温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

白神温泉 静観荘

2013年10月17日 | 青森県

青森県津軽の西海岸にある深浦町は、交通アクセス的にかなり奥まった場所に位置しているので、固い意志を持って訪れようとしない限り、なかなか行く機会に恵まれない秘境めいたエリアですが、それゆえ人の手が付けられていないような素晴らしい大自然の宝庫でもあり、わざわざここまでやってきて五能線の「リゾートしらかみ」号の車窓を眺め、あるいは国道101号線をツーリングするなどして、世界遺産の白神山地や日本海の大自然が織りなす絶景をみなさん堪能していらっしゃるわけですね。そんな深浦町域でも、特に秋田県境にあたる旧岩崎村は、青森県の各市町村よりも秋田県からアクセスしたほうが近い場所にあって、所用で鰺ヶ沢に屡々訪れる私でも旧岩崎村にはあまり訪れたことがありません。
その旧岩崎村の中心部にあたる、駅や役場支所の近所には「世界遺産憩いの宿」という文言を名称に冠している温泉宿「白神温泉 静観荘」が営業しており、こちらのお湯がなかなかの絶品であるので、真夏の某日、立ち寄り入浴で利用してまいりました。



暖簾が掛かった玄関を入りますと、この時の館内は薄暗くて人がいる気配が無かったのですが、カウンターには料金箱が置かれていますので、そこへ100円玉を3枚納めて館内へ入らせていただきました。


 
玄関を上がって右手へ進み、廊下を歩いて浴室へと向かいます。右(下)画像に写っている衝立の向こうが浴室です。脱衣室は一見綺麗に見えますが、室内にはトイレからの「芳香」が忍び込んでいますし、棚の上は雑然と物が置かれ、しかもなぜかデカいアブが数匹飛び交っていました。


 
お風呂は男女別の内湯でして、浴室は2方向が横長のガラス窓となっており、その下に浴槽が一つ据えられています。お風呂はお世辞にも手入れが行き届いているとは言えず、天井のペンキはあちこち剥げてめくれており、壁タイルの目地にはコケが生え、窓の出っ張りには細かいゴミが散らかったままになっていました。たまたま掃除直前のタイミングに訪れちゃったのかな。なお洗い場にはカランが9基並んでおり、うち2基はシャワー付きです。


 
窓のすぐ前には五能線の線路が敷設されており、タイミングが良ければ目の前を列車が横切っていきます。そしてその奥には日本海の海原ものぞいています。この時も運良く「リゾートしらかみ」の「橅」編成が五所川原方面へ走り去っていきました。線路からは至近距離にあるので、その隔たりだけで考えると、車窓から浴室内は丸見えのはずなのですが、幸か不幸か窓がかなり汚れているので、この曇りが上手い具合に目隠しになっており、こちらの様子に気づく乗客はいないものと思われます。


 
浴槽はかなり広くて10人近くは同時に入れそうな大きさを有しています。浴槽の縁には温泉成分の析出がコンモリとこびりついており、大部分は赤茶色やアイボリー色に染まっていますが、一部は緑色に変色していました。このお湯が洗い場まで流れちゃうと浴室内がボコボコになって歩きにくくなっちゃうわけですが、それを未然に防ぐためか、浴槽の周囲にはオーバーフローのお湯を受け止める樋が設けられており、湯船のお湯が洗い場へ流れるようなことはありませんでした。
湯船に張られているお湯は弱い貝汁濁りを呈しています。槽内はワインレッドの小さな丸いタイルが敷き詰められているのですが、泉質由来なのかメンテナンスの問題か、底は野湯みたいにややヌルヌル気味でした。



この温泉はお湯が実に秀逸であります。析出がコンモリと盛り上がった湯口からは、ジュワジュワと音を立てながらお湯が吐出されており、付近の湯面を泡で覆っていました。そして湯面全体では炭酸の気泡がパチパチと弾けていました。湧出温度がやや低いために季節によっては加温されるそうですが、この日はおそらく非加温状態かと思われる40℃弱のお湯が供給されており、口にすると明瞭な塩味と出汁味、そして弱金気味と強い炭酸味が感じられ、臭素臭と土気臭に加えて少々の金気臭が嗅ぎ取れました。重曹泉的なツルスベ浴感が実に爽快であるとともに、入浴中は炭酸の気泡が(少々ですが)肌に付着し、湯上がりも炭酸の温浴効果が発揮されて、いつまでも体内から発熱しているかのようなポカポカ感が持続しました。貝汁濁りで析出コンモリ、そして塩味と出汁味を含む炭酸のお湯といえば、良泉揃いの奥会津の温泉を彷彿とさせます。季節による加温こそあるものの、加水循環消毒のない放流式の湯使いです。

炭酸たっぷりのお湯は本当にすばらしく、不感温度帯に近いぬるめのお湯ですので、いつまでもじっくり浸かっていたかったのですが、訪問したのが一年で生命活動が最も盛んになる真夏だったためか、室内には炭酸ガスにおびき寄せられた大きなアブが余多飛んでおり、そんな吸血性のアブにロックオンされた私は室内という逃げ場のない環境で殺(や)るか殺(や)られるかという状況に追い込まれ、奴らの猛襲に遭いながら、そしてキ●タマの袋をガブリを噛まれて悲鳴をあげながらも、タオルをブンブン振り回して数匹撃退し、結局落ちついて入浴できずに退散する羽目となってしまいました。年間でアブが暴れまわる期間は夏の間だけでしょうから、私が訪れたタイミングが悪かったのかもしれませんが、まさか室内でアブたちに襲われるとは思ってもよらず、当地がいかに自然豊かな場所であるかを実感した次第です。時季を改めて再度訪問し、今度こそはじっくりと湯浴みしたいものです。もちろんお宿の方は可能な範囲内で頑張ってお手入れしているのでしょうけど、施設としてのB~C級感の強さは否めず、せっかくの良泉が勿体無い気がします。美人なのに字が汚いとか整理整頓ができないとか、あるいはイケメンなのに虫に弱いとかスポーツ音痴だとか、そんな残念な感じを抱きました。


ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉 36.5℃ pH6.7 湧出量測定不可(動力揚湯) 溶存物質6.976g/kg 成分総計7.519g/kg
Na+:1933mg(90.22mval%), Mg++:38.5mg(3.39mval%), Ca++:67.7mg(3.63mval%),
Cl-:1145mg(35.13mval%), Br-:3.0mg, SO4--:420.7mg(9.53mval%), HCO3-:3102mg(55.28mval%),
H2SiO3:149.0mg, HBO2:29.3mg, CO2:542.8mg,

五能線・陸奥岩崎駅より徒歩6分(500m)
青森県西津軽郡深浦町岩崎平舘7-4
0173-77-2411

日帰り入浴時間不明
300円
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★
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貝の沢温泉

2013年10月16日 | 秋田県
 
秋田市郊外、太平山南西麓のいで湯「貝の沢温泉」を数年前に利用したとき、その特徴的なお湯と浴感の良さが強く記憶に残ったので、それ以来、車で秋田を訪れる際には屡々こちらへ立ち寄ってひとっ風呂浴びてから秋田市街へと向かうようにしています。私は地理的感覚に自信があって、殆どの場所は一度行けば次回以降は地図を見ずに辿り着けるのですが、この温泉を利用する時は大抵日没後であり、しかも途中からは真っ暗な山中の細い路地をクネクネと進んで行くため、悲しい哉、いまだにカーナビ無しでは到達できていません。

この時も日帰り入浴の営業時間終了1時間前に伺ったのですが、駐車場には私のような他県ナンバーを含めて多くの車がとまっており、この温泉の人気の程がうかがえました。純然たる和風建築の本棟の他、山門やお地蔵さんなど敷地内にはお寺を思わせるものが配置されており、しかも広大な敷地内の森を散策するにあたって必要な料金を入山料と称していますので、余計にお寺っぽい感じがします。源泉を掘削する際に山中から泥に埋もれた観音様の仏像が発掘され、その後良質のお湯が温泉井戸から湧きだしたそうですから、貝の沢温泉としては観音様に感謝すべく、全体をお寺チックにしているのかもしれませんね。



玄関前の大きなつくばいでは、中央から温泉の熱いお湯がアブラ臭を放ちつつ音を立てながら勢い良く噴き上がっており、これから入浴しようとする利用客に期待を抱かせてくれますが、これって実はお湯の出の開閉が可能でして、閉館時間に近づくとお湯は止まってしまうんですね。



古い湯治宿のような佇まいの帳場で入浴料金を支払って館内へと入ります。長い廊下の左側には食堂があり、その脇を真っ直ぐ奥へ進んでゆきます。今回訪問時は既に食堂の営業時間外でしたが、こちらは食堂も結構人気があるんですよね。廊下にはソファーがたくさん置かれており、湯上がりのお客さんがこちらに腰を掛けてゆっくりと寛いでいらっしゃいました。


 
彫刻や掛け軸などが飾られている板の間が浴室入口で、女湯は左側、男湯は右側。額に納められた書の類もあったりして、やっぱりどこかしらお寺っぽいんだよなぁ。



ウッディーな脱衣室は実用本位のごく一般的な造りで、そこそこの広さも確保されていますから、多少混雑していてもストレスなく利用できるかと思います。室内の壁には掛け流しをアピールする貼り紙が掲示されていました。


 
お風呂は内湯のみで、室内に入った途端、アブラ臭と臭素臭を足して2で割ったような、独特の刺激臭が鼻孔を突いてきました。節電のためか一部の照明が消されて薄暗くなっているのですが、これが却って落ち着く雰囲気を作り上げていました。大きなガラス窓に面して湯船が据えられており、大きな窓や高い天井のおかげで室内ながらもしっかりとした開放感が得られます。一方、床には緑色凝灰岩と小さなタイルを組み合わせたものが敷き詰められています。
壁に沿ってL字型に配置された洗い場にはシャワー付き混合水栓が計10基設置されており、そのシャワーと並んで上がり湯槽も設置されています。この上がり湯槽には温泉が注がれているのですが、さっぱりとした湯上がりを実現させるべきか、このお湯には加水されているようでして、かなりぬるめとなっており、味や匂いも後述する湯船の湯口よりもマイルドになっていました。


 
浴槽は15人以上同時に入れそうな余裕のあるキャパシティで、紅色の御影石的な石材で縁取られており、槽内には水色系のタイルが貼られています。湯船の一部ではジャクジーが稼働していて少々騒々しいのですが、これを好んで湯浴みするお客さんもたくさんいらっしゃいますので、数回しか利用していない私如きは文句を言えた義理ではありませんね。
浴槽にお湯を注ぐ湯口の箱の中を覗いてみますと、吐出口には固形物を濾し取るための布が巻かれており、そこから直に触れそうにないほど熱いお湯がトポトポと流れ出ていました。浴槽の大きさの割には投入量が少ないように感じられるのですが、これはおそらく加水無しで湯加減を調整すべく、投入量を絞っているものと思われ、実際の湯船は実に入りやすい41℃前後となっていました。

この湯口のお湯をちょっと口にしてみたところ、塩辛くはないものの明瞭な塩味を有しており、出汁味や重曹的なほろ苦みも含まれていました。また上述のようにお湯からはアブラ臭と臭素臭を足して2で割ったような独特の刺激臭が放たれています。分析表を見ますとチオ硫酸イオンが1.8mgですので、あともうちょっとで硫黄泉を名乗れそうな感じです。食塩泉であるとともに、泉質名には含まれていないものの結構な量の炭酸水素イオンが含まれているため、入浴中はツルツル感が楽しめ、湯上がり後はお肌のスベスベ感が良好です。食塩泉なので汗が引きにくいかと思いきや、実際にあたたまりが強いものの、意外と汗の引きも良く、寧ろ清涼感すら兼ね備えているようでした。消毒に関する県の指導が厳しい秋田県ですから塩素消毒が実施されているのは致し方ないところですが、独特の刺激臭に紛れてしまうためか消毒に関しては全く気にならず、それ以外の加温加水循環は行われていない、れっきとした放流式の湯使いであります。

敢えて失礼な表現をすれば、この貝の沢温泉はとても辺鄙でわかりにくい山中に位置しているのですが、そんな場所でも多くのお客さんがやってくるのですから、いかに良いお湯であるかは自明であります。今後も機会があれば利用させていただきます。


2号泉
ナトリウム-塩化物温泉 56.7℃ pH7.9 溶存物質8590.0mg/kg 成分総計8590.0mg/kg
Na+:3106mg,
Cl-:4281mg, S2O3--:1.8mg, HCO3-:947mg,
H2SiO3:69.9mg, HBO2:56.4mg,
加水加温循環なし
衛生管理のため塩素系薬剤を使用

秋田駅より秋田中央交通(バス)の太平線で「貝の沢口」バス停下車、徒歩18分(1.4km)
秋田県秋田市太平山谷長坂66-96  地図
018-838-3838
ホームページ

日帰り入浴8:00~20:00
420円
シャンプー類・ドライヤーあり、ロッカーの存在は確認し忘れ

私の好み:★★★
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湯の神温泉 神湯館

2013年10月14日 | 秋田県
 
日本の地名は大抵の場合、その場所の地理的な特徴を言い表しているものですが、寓話的な語句や神仏を示すフレーズが含まれるケースもあり、地名を通じてその土地の歴史や風土が窺い知れるとともに、その地域に対してお伽話的な情景を想像し、どんな場所なのか知りたくなる好奇心を奮い立ててくれます。お湯の神様と書く秋田県南外村(現大仙市)の湯の神温泉は、さぞかし神々しい温泉が湧出する土地であるかのようなイマジネーションをかきたててくれる名前であり、かつては2~3軒の温泉旅館が営業していましたが、震災後に起きた湧出量や湯温の低下によって2011年に「恵泉荘」が閉館してしまい、現在営業を続けているのは「神湯館」の1軒のみです。今回はそんな「神湯館」で日帰り入浴して参りました。個人的には2009年にも訪れていますので、4年ぶりの再訪となりますが、以前と全く変わっていない佇まいにホッと一安心しました。


 
スリッパが整然と並べられた玄関からは旅館としての矜持が伝わってきますね。でもこちらを訪れるお客さんの多くは私のように入浴利用を目的としているようでして、上がり框の左手にはセルフでお金を投入する料金箱が置かれていました。こんなスタイルですので、利用の際はお釣りが無いよう予め小銭を用意しておきましょう。この料金箱もユニークでして、語弊を承知で表現すれば、小学生の夏休みの自由工作レベルと申しましょうか、教育テレビ「できるかな」でノッポさんがその場で適当に作ったほうが遥かに上手く完成しそうな感じの、ある意味で味わい深い出来上がりとなっていました。なおこの日はタイミングよく女将さんが出てきてくださったので、女将さんの丁寧な案内に導かれて、正面突き当り右手の浴室へと向かいました。


 
脱衣室にはプラ籠が置かれている棚があるばかりで至ってシンプルですが、集落の掲示板のような感じで壁にはたくさんの貼り紙が掲示されており、料金のことやら入浴時間やら湯の華のことやら、いろんなことが説明されていました。


 
水色のタイルが目に鮮やかな浴室も、実にシンプルな造りで実用本位そのもの。室内には浴槽が一つ、そしてその右手前に洗い場があり、水と湯の蛇口のペアが2組取り付けられています。なお洗い場のお湯はおそらく沸かし湯かと思われます。4年前に初めて利用した時には、洗い場に積まれていたたくさんのレモン石鹸に驚いたのですが、この日の洗い場にもレモン石鹸が用意されていました。ガキの頃はレモン石鹸をよく使ったけど、今は滅多にお目にかかれなくなってしまったなぁ…。



窓の外には、長閑でも雄大でもない、思い出そうとしても記憶に残りそうもない、神様なんていそうもない、端的に言えばつまらないジメっと湿った感じの、漠然とした田舎の景色が広がっています。


 
浴槽は白いタイル貼りで、ステップだけは御影石のプレートが用いられており、容量としては3~4人サイズといったところでしょうか。お湯を供給する塩ビのパイプは浴槽の縁で一旦立ち上がってから槽内の底まで潜っており、その湯口には布が巻かれていて、間欠的にプクプクと泡を上げながら熱めのお湯が吐出されています。

湯船のお湯は白く靄がかかっているように弱く濁っていますが、これはそもそも濁る特徴を有するお湯なのか、あるいはお湯が鈍って濁ってしまっているのか、そのあたりはよくわかりません(なお前回訪問時も同様に弱く濁っていました)。弱い塩味と石膏味、そして微かな芒硝味が感じられますが、匂いはあまり漂っていなかったように記憶しています。一応掛け流しの湯使いのはずですが、先客が大量に湯船のお湯を汲んでしまったらしく、この時の湯船は嵩がちょっと下がっていて、オーバーフローは見られませんでした。

一見すると弱い懸濁と塩味以外には特徴が少なそうなお湯ですが、分析表の数値を全面的に信用するならば、2つのかなり特異なデータが見られるのです。まずひとつはバリウムイオンが多いこと。分析表によれば444.9mgも含まれています。私は不勉強ゆえ日本で最も同イオンが多い温泉を存じ上げておりませんが、拙ブログで掲載している温泉のうち最も多い長野県白馬の「倉下の湯」は175.7mgですから、その2.5倍も含有していることになります。2つ目はストロンチウムイオンも多いことで、こちらは48.0mgと分析表に記載されています。こちらも日本屈指の多さであり、少なくとも東北ではトップクラスではないかと推測されます。
でもこれらのイオンが多いからといって、どんな特徴がお湯に現れるのか分からないのが、おバカな私の悲しいところ。もしかしたら湯の神温泉の神様とは、その稀有な両イオンのことを指しているのかもしれませんが、鈍感かつ無神論者である私は、その神の存在に全く気づくことがなく、両イオンの恩恵を全く感じ取れないまま、なぜレモン石鹸が多いのかということばかりを気にしながら、お風呂から上がってしまいました。


湯神台温泉
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉 44.4℃ pH8.4 湧出量記載なし(動力揚湯) 溶存物質5.07g/kg 成分総計5.07g/kg
Na+:1091mg(61.16mval%), Ca++:447.8mg(28.80mval%), Sr++:48.0mg(1.42mval%), Ba++:444.9mg(8.35mval%),
Cl-:1953mg(72.16mval%), SO4--:986.4mg(26.91mval%),
H2SiO3:56.6mg, HBO2:14.6mg,
 
秋田県大仙市南外湯神台72-3  地図
0187-74-2468

平日14:00~(土日祝9:00~)20:00 無休
150円
石鹸のみ備え付け有り、タイルなど販売あり

私の好み:★★
コメント (4)
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下の岱温泉 やまの湯っこ 2013年8月再訪

2013年10月13日 | 秋田県
 
東北どころか日本屈指のヌルヌル湯と言っても過言ではない、秋田県下の岱温泉の「やまの湯っこ」へ先日再訪してまいりました。なお拙ブログでは以前にもこちらの温泉を取り上げておりま(その時の記事はこちらをご覧ください)。


 
裏手の山では白い蒸気が立ち上っています。地熱資源が豊富なこの一帯には、東北電力の上の岱地熱発電所や泥湯温泉・川原毛大湯滝など、地熱の恵みを象徴するような名所や施設が点在しております。



駐車場にはデカい仏像が屹立していました。以前訪問した時にはこんな仏様あったかな?


 
この宿でもロビーでおばちゃん向けの衣類が販売されており、その傍らで熊の剥製がこちらに睨みをきかせていました。何ともシュールな取り合わせだこと。女将さんに料金を支払ってから浴室へ。



浴室は以前のまんまで何らの変化も無く安心しましたが、お盆休みだというのに他にお客さんの姿が見られず、お風呂を独占できて嬉しい反面、書き入れ時なのにお客さんがいなくて宿の経営は大丈夫なんだろうかという余計な心配も抱いてしまいました。



浴室の床には太い木をスライスしたようなものが敷き詰められており、年輪の皺がすべり止めとして機能していました。室内の様子は以前と変化がないと上述しましたが、くまなく見回しますとメンテナンスがやや疎かな感が否めず、経年劣化するに任せているような雰囲気で、洗い場に並ぶ水栓も錆びていて吐出圧力が弱く、お湯がなかなか出てきませんでした。


 
さすがにお湯を供給する耐熱ホースは以前とは別のものに交換されていましたが、そこから出てくるお湯は相変わらず激熱でして、温度計を突っ込んだら72.3℃という火傷必至な数値が計測されました。


 
湯船は大小に2分割されており、両方に対してアツアツのお湯が注がれているのですが、大きな方の湯船では表面積の広さゆえに自然冷却されるのか、加水せずに入浴できる44.7℃という湯加減でした。いや、熱いお湯に慣れていない一般の方でしたら、この温度でもとても熱くて入れないかもしれませんが、湯船の容量が大きいため、水道のホースを突っ込んで懸命に加水してもなかなか温度が下がりません。


 
一方、小さな方の湯船は45.3℃であり、こちらも熱いお湯に慣れていれば歯を食いしばって入ることができますが、一般の方にはおすすめできない温度ですね。大小双方の湯船にお湯を注ぐホースは同じ配管から分配されているので、温度の違いは湯船の表面積の違いによるものかと思われます。

お湯はごく僅かに白く濁って見え、底には膜が千切れたような薄い灰白色で少々茶色掛かっている湯の華が沈殿しており、私が湯船に入るとその沈殿は一気に舞い上がりますが、湯の華自体が重いのか、浮遊し続けることはなく、やがて再び沈殿してしまいます。またお湯からは茹で卵の卵黄的な味や匂いが感じられます。このお湯で特筆すべきはウナギ湯と称したくなるほどの強いヌルヌル感であり、その強さは宮城県の中山平温泉にも匹敵し、湯中で肌を擦るとそのヌルヌル感がはっきりと伝わります。
アルカリ性・タマゴ感・ヌルヌル感という3要素を兼ね備えた温泉といえば、アイスランドの市街に供給されている温泉を思い出します。その温泉の多くは蒸気造成泉であり、当地の温泉も同様ですから、特徴のみならずお湯の成り立ちまでもソックリなんですね。
熱くて長湯できないお湯ですが、ヌルヌル浴感が病み付きになってしまい、途中で何度も水を浴びてクールダウンしながら、独特の感触を楽しみました。熱いお湯ですが湯上がりは余計な熱が篭ることはなく、程よく粗熱が抜けてくれますし、高アルカリ性ゆえに皮脂をしっかり落としてくれますから、美人の湯のようなさっぱり爽快感もちゃんと得られます。個人的にはかなり好みなタイプの温泉です。


アルカリ性単純泉
(温泉分析表の掲示なし)

秋田県湯沢市高松下ノ岱48  地図
0183-79-3245

日帰り入浴9:00~16:00
300円
シャンプーあり(ドライヤー・ロッカーは無し)

私の好み:★★★
コメント (15)
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小安峡温泉 民宿秋仙

2013年10月12日 | 秋田県
 
秋田県の小安峡温泉郷は、当地の観光目玉である大噴湯の周辺に宿泊施設などが集まっている他、国道を栗駒山へ向かってゆくと沿道に民宿が立ち並ぶ一角がありまして、大半の民宿では日帰り入浴を受け入れているのですが、今回はその中の1軒である「民宿秋仙」で日帰り入浴利用してまいりました。比較的新しい建物でして、玄関にはバリアフリー対策としてスロープが設けられており、また館内はどこもかしこもピカピカです。入浴をお願いしますと、内湯と露天の両方利用して良いとのことでしたので、お言葉に甘えて両方入ることにしました。


●内湯
 
内湯は民宿らしいこぢんまりとした造りですが、お手入れがよく行き届いており、とても綺麗で気持よく使えました。室内壁面には木目調の防水建材が用いられており、浴槽や床などは鉄平石敷きです。窓の下には丸いルーバーが2つ嵌めこまれており、窓を締めても換気できるよう配慮されています。また洗い場にはシャワー付き混合水栓が2基取り付けられています。



 
3~4人は入れそうな容量の浴槽にも床などと同じく鉄平石が使われており、そこには無色透明のお湯が張られ、切り欠けから絶え間なく排湯されています。脱衣室にはお湯が熱いのでかき混ぜてほしいという旨の張り紙が掲示されており、室内には攪拌棒が用意されていますので、しっかりとかき混ぜてから入浴させてもらいました。なるほど案内されているように実際の湯船も上の方が熱く、はじめはその熱さに腰が引けてしまったのですが、十分にかき混ぜれば加水することなく湯船に浸かることができました。


 
薄っすらと白い析出が付着してる湯口からは激熱のお湯がチョロチョロと出ていますが、その右の方には水のハンドルがあって、それを開閉することにより、湯口の箱内で加水することができます。といっても加水を極力減らすためか源泉投入量は絞られており、また、熱いお湯を壁に滴らせて直下の木箱へ注ぎ込み、その箱内である程度冷まし、温度が下がって重くなったお湯が箱の下から浴槽へと出てゆく仕組みが採用されていました。加水を極力避けようとする努力には頭が下がります。
お湯は無色透明で薄く細かい茶色の湯の華がたくさん浮遊しており、匂いは特にありませんが、微塩味と弱芒硝味が含まれているように感じられました。


●露天風呂
 
国道を挟んだ反対側には露天風呂がありますので、内湯から一旦着替えてから、この露天へと向かいます。


 
露天風呂はひとつしか無く、男女に分かれていないため、原則的に貸切利用となっているようです。入口の扉の脇にはこのような札がかかっており、私の利用時も札を裏返して「入浴中」にしておきました。脱衣小屋内の更衣スペースは一応二手にわかれていますが、露天風呂自体は一つしかないので混浴となります。


 
露天風呂は岩風呂で、全体的に屋根掛けされており、お風呂からは皆瀬川の渓谷越しに広がる、深い緑に覆われた山の稜線が望めます。洗い場は無いので、桶で湯船のお湯を汲んでかけ湯することになります。



左右両サイドにはこんな腰掛けが。


 

いつものように今回も私一人で利用させていただきましたが、一人で入るのは勿体無いほど大きな浴槽でして、内湯よりもゆとりのある4~5人サイズに、内湯と同じ無色透明のお湯が湛えられていました。槽内は鉄平石敷きで、湯口には薄っすらと白い析出がこびりついています。もちろん露天風呂も掛け流しの湯使いです。この露天で面白いのは、湯船の左側が深くなって立湯ができるようになっており、身長165cmの私が立つと胸まで浸かる深さがあります。
良い意味で民宿らしくない立派な露天風呂に浸かり、立湯したり座湯したりしながら、目の前に広がる大自然の開放的な景色を眺めていると、実に壮大な気分になれました。


※余談ですが、この近所にあった日帰り入浴施設「小安湯番所」は、2013年9月現在、地熱発電開発事業の詰所となっているために休業中です。


小安新3号・4号混合泉
ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 85.9℃ pH不明 溶存物質1033mg/kg 成分総計1034mg/kg
Na+:223.3mg,
Cl-:258.3mg, SO4--:152.2mg, HS-:<0.1mg, S2O3--:0.4mg,
H2SiO3:321.4mg,
加水加温循環消毒なし

秋田県湯沢市皆瀬字小湯ノ上20-5  <a href="http://www.mapion.co.jp/m/39.00007562_140.67145776_7/">地図
0183-47-5800
ホームページ

日帰り入浴時間要確認
500円
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5
コメント (5)
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