文化逍遥。

良質な文化の紹介。

わたしのレコード棚―Peter Ratzenbeck

2019年11月01日 | わたしのレコード棚
 ドイツ系のミュージシャンでPeter Ratzenbeckという人のCDを持っていて、けっこう好きで愛聴している。名前は、ペーター・ラッツェンベックと読めば良いのだろうか。生まれは1955年10月、というからわたしとほぼ同年代。また、オーストリアの Graz(グラーツ)という所の生まれらしい。
 ギター・ソロ中心のアルバムだが、ギターの演奏技術だけでなくヴォーカルもなかなか味があり、歌心を感じる。優れたギターリストは多いのだが、技術と歌心を併せ持った人は非常に少ない。

閑話休題―個人的には、技術だけを振り回す芸人が一番嫌いだ。そういう人を聴くなら、下手でも素人の心をがこもった芸を聴いている方がずっと良い。まあ、たとえてみれば、民謡などはプロの歌よりも、田舎のおじいさんやおばあさんの歌う伝統的な歌のほうが深みがあるのと同じようなもんだろう。わたしの亡くなった母は知識や教養などは無い人だったが、房総南部に伝わる子守歌や昔話を聞かせてくれた。その記憶は、表現に関わる者としては、学校で習ったことよりもはるかに貴重で、他の何にも代え難い宝物に今はなっている。



 2000年にドイツのSTOCKFISCH RECORDSというレーベルから出たCD『Preter's Fancy』。全15曲で、内ヴォーカル入りは4曲。その中でも、J.J.ウォーカーの名曲『ミスター・ボージャングル』のドイツ語バージョンが入っているのが面白い。共演しているのは、ギターとドブロでCris Jones、ベースにRalf GauckおよびHans Joerg Maucksch。
 解説には、使われてているギターの種類やチューニングまで書かれている。それを見ると、ノーマル・チューニングは無く、DADGADなど全体に低く落としたチューニングが多い。弦のテンションが緩くなり、弾きやすくなるのが、そのような調弦方法を採る一因になっているようだ。

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