビュー調査について調査が終了た学生から話を聞く。インタビューが終わってやれやれと思うのはよいが、間を置かずに文字起こしの作業に取り掛かること。

8時15分に早稲田駅で仕事終わりの娘と待ち合わせ「すぎうら」に行く。今度の土曜日に予定していた句会が流れたので、そのとき渡そうと思っていた誕生日のプレゼントを渡すためである。私は昨夜に続いての来店である。お店の方に「今夜は実の娘を連れてきました」と言い訳(?)をする。

 海鮮サラダ。

フライ盛り合わせ(私は海老とヒレ肉、娘はカキとホタテ)。ここは和食の店だが、フライも美味しいのだ。 

鴨鍋。この店で鍋を注文したのは初めて。ふぐ鍋とかカキ鍋とか各種あったが、鴨鍋(一人前1800円)をチョイスした。写真は二人前。 銀杏や星形に細工されたシイタケや人参が紅葉狩りを連想させる。鴨肉ではなくて鹿やイノシシなら花札(猪鹿蝶)の世界だ。鴨は早く食べないと硬くなる。最初に鍋から皿に出しておいて、食べるときにしゃぶしゃぶのようにして食べると美味しいだろう。

あれこれおしゃべりしながら食べるのに鍋は最適。 

〆は雑炊。鍋はこれがある。娘はお腹一杯だったので、もっぱら私が食べる。  

私がカバンの中に入れてある歳時記(冬)をめくりながら、俳句の話。隣の席では大学の教員(本部キャンパスの学部)らしき3人組が大いに盛り上がっていた。「みなさんお元気ですね」と娘が言った。

9時半頃、店を出る。お店の方が「お父様によく似ておられますね」と娘に話しかけている。

高田馬場から西武新宿線に乗り換えて帰る娘とは改札のところで別れた。

10時半、帰宅。

2時半、就寝。


11月14日(木) 晴れ

2019-11-16 20:54:09 | Weblog

9時、起床。

トースト、サラダ、牛乳、朝食。

昼前の家を出て大学へ。 

晴れと曇りの境目のような空模。 

3限は大学院の演習。

昼食は演習を終えてから「ミルクホール」で買って来たパンとコーヒー。 手前のパンはあんこと餅の入ったデニッシュ。後ろはベーコン&ポテトドッグ。コーヒーは紙コップから青木郁美作のカップ(「ユキ・リ」で使っているのと同じタイプ)に移し替えて。Sサイズだとカップの6分目くらいまでしかいかない。

 3時からHさんのゼミ論指導。文明堂のバウムクーヘンを差し入れた頂いたので、紅茶を煎れる。

5限は講義「ライフストーリーの社会学」。今日が7回目で、これで半分終わった。

7時半にお仕事終わりのカオルさん(論系ゼミ7期生)と早稲田駅で待ち合わせて「すぐうら」へ行く。実は1週間前に食事をする約束をしていたのだが、私が財布を家に忘れて、1週間延期になったいたのである。 

海鮮サラダ。お刺身+サラダ、最初に食べる一品はこれで定着している。 

大山地鶏の唐揚げ。最初、フライの盛り合わせを注文しようとして、彼女の希望で急遽こちらに変更。肉が引き締まっていて美味しい唐揚げだ。 

鴨の塩焼き。これからは鴨が脂がのって美味しくなる季節である。

 

豚の角煮+ごはんと味噌汁。

もちろん煮汁はごはんにかけて食べる。 

出汁巻玉子。 

食後のコーヒー&スイーツは「カフェゴト―」で。カウンター方面をバッグにしてポートレイトを撮る。この空間が「カフェゴト―」らしい。 

チーズケーキと杏子のフランをハーフ&ハーフで。飲み物は私がアップルティー、彼女がシナモンミルクティー。 

ハーフ&ハーフが彼女には珍しかったようでスマホで撮っていた。 

彼女はゼミ論集の編集作業のメンバーだったが、塾でアルバイトをしていたため、編集作業の後の「五郎八」での夕食と「カフェゴト―」でのお茶は経験していなかったのである。(ハーフ&ハーフはそのときの定番であった)。 

彼女にとってゼミでの2年間は、自分の考えていることを自由に発言することのできる時間だった。彼女は少学生の頃から自分の意見を言わないように心掛けてきたそうだ。集団の中で目立たないように、目立たないようにと心掛けて来たそうだ(きっと苦い経験があるのだろう)。しかし、ゼミの時間にはみんなが自分の意見を積極的に述べ、それが受容される時間だった。ゼミ論集(Vol.7)の「一人一言」欄で、彼女はこう書いていた。 

「私の大久保ゼミに対する第一印象は、「こわい」でした。なぜかというと、今まで経験したことのない活発なディスカッションや、それまでの人生であまり関わってこなかったタイプの個性的な同期や先輩方の空気にのまれていたからです。したがって2年前の自分は、ゼミがこんなにも大切で大好きな場所になるとは思ってもいませんでした。ゼミの時間に何よりも楽しかったのは、他の学生の多様な価値観に触れる中で、私自身の考え方や物事の見方が変化していったことです。同期の発表に意見を述べたり、同期や先輩後輩の自分とは異なる意見を聞いたりすることで、毎回様々な発見がありました。ゼミの発表やゼミ論は一人で準備を進めるものですが、だからこそ、その過程で他者と意見を交わすことはとても重要だと学べました。自分をたくさん成長させてくれたみんな、そして大久保先生には本当に感謝しています。ありがとうございました!これからもよろしくお願いします。」

「カフェゴト―」を出て、一緒の地下鉄(大手町方面)で帰る。彼女はホームにベンチがあることを知らなかった。いつもホームの端の方(改札口の近く)で乗り降りしていたからだ。そしてホームドアが設置されたことも知らなかった(彼女が卒業後である)。ベンチに座って目の前にホームドアのある風景は、彼女にとって初めて見る風景だった。 

大手町で一緒に降り、千代田線に乗り換える彼女とはそこで別れた。「どうぞよいお年を」という挨拶をした。次回は春カフェかな。

11時、帰宅。

2時半、就寝。


11月13日(水) 曇りのち晴れ

2019-11-16 11:14:12 | Weblog

8時、起床。

トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

 

今日は会議日。9時半に家を出て、大学へ。連日の晴天もひと休みの曇り空。 

10時40分から学位委員会。いつもより申請件数が多いのは、今年度中に学位を取得するにはこのタイミングで申請しないと時間的に厳しいからである。

会議を終えて、研究室でカップ麺の昼食。時間の節約であるが、一週間に1個くらいならカップ麺も悪くはない。

食後にいただきもののスイートポテトとお煎餅でお茶。 

2時からU君のゼミ論指導。お煎餅(天乃屋の歌舞伎揚げ)の差し入れ。後でいただきます。 

歌舞伎揚げという名前の由来は、「天乃屋」のHPの説明によると、せんべいの包装袋に歌舞伎で使用されいる定式幕(萌葱・柿・黒の三色で構成されている)の模様を取入れ、せんべいの一枚一枚にも歌舞伎の家紋をデザインしたものを刻印したからである。

 3時からHさんのゼミ論指導。和菓子の差し入れ。栗餡とは珍しい。これはすぐに食べないと固くなってします。

うさぎ饅頭は後でいただきます。 

4時半から現代人間論系の教室会議。

今日は6限に講義「現代人間論系層構造座1」がある。現代人間論系の専任教員全員が1回ずつ担当するオムニバス授業で、今日が私の担当である。会議を途中で抜けて、教室へ。「カフェ文化論」というタイトルで話をする。

講義を終えて、研究室で雑用を片付け、大学を出たのは9時近かった。 

夕食は蒲田に着いてから「つけ麺大王」で。 

一人客はカウンター席に座らさせる。ここはまだ喫煙OKである。 

チャーシューつけ麺(750円)を注文。 

チャーシューの量がすごい。 

店を出たのは10時。 

帰宅すると、放送大学の下夷(しもえびす)先生から新著が届いていた。ありあとうございます。

 下夷『日本の家族と戸籍』(東京大学出版会)。 

下夷先生と初めてお会いした(お話した)のは、昔(どれくらい昔だったかしら)北海道大学で日本家族社会学会の大会があったときではないかと記憶している。彼女はそのときまだお茶大の院生ではなかったかしら。その後、社会保障研究所研究員、 日本女子大学人間社会学部助教授、法政大学社会学部助教授、東北大学文学部教授を経て、昨年、放送大学に移られた。住む街や職場を変わるというのはかなりのエネルギーを必要とすると思うが、コンスタントに優れた研究を著書にまとめられていている。

2時半、就寝。