文化逍遥。

良質な文化の紹介。

2017年スペイン・アルゼンチン映画『家へ帰ろう』

2018年12月26日 | 映画
 12/24(月)、千葉劇場にて。英題は『The Last Suit』で、直訳すれば「最後の背広」。
 監督は、パブロ・ソラルス。主人公アブラハムにミゲル・アンヘル・ソラ。音楽は、フェデリコ・フシド。この作品は、音楽も優れていた。また、千葉劇場の音質の良さを改めて認識した。映画館はスクリーンの後ろにメインとなるスピーカーが隠れているので、通常は見ることが出来ない。なので、推測するしかないが、かなり質の高いものが使われているようだ。小さな映画館だが、上質の音響設備を使うことで、小さいが故の音質の良さを味わえる利点もある。地元にこのような映画館があって、あらためて良かった、と思った。





 筋は単純。1917年ポーランド生まれのユダヤ人の仕立屋アブラハムは、第二次大戦中ドイツ軍からの迫害に会い、戦後は叔母の住むアルゼンチンに移住している。長年、つらい想い出がある生まれ故郷に帰ることは出来なかったが、死を間近に感じる歳になり、戦争中助けてくれた友人に会うためにポーランドに行くことを決心する。そんな旅の中で、様々な人々に出会い、頑なな心も少しずつほぐれてゆくのだった。
 俳優達の細やかな表情が印象に残る佳作。ヨーロッパの映画を観るといつも感じることだが、向こうの俳優さん達は全体にレベルが高い。なにか、与えられた役に対する姿勢が根本的に違うように感じられる。この作品では、ドイツを通過中に出会ったドイツ人女性を演じた俳優さんやワルシャワの病院の看護師を演じた女優さんが印象に残った。

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