8時15分、起床。
トースト(ハチミツ&オリーブオイル)、豚肉生姜焼き、目玉焼き、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

朝食にしてはボリュームのある一皿だが、1時から(3時まで)句会があり、たぶんその前に昼食はとれないと思うので、途中でガス欠にならないように腹持ちのするものを食べておくことにした。

昨日のブログを書いてアップする。卒業生とカフェ巡りをした日のブログがコンテンツが多くなるので更新に時間がかかる。案の定、句会の始まる前に昼食をとる時間はなかった。
1時からオンライン句会。今回の参加者はリアルタイムで10名+事前の投句参加者3名(うち2名は選句も)。

今回の投句は36句。選句は一人5句で、天(5点)1句、地(3点)2句、人(1点)2句。
事前に(昨日の夜)主宰の紀本さんからPDFで作品リストが届いているので、ほとんどの人がすでに選句をすませている。私もほぼすませていたが、順位付けは確定しておらず、紀本さんが今回の作品を朗読している時間にそれを確定した。私が選んだのは次の5句(なぜか前半に偏った)。
天 炎天に胃の在り処確かめる
地 跳んでみたいな蜜豆のひとりごと
地 野放図に朱の花が咲く朱夏が来る
人 街も雲も増築重ね夏色
人 ぐちゃぐちゃのトマトピューレのごと青春


各自が自分の選句を披露し、集計の後、作者が明らかにされる。集計結果は以下の通り(感想を述べつつ紹介する)。
16点 籐椅子や空気の流れかすかなり たかじ
今回の特選は私の句。犬茶房さんとさやかさんから天をいただいた。「籐(とう)椅子」が夏の季語。朝、一階の部屋の雨戸を開け、部屋の空気を入れ替える。そのとき籐椅子に座ってじっとしていると、部屋の空気がゆっくりと動いているのがわかる。そういう状況を詠んだ平明な写生句である。地味な作品なので(自分では悪くないと思っているが)、特選は意外であった。「籐椅子」のある生活、静謐な時間というものに惹かれて選んでくださった方が多かったようである。月白さん(地をいただいた)曰く「普段は“や”とか“なり”を使った作品は優等生的で選ばないんですけどね」。「優等生的」というのは「正統派」という意味であろう、と受け止めておきます。
15点 陽炎に不承不承の登坂 港
渺さんが天を付けた。今回の兼題(同じ言葉を二度繰り返す)の句。ほどんどの方が、平仮名あるいは片仮名表記の擬態語・擬音語で兼題句に取り組んでいたのに対して、「不承不承」という四文字熟語に目を付けたところが技ありである。
12点 跳んでみたいな蜜豆のひとりごと 明子
恵美子さんが天を付けた。ファンタジックな不思議少女的発想は、久しぶりに句会に参加された明子さんの作品(選句のときからそうだろうなと思っていた)。「蜜豆というのは豆のことをいうのでしょうか、寒天やフルーツも含めた全体をいうのでしょうか、迷いました」という不思議な自作解説をされていた。「ひとりごと」という言葉は前者(蜜豆の豆)にふさわしいと思います。
12点 梅雨に入る羊羹のごとアスファルト あやこ
まゆこさんが天を付けた。これは敷いたばかりのアスファルトを詠んだものだろうか。そうした情景からは私は「溶岩」を連想したことがあるが、「羊羹」を連想する人がいるとは思わなかった。「ようがん」と「ようかん」、一音の違いだが、イメージの違いは大きい。羊羹を連想した場合、そこから羊羹を食べたいと思うのだろうか。
10点 炎天に胃の在り処確かめる 月白
私が天を付けた。『孤独のグルメ』の井之頭五郎を連想した。猛暑で食欲はいま一つであるが、何か胃に入れておこう。いま、私の胃は何を求めているだろう、と胃のあたりを手で押さえて自問している図である。月白さんの自作解説によると、胃の調子が悪くて、胃の検査を受けた(とくに問題はなかった)、そのときの気分を詠んだとのこと。人が胃の存在を意識するのは胃の調子が悪い時である(というようなことを三木清がどこかで書いていた)。
10点 納戸より出でし五台の扇風機 たかじ
私の句。これも平明な句だと思うが、「出(い)でし」と扇風機を擬人化したところが工夫で、紀本さんが言われた通り「ゴレンジャー」みたいな印象を与える。毎年、夏になるとお助け隊のように登場するのだ。「五台」というところに「大きな家」「部屋数の多い家」を連想されたようだが、部屋数こそあれ(9部屋)、すでに両親は亡くなり、子供たちも家を出たので、そこに夫婦二人で暮らしている。猫でも飼おうかと考えている。
9点 お中元のように感動すすめられ 紀本直美
あゆみさんが天を付けた。小説や映画で「泣ける」(感動する)ことを宣伝文句に使われることの多い昨今である。これまでに見た映画で一番泣いたのはアニメの『蛍の墓』(1988)かと思うが、もしそういう宣伝のされかたをされていたら見なかったと思う。実際に使われた宣伝文句は「4歳と14歳で、生きようと思った」である。
8点 しゃきしゃきとサラダほおばる熱帯夜 あやこ
はるさんが天を付けた。福山雅治のコマーシャルソング「幸せのサラダ」を一瞬連想したが、「熱帯夜」という季語は幸せとは不釣り合いである。あやこさんの自作解説によると、ここには怒りの感情が込められているのだそうだ。怒りの気持ちをかみ殺すようにサラダをほおばっているのだ。怖い句なのだ。
8点 野放図に朱の花が咲く朱夏が来る 渺
月白さんが天を付けた。私も最初、この句に天をつけようかと思った。しかし、「朱の花が咲く」と「朱夏が来る」の連立は調子はいいけれど無理があるように感じて、ワンランク落とした。現象としては「朱の花が咲く」は「朱夏が来る」の中に含まれる。部分と全体の関係にある。だから「野放図に朱の花の咲く朱夏が来る」とした方が意味としても調べとしてもよくはないだろうか。
8点 席譲る日焼け子脛に痣二つ まゆこ
蚕豆さんが天を付けた。「電車の中で老人に席を譲る日焼けした子供の脛(すね)に二つ痣がある」という意味である。作者は欲張りである。物語的要素を詰め込み過ぎで、ラッシュアワーの電車のようである。どれかをあきらめればもっとすっきりした句になっただろう。たとえば「夏電車脛に痣ある少年は立つ」とか。
7点 雨つぶもすべるするするさるすべり 月白
韻を踏むことを楽しむ句である。滑り台のイメージなのだと思うが、だとすると「するする」は平凡な擬態語である。もうひと捻りほしかったが、捻りすぎると「すべって」しまうことがあるので、難しいところではあるが。
5点 半年が水玉となり弾けます 明子
紀本さんが天を付けた。私は昨年末、「手ざわりのなき一年や年の暮れ」という句を作ったが、その気分に通じるものをこの作品に感じる。でも、もしかしたら、全然別の意味なのかもしれない。半年間、鬱積したものが弾けるという意味かもしれないし、蓄積したものが成果をもたらすという意味かもしれない。
4点 ぐちゃぐちゃのトマトピューレのごと青春 犬茶房
「ぐちゃぐちゃの青春」という認識がまずあって(青春てそんなに美しいものじゃない)、「ぐちゃぐちゃ」の比喩として何をもってくるかという思考が次に来て、「トマトピューレ」が選ばれたわけである。たしかに「トマトピューレ」は「ぐちゃぐちゃ」である。でも、「トマトピューレ」という言葉はおしゃれである。美化されたものを破壊しようとしてなお美しさへの志向を捨てられないというのも青春なのである。
以下、時間の関係で、入選句の紹介のみ。
3点 七夕に着物姿の遠眼鏡 蚕豆
3点 五月闇巾木に積もる埃かな 恵美子
3点 お祈りのごとき一票半夏雨 明子
3点 手花火の爆(は)ぜてペディキュアまだらなり まゆこ
3点 花菖蒲凛と小股の切れ上がる あやこ
3点 手のひらに闇をつかんで蛍狩り 月白
2点 かき氷サーモグラフィーの色を見る 恵美子
2点 パセリはむ祖父の征きけむ太平洋 犬茶房
2点 熱帯夜ひしと抱きし将棋盤 蚕豆
2点 水琴窟ふるふると夏を涙する 蚕豆
2点 理不尽にぷちぷち胡瓜間引きけり まゆこ
1点 街も雲も増築重ね夏色 港
1点 赤ちゃんのデカデカメガネ夏休み 紀本直美
1点 また明日の声を忘れて時計草 港
1点 ウイルスを夏の日差しよ焼き尽くせ はな
次回の句会は9月12日(日)。兼題は「二百十日」。みなさん、どうぞ健やかに夏をお送りください。
句会を終えて、ハムサンドを作って食べる。
昼寝をする。
夕方、雷が鳴った。

『山下達郎のサンデー・ソングブック』をタイムフリーで聴きながら、俳句の感想(ブログ用)を書く。『サンソン』は今回で1500回を達成した。長寿番組である。

夕食はスペイン風オムレツ、春巻き、サラダ、ワカメのスープ、ごはん。

オムレツ入刀。

デザートはメロン。

食事をしながら『#家族募集します』初回(録画)を観る。「大家族的生活」を希求する蒼介(仲野太賀)は『ホームドラマ!』(2004)の将吾(堂本剛)を髣髴とさせる。今回、シングルファザーとシングルマザーの家族が加わったが、次週、もう一つシングルマザーの家族が加わるようである。仲野太賀の演技力が高すぎて(『コントが始まる』のテンションが持続している)共演者がついていけてないような印象がある。
風呂から出て、『孤独のグルメ』シーズン9の初回(録画)を観る。マスクのない「パラレルワールド」としての現代を舞台にしたドラマが多い中、しっかりとマスクのある日常を舞台にしている。それが可能なのは、食べるときはマスクを外すからだ。孤食ならではの強みである。仕事の打ち合わせの場面で女優さんが登場するときは、ペットボトルを飲むときにマスクを外して顔を見せるという演出がされている。
番組の冒頭シーンで、シーズン2で登場したことのある白楽(東横線)の「キッチン友」を五郎が再訪してランチを食べ、しばらくぶりで行った店が変わらずやっていてくれると嬉しい、ということを言っていた。いい企画だと思う。毎回やってくれるのだろうか。
今日の日記とブログ。
2時、就寝。