1974年頃から1995年頃までに書かれたものを2008年に辺境社でまとめられて刊行。さらにそれを再編集して中公文庫から今年出版されたもの。
今年のNHK大河ドラマは会津が舞台になっていたので、それに関連して出版されたものか。
内容につては、長くなるので書かない。
ただ、読了して改めて感じたことは、江戸期から明治の知識人の漢文学に対する造詣はすごいものだ、ということ。
今では、知識人の国際的教養・知識の基礎としては英語が必須だ。が、それでも英語で詩を書き、それが英米人から見ても素晴らしいと感心されるなどということはついぞ聞いたことがない。
戦後、文化の価値観が大きく転換し、それまでの知識が貶められるということが起こってしまった。
すべての伝統が古臭くて時代遅れというわけではない。
苦しいときには先人たちの歩んだ道を見つめ直してみるのも悪くはないだろう。この本を読んで、そう思った。