文化逍遥。

良質な文化の紹介。

佐原

2021年11月07日 | 旅行記
 11/2(火)、友人夫妻の車に便乗して、佐原まで行ってきた。
 千葉の佐原は水郷の町で、古い町並みが保存され、江戸末期に正確な日本地図を制作した伊能忠敬の生活した所でもある。今は、かなり観光地として有名で、土産物店も多く、観光案内板なども整備され、訪れる人も多い。


利根川支流の小野川にかかる「樋橋」。わたしは「かけひばし」と読むのかと思っていたが、「といはし」だそうだ。また橋の中央から水が流れ落ちる橋で、その水音から地元では「ジャージャー橋」とも呼ばれ、環境省の「残したい日本の音風景100選」にも選ばれているという。テレビなどでも取り上げられることが多い。この橋を渡った所に、伊能忠敬記念館がある。


地元のボランティアの方の話によると、本来この橋は標高差を利用して下流域に水を流すための農業用水路の一部で、水量を調節するために川に水を排出する目的で作られたという。写真の左奥が上流域で、右手前側が下流域になる。今は用水路としての役割を終え、観光客のために午前9時から午後5時まで、1時間に2回ポンプで川の水を汲み上げて定時に水が落とされている。


昔の人の知恵と労力、そして根気の良さに、敬服するしかない。


小野川沿いの景観。写真の奥が下流方向で、利根川に合流する。

 下は、伊能忠敬記念館のパンフレット。



 この記念館所蔵の「伊能忠敬関係資料」2345点は国宝に指定されていて、この日もその一部や他の史料を見ることが出来た。それらの保存状態は素晴らしく、虫食いや破損などほとんど無かった。今はリタイヤしたが、わたしは長年にわたり古文書などを(マイクロ)写真に撮影する仕事を続け、かなりの量の古文書を見てきたつもりだ。その中には重要文化財などもあったが、それらに比しても保存状態は良好、と言えた。あるいは、状態の良いものを選んで展示しているのかもしてないが、地元の人たちがいかに伊藤忠敬に親しみ敬愛してきたか、古文書を通じても伝わってくるような気がした。

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