フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

7月15日(木) 曇りのち晴れ

2021-07-16 10:54:55 | Weblog

9時、起床。

トースト(はちみつ+オリーブオイル)、ベーコン&エッグ、サラダ、牛乳、コーヒーの朝食。

本日の『おかえりモネ』。山を離れる(東京へ行く)ことを山の人たち(とくにさやかさん)へ伝えるモネ。立つ鳥跡を濁さず。それはいいのだが、東京での生活のプラン(住む場所とか働くところとか)は立っているのかしら。まさかとりあえず上京するというわけではないだろうね。

昨日のブログを書いてアップする。

午後1時から大学院の演習(オンライン)。

授業の開始前にコンビニおにぎりの昼食。

今日のテキストは井上章一「愛の場所をめぐって」。ここでいう「愛の場所」とはラブホテルのことである。江戸の遊郭から、待合を通って、現代のラブホテルにいたるまでの性愛空間の変遷について語る。中学生の頃、学校のすぐ隣に黒塀に囲われた旅館があって、なぜ観光地でもないこんな場所に旅館があるのかを知らなかった私に同級生がその旅館の存在理由について(つまり「連れ込み旅館」というものについて)話してくれた。そのとき私がどんな感想を言ったのかは覚えていないが、教育空間と性愛空間が道を一つ隔てて隣接しているということに、世界を見る目が少し変わったであろうことは間違いない。

演習の後、引き続き院生の研究指導。終わったのは4時半ごろ。

梅雨明けを思わせる空だ。

散歩に出る。

ラストオーダー(5時半)ぎりぎりの「スリック」に顔を出す。

今日からグレープフルーツのセパレートティーが始まった。待ってました!

シフォンケーキはキャラメル&岩塩。塩キャラメといわないのは出来合いの塩キャラメルと使っているわけではなく、自家製のキャラメルと岩塩を使っているからである。これがセパレートティーと合うのである。

澤田瞳子さんの直木賞受賞を話題にする。受賞作の『星落ちて、なお』の内容を紹介しようと、「主人公の女性の父親は日本画家の河鍋・・・」と私が言うと、「河鍋暁斎ですか?」とマダムが間髪を入れずに言ったので、「河鍋暁斎をご存じでなんですか」と聞くと、「はい、娘がいま取り組んでいる卒論のテーマなんです」という。それは、それは。マダムはその場でアマゾンに『星落ちて、なお』を注文した。読まれたら感想を語り合いましょう。

店を出たのは6時半近く。

雲に躍動感がある。夏がやってきたんだと思う。

帰宅して、本日公開のオンデマンド講義のレビューシートのチェック。中央図書館の近くのジャズ喫茶「ナッティ」に行ってみましたということを書いて来た学生がいた。気に入ったようで、これから馴染みのカフェ(サードプレイス)とすべく足しげく通うつもりだそうだ。この学生は知らないのだが、「ナッティ」のマスターと私は顔なじみである。というのは、ご主人は以前、蒲田で「サッチモ」という名の花屋さんをしていた方である。店名からわかるとおりジャズが好きで、好きが昂じて、花屋をたたみ、早稲田にジャズ喫茶を開店したのはもう何年前のことになるかしら。

夕食は照り焼き地鶏丼、チーズ蒲鉾、大根の味噌汁、お新香(白菜)。

食事をしながら『プレバト』を追っかけ再生で観る。

明日のゼミの資料(レジュメ)に目を通す。

風呂から出て、今日の日記とブログ。

2時過ぎに就寝。


7月14日(水) 曇りのち晴れ

2021-07-15 12:03:42 | Weblog

8時、起床。

トースト(はちみつ&オリーブオイル)、ウィンナー&エッグ、サラダ、麦茶、コーヒーの朝食。

本日の『おかえりモネ』。切った檜葉の保管場所は神社の倉庫(神輿を保管しておく場所)に決まった。モネのお手柄である。これで山の仕事に区切りを付ける(辞める)と言い出しやすくなっただろう。それにしても菅波、モネの肩に置こうとした手を引っ込めるとは。

昨日のブログを書いてアップする。

10時半から学位委員会(オンライン)。

会議は1時間ほどで終了。

講義原稿を仕上げて、昼食を食べに出る。

「吉岡家」に行く。

時刻は1時半。すでにランチタイムのピークは過ぎていて、客は私だけ。

ランチセットで、構成はもり、から揚げ、生卵(玉子かけご飯用)、ごはん(軽め)。

から揚げは初めて注文した(これまでは目玉焼きを注文することが多かったが、今朝、目玉焼きを食べたので)。レタスにかかったマヨネーズの量が多い。

帰宅して、一休みしてから、オンデマンド講義の収録。いつもは部屋のドアの外にかける「録音中」の札だが、玄関上がりに置いておく。妻が外から戻ってきて、すぐにわかるようにだ。玄関ドアをばたんと閉めて「ただいま!」と大きな声を出されると困るからである。

『日常生活の社会学』第15回(最終回)のパート1部分。30分58秒。

講義資料を作成し(ほぼできていた)、コンテンツ一式をネットにアップする。公開は今夜の24時から。

4時半から現代人間論系会議(オンライン)。

会議が終わるころ、卒業生のカナエさん(京都在住)からLINEが届く。「澤田瞳子さんがついに直木賞ですね!京都新聞の速報を見ました」。えっ、ホントか!

会議が終わってからネットを検索する。佐藤究とのダブル受賞だ。5度目のノミネートでの受賞である。受賞作となったのは『星落ちて、なお』(文藝春秋)。明治・大正の日本画壇の衰亡の中を生きる河鍋暁斎の娘とよ(暁翠)が主人公の物語である。歴史小説家で京都在住の澤田さんが、大正までを扱い、かつ東京を舞台にするというのは、時間的・空間的に大きな挑戦だったはずである。

「おめでとうございます!」と祝電的なLINEを澤田さんに送る。渦中の人は、今夜は大忙しのはずである。

今日が最終日のレビューシートのチェック。

夕食は豚シャブ。妻は冷シャブにしようとしていたので、鍋で食べたいと所望する。

豚肉の甘味は温かい方が出るのである。

クーラーの効いた部屋で。

食事をしながら『ナイト・ドクター』第4話(録画)を観る。医師の内面のドラマだ。

明日の大学院のテキストに目を通していると、澤田さんから返信が届いた。「このお忙しいときに律義な・・」と恐縮しながら開くと、「ありがとうございます!なんかまだ実感なくてぽかんとしています」と。ぽかんとしている暇もないのではありませんかと聞いたら、本来であれば、夕方の発表→受賞式→関係者との会食(お祝い)と続くところなのだが、コロナ的状況で会食はなく、ホテルの部屋でこれから一人コンビニご飯の夕食なのだという。直木賞受賞の夜に一人でコンビニご飯ですか! で、何を?「セブンイレブンの冷麺です」とのこと。それは、それは。でも、忘れられない冷麺となることでしょう。これからしばらく超多忙の日々となることでしょう。どうぞ健康管理をしっかりとしてくださいね。次作を楽しみにしています。落ち着かれたころに東京か京都でカフェをいたしましょう。

風呂から出て、カルピス+氷+アイスクリーム+ブルーベリーでドリンクを作って飲む。今日、妻が実家の墓参りに行ってお姉さんかブルーベリーをいただいて来たのだ。

今日の日記とブログ。

締め切りの24時になったタイミングでレビューシートのチェック。夕食前からのラスト数時間で90通ほど提出された。

2時、就寝。


7月13日(火) 曇りのち晴れ

2021-07-14 09:34:48 | Weblog

8時50分、起床。妻に「もう起きたら」と促されて起きる。昨夜は2時過ぎに就寝したので、寝不足ではないはずだが、疲れがとれていない感じだ。

トースト、サラダ(+チキン)、牛乳、コーヒーの朝食。

紅茶ではなくコーヒーにしたのは、気分転換とかではなく、紅茶を切らしてしまったのだ。ちょうどいただきもののオールインワン(コーヒー+砂糖+クリーム)のコーヒーがあったので。

本日の『おかえりモネ』。樹齢300年の檜葉を切る。切って材木にした檜葉は50年間室内で寝かせておく必要があるのだが、当てにしていた材木業者たちは子供の代まで材木業が続けられるかどうかわからないので材木を預かることに二の足を踏む。それが日本の林業の現状なのだ。もしかして・・・と私は思った、モネは最終的に島に帰るのだろうと思っていたが、山に帰るのかもしれないと。

昨日のブログを書いてアップする。

11時に菩提寺から住職がやって来られた。母が生きていた頃から、お盆の入りの日(東京では7月13日)に住職に来てもらってお経をあげていただくのが我が家の慣習である。

とくに信仰心が篤いというわけではなく、生活習慣として、年始、春の彼岸、5月のお施餓鬼法要、秋の彼岸、10月のお十夜法要、年末に墓参りをする。そしてお盆には住職に来ていただく。これはお寺が近い場所(鶯谷)にあるということも大きいだろう。

しかし、お寺さんとのこうした付き合いも私の代で終わりだろう。

今日の演習の発表者(3名)のレポートに目を通す。

2時前に家を出て、大学へ。

スロープの横のメタセコイヤは樹齢何年だったかな。

研究室で食べる昼食はおにぎり2個(鮭と梅)と鯛焼き一尾。

3時から卒研指導。テーマは「ファッションから考える持続可能な社会の構想」。

4時半から演習(現代人と社交)。珍しく少し早めに教室に行ったら、教室の前の廊下で学生たちが前の授業が終わるのを待っていた。もしかして私が知らなかっただけで、毎時間こうなのだろうか。うっかりのフリをして教室に入る。「あっ、すみません。もう終わります」と前の授業の先生が言った。

本日の発表は以下の3本。

 SNSがより効果的にサードプレイスとしての役割を果たすには~聴覚情報を増やし、可能性を広げる~

 SNS上での社交の実践

 スナックは大学生のサードプレイスになり得るか

授業を終え、研究室に戻る。この演習も来週が最終回だ。春学期最後の授業になる。

大学を出たのは6時15分。空は晴れている。週末には梅雨明けとなりそうだ。

帰りの電車でウトウトし(やはり疲れがたまっているみたいだ)、車内の電光掲示板の「鶴見」という表示を見て、びっくりして(ずいぶん乗り越してしまった)電車を降りると、蒲田の二つ手前の大井町だった。電光掲示板の「鶴見」はこの電車が鶴見止まりであること示していたに過ぎない。でも、次の電車はすぐにホームに入って来る。東京の電車のダイヤは過密だ。「やれやれ」と思っている暇もないくらいだ。

夕食は海老団と茄子のピリ辛トマトソース、サラダ、ワカメと麩の味噌汁、ごはん。

食事をしながら『シェフは名探偵』第6話(録画)を観る。

火曜日はオンデマンド授業のコンテンツ一式をアップする日(個人的にそう決めている)なのだが、疲れ気味なので、明日にすることにした。こういうときのために一日余裕をもってスケジュールを組んでいる。

風呂から出て、今日の日記とブログ。

1時半、就寝。


7月12日(月) 晴れのち雨

2021-07-13 10:38:03 | Weblog

8時半、起床。

トースト(はちみつ&オリーブオイル、ウィンナー&エッグ、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

目玉焼きをフライパンから皿に移すときに失敗する。黄身の表面を蒸してコーティングしなかったのがけなかった。失敗を胡麻化すためにバジルを振ってみたが、とくに効果的とはいえない。

本日の『おかえりモネ』。3回目にして気象予報士の試験に合格する。これで物語の舞台が大きく動くことになる。

昨日のブログを書いてアップする。

講義原稿を一本仕上げる。

3時過ぎ、遅い昼食を食べに出る。ナツの墓の上に花が咲いている。

百日紅(サルスベリ)の花だ。その名前のとおり、これから3カ月ほど咲き続けるだろう。

月曜日は馴染みのカフェは定休のところが多い。梅屋敷通りの「琵琶湖」を目指す。

「西蒲田8丁目」の住居表示板が割れて「西」しか残っていない。

梅屋敷通り。元気な商店街である。

珈琲「琵琶湖」は梅屋敷通りの中ほどにある。

スパゲッティ。ミートソースのセット(サラダとドリンク付き)を注文。

店を出る頃、にわか雨が降って来た。

傘を持っていない人もいる(私はいつも鞄の中に折り畳み傘を入れてある)。

すぐに陽が射してきたが、それも長続きしなかった。

雨に打たれて地面に落ちた花。

玄関先の薔薇も雨に濡れている。

一階の仏間の掃除。明日、菩提寺の住職が来て下さるのだ。

夕食はぶっかけ蕎麦。

デザートはメロン。

食事をしながら『TOKYO MER』第2話(録画)を観る。ドラマの冒頭と終盤で2回出動場面があった。初回もそうだったが、毎回このペースでいくとすると、アクション場面の占める割合のずいぶんと大きな医療ドラマである。

推薦状を2通書く。

家の前の道路に大きな蛙(ガマガエル)がちょこんと座っていた。万一、車に轢かれるといけないので、庭に運ぶ。若い蛙なのだろう、持ち上げるとジタバタした。

講義原稿を仕上げて、収録に入る。

オンデマンド授業の最終回のパート2部分を先に収録。31分31秒。

風呂から出て、ラジオを聴きながら、今日の日記とブログ。

2時過ぎに就寝。


7月11日(日) 晴れのち雨

2021-07-12 11:28:13 | Weblog

8時15分、起床。

トースト(ハチミツ&オリーブオイル)、豚肉生姜焼き、目玉焼き、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

朝食にしてはボリュームのある一皿だが、1時から(3時まで)句会があり、たぶんその前に昼食はとれないと思うので、途中でガス欠にならないように腹持ちのするものを食べておくことにした。

昨日のブログを書いてアップする。卒業生とカフェ巡りをした日のブログがコンテンツが多くなるので更新に時間がかかる。案の定、句会の始まる前に昼食をとる時間はなかった。

1時からオンライン句会。今回の参加者はリアルタイムで10名+事前の投句参加者3名(うち2名は選句も)。

今回の投句は36句。選句は一人5句で、天(5点)1句、地(3点)2句、人(1点)2句。

事前に(昨日の夜)主宰の紀本さんからPDFで作品リストが届いているので、ほとんどの人がすでに選句をすませている。私もほぼすませていたが、順位付けは確定しておらず、紀本さんが今回の作品を朗読している時間にそれを確定した。私が選んだのは次の5句(なぜか前半に偏った)。

 天 炎天に胃の在り処確かめる

 地 跳んでみたいな蜜豆のひとりごと

 地 野放図に朱の花が咲く朱夏が来る

 人 街も雲も増築重ね夏色

 人 ぐちゃぐちゃのトマトピューレのごと青春

各自が自分の選句を披露し、集計の後、作者が明らかにされる。集計結果は以下の通り(感想を述べつつ紹介する)。

16点 籐椅子や空気の流れかすかなり たかじ

今回の特選は私の句。犬茶房さんとさやかさんから天をいただいた。「籐(とう)椅子」が夏の季語。朝、一階の部屋の雨戸を開け、部屋の空気を入れ替える。そのとき籐椅子に座ってじっとしていると、部屋の空気がゆっくりと動いているのがわかる。そういう状況を詠んだ平明な写生句である。地味な作品なので(自分では悪くないと思っているが)、特選は意外であった。「籐椅子」のある生活、静謐な時間というものに惹かれて選んでくださった方が多かったようである。月白さん(地をいただいた)曰く「普段は“や”とか“なり”を使った作品は優等生的で選ばないんですけどね」。「優等生的」というのは「正統派」という意味であろう、と受け止めておきます。

15点 陽炎に不承不承の登坂 港

渺さんが天を付けた。今回の兼題(同じ言葉を二度繰り返す)の句。ほどんどの方が、平仮名あるいは片仮名表記の擬態語・擬音語で兼題句に取り組んでいたのに対して、「不承不承」という四文字熟語に目を付けたところが技ありである。

12点 跳んでみたいな蜜豆のひとりごと 明子

恵美子さんが天を付けた。ファンタジックな不思議少女的発想は、久しぶりに句会に参加された明子さんの作品(選句のときからそうだろうなと思っていた)。「蜜豆というのは豆のことをいうのでしょうか、寒天やフルーツも含めた全体をいうのでしょうか、迷いました」という不思議な自作解説をされていた。「ひとりごと」という言葉は前者(蜜豆の豆)にふさわしいと思います。

12点 梅雨に入る羊羹のごとアスファルト あやこ

まゆこさんが天を付けた。これは敷いたばかりのアスファルトを詠んだものだろうか。そうした情景からは私は「溶岩」を連想したことがあるが、「羊羹」を連想する人がいるとは思わなかった。「ようがん」と「ようかん」、一音の違いだが、イメージの違いは大きい。羊羹を連想した場合、そこから羊羹を食べたいと思うのだろうか。

10点 炎天に胃の在り処確かめる 月白

私が天を付けた。『孤独のグルメ』の井之頭五郎を連想した。猛暑で食欲はいま一つであるが、何か胃に入れておこう。いま、私の胃は何を求めているだろう、と胃のあたりを手で押さえて自問している図である。月白さんの自作解説によると、胃の調子が悪くて、胃の検査を受けた(とくに問題はなかった)、そのときの気分を詠んだとのこと。人が胃の存在を意識するのは胃の調子が悪い時である(というようなことを三木清がどこかで書いていた)。

10点 納戸より出でし五台の扇風機 たかじ

私の句。これも平明な句だと思うが、「出(い)でし」と扇風機を擬人化したところが工夫で、紀本さんが言われた通り「ゴレンジャー」みたいな印象を与える。毎年、夏になるとお助け隊のように登場するのだ。「五台」というところに「大きな家」「部屋数の多い家」を連想されたようだが、部屋数こそあれ(9部屋)、すでに両親は亡くなり、子供たちも家を出たので、そこに夫婦二人で暮らしている。猫でも飼おうかと考えている。

9点 お中元のように感動すすめられ 紀本直美

あゆみさんが天を付けた。小説や映画で「泣ける」(感動する)ことを宣伝文句に使われることの多い昨今である。これまでに見た映画で一番泣いたのはアニメの『蛍の墓』(1988)かと思うが、もしそういう宣伝のされかたをされていたら見なかったと思う。実際に使われた宣伝文句は「4歳と14歳で、生きようと思った」である。

8点 しゃきしゃきとサラダほおばる熱帯夜 あやこ

はるさんが天を付けた。福山雅治のコマーシャルソング「幸せのサラダ」を一瞬連想したが、「熱帯夜」という季語は幸せとは不釣り合いである。あやこさんの自作解説によると、ここには怒りの感情が込められているのだそうだ。怒りの気持ちをかみ殺すようにサラダをほおばっているのだ。怖い句なのだ。

8点 野放図に朱の花が咲く朱夏が来る 渺

月白さんが天を付けた。私も最初、この句に天をつけようかと思った。しかし、「朱の花が咲く」と「朱夏が来る」の連立は調子はいいけれど無理があるように感じて、ワンランク落とした。現象としては「朱の花が咲く」は「朱夏が来る」の中に含まれる。部分と全体の関係にある。だから「野放図に朱の花咲く朱夏が来る」とした方が意味としても調べとしてもよくはないだろうか。

8点 席譲る日焼け子脛に痣二つ まゆこ

蚕豆さんが天を付けた。「電車の中で老人に席を譲る日焼けした子供の脛(すね)に二つ痣がある」という意味である。作者は欲張りである。物語的要素を詰め込み過ぎで、ラッシュアワーの電車のようである。どれかをあきらめればもっとすっきりした句になっただろう。たとえば「夏電車脛に痣ある少年は立つ」とか。

7点 雨つぶもすべるするするさるすべり 月白

韻を踏むことを楽しむ句である。滑り台のイメージなのだと思うが、だとすると「するする」は平凡な擬態語である。もうひと捻りほしかったが、捻りすぎると「すべって」しまうことがあるので、難しいところではあるが。

5点 半年が水玉となり弾けます 明子

紀本さんが天を付けた。私は昨年末、「手ざわりのなき一年や年の暮れ」という句を作ったが、その気分に通じるものをこの作品に感じる。でも、もしかしたら、全然別の意味なのかもしれない。半年間、鬱積したものが弾けるという意味かもしれないし、蓄積したものが成果をもたらすという意味かもしれない。

4点 ぐちゃぐちゃのトマトピューレのごと青春 犬茶房

「ぐちゃぐちゃの青春」という認識がまずあって(青春てそんなに美しいものじゃない)、「ぐちゃぐちゃ」の比喩として何をもってくるかという思考が次に来て、「トマトピューレ」が選ばれたわけである。たしかに「トマトピューレ」は「ぐちゃぐちゃ」である。でも、「トマトピューレ」という言葉はおしゃれである。美化されたものを破壊しようとしてなお美しさへの志向を捨てられないというのも青春なのである。

以下、時間の関係で、入選句の紹介のみ。

3点 七夕に着物姿の遠眼鏡 蚕豆

3点 五月闇巾木に積もる埃かな 恵美子

3点 お祈りのごとき一票半夏雨 明子

3点 手花火の爆(は)ぜてペディキュアまだらなり まゆこ

3点 花菖蒲凛と小股の切れ上がる あやこ

3点 手のひらに闇をつかんで蛍狩り 月白

2点 かき氷サーモグラフィーの色を見る 恵美子

2点 パセリはむ祖父の征きけむ太平洋 犬茶房

2点 熱帯夜ひしと抱きし将棋盤 蚕豆

2点 水琴窟ふるふると夏を涙する 蚕豆

2点 理不尽にぷちぷち胡瓜間引きけり まゆこ

1点 街も雲も増築重ね夏色 港

1点 赤ちゃんのデカデカメガネ夏休み 紀本直美

1点 また明日の声を忘れて時計草 港

1点 ウイルスを夏の日差しよ焼き尽くせ はな

次回の句会は9月12日(日)。兼題は「二百十日」。みなさん、どうぞ健やかに夏をお送りください。

句会を終えて、ハムサンドを作って食べる。

昼寝をする。

夕方、雷が鳴った。

『山下達郎のサンデー・ソングブック』をタイムフリーで聴きながら、俳句の感想(ブログ用)を書く。『サンソン』は今回で1500回を達成した。長寿番組である。

夕食はスペイン風オムレツ、春巻き、サラダ、ワカメのスープ、ごはん。

オムレツ入刀。

デザートはメロン。

食事をしながら『#家族募集します』初回(録画)を観る。「大家族的生活」を希求する蒼介(仲野太賀)は『ホームドラマ!』(2004)の将吾(堂本剛)を髣髴とさせる。今回、シングルファザーとシングルマザーの家族が加わったが、次週、もう一つシングルマザーの家族が加わるようである。仲野太賀の演技力が高すぎて(『コントが始まる』のテンションが持続している)共演者がついていけてないような印象がある。

風呂から出て、『孤独のグルメ』シーズン9の初回(録画)を観る。マスクのない「パラレルワールド」としての現代を舞台にしたドラマが多い中、しっかりとマスクのある日常を舞台にしている。それが可能なのは、食べるときはマスクを外すからだ。孤食ならではの強みである。仕事の打ち合わせの場面で女優さんが登場するときは、ペットボトルを飲むときにマスクを外して顔を見せるという演出がされている。

番組の冒頭シーンで、シーズン2で登場したことのある白楽(東横線)の「キッチン友」を五郎が再訪してランチを食べ、しばらくぶりで行った店が変わらずやっていてくれると嬉しい、ということを言っていた。いい企画だと思う。毎回やってくれるのだろうか。

今日の日記とブログ。

2時、就寝。