金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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大河ドラマ「草燃える」 総集編 第五回

2022-01-29 13:19:20 | 大河ドラマ「草燃える」総集編レビュー
第五回「尼将軍・政子」

【あらすじ】

二代執権・北条義時は、一門の権力を盤石にするため、
重臣・和田義盛の追い落としを図ります。
さらに、三代将軍・源実朝(さねとも)が
頼家の子・公暁(くぎょう)に暗殺されます。
鎌倉の混乱を察知した後鳥羽上皇は、承久3年(1221)、
北条追討の院宣(いんぜん)を発します。
対する政子は鎌倉の御家人を集め、涙ながらに団結を訴えました。
政子の演説に奮い立った御家人たちは朝廷軍に圧勝し、
ここに執権政治が確立します。

**************************

続・内ゲバ編。

畠山重忠:だまし討ちされる
北条時政:娘と息子に追放される
和田義盛:蜂起して滅亡
源実朝:甥の公暁に殺される
公暁:三浦に裏切られて殺される

キャラ立ちしておらず、好きも嫌いもなかった義時だが、
感じ悪ーい!!
権力を握っておかしくなっていること、
十郎に指摘されて、彼の目を潰してしまう。
総集編だから、この後の事情はよくわからないのだが、
琵琶法師になって現れた十郎に、
「わしだ、義時だ!」
と懐かしげに(?)言うとこ、
「頭おかしいんじゃないの??」って思った。
両目潰しておいて、良心の呵責がないのか。
恨まれているとも思わないのか。
気持ち悪かった……。

公暁、悲しいね。
自分がいるのに、
「将軍の跡継ぎがいないから、京から将軍を迎えます。
 お前は出家しろ」
って北条が言うの、完全に自分たちの都合だもん。
原作は永井先生なので、実朝暗殺の黒幕はやはり三浦。
公暁をそそのかして実朝を殺させ、
同時に義時も殺させようとするも、
義時の殺害がかなわなかったので急遽、
公暁を口封じのために殺してしまうことに。
このときの駒若の苦しみが、
『執念の家譜』につながっていくのね。
承久の乱の際、真っ先に義村が政子に賛同して声を上げるの、
「お前、よくものうのうと……」
という感じがある。

承久の乱には勝利したものの、
「私にはもう誰もいない」
と泣く政子。
無常をうたう平家物語の語りともあいまって
バッドエンドの雰囲気。
しかし義時は、平家の運命を自分に重ね合わせはしない。

最後まで大部分の人の顔が覚えられなかった……。
時房も、ちょこちょこ出てきていたんだと思うけど、
「この場面でこのポジションってことは、これは時房?」
くらいの認識。

【その他いろいろ】

・和田義盛が端正すぎる。

・小夜菊、何のために出てきたの??
 (後で調べたら、どうやら亀菊ポジションのキャラだったらしい)

・「父上、名越の邸なんかに何しに行ったの??」
 と全然気づいてない泰時、可愛い。
 (義時、妻に酷似した女に即刻手をつけていた)

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大河ドラマ「草燃える」 総集編 第四回

2022-01-23 16:49:13 | 大河ドラマ「草燃える」総集編レビュー
第四回「頼家無惨」

【あらすじ】

源頼朝の突然の死で、長男・頼家が二代将軍に就きます。
しかし、独善的な頼家は幕府を混乱させたため、
政子が頼朝の意思を継ぎ、政務に関わる決意をしますが、
頼家の妻の父・比企能員(ひきよしかず)らが
権力の掌握を企てます。
これを見た政子の父・北条時政らは能員を殺害し、
頼家を伊豆・修善寺へ追放。
弟・実朝(さねとも)を三代将軍にした政子の父・北条時政が
初代執権となり、北条氏が鎌倉の実権を手に入れました。

**************************

内ゲバの始まり……

梶原景時の追放&殺害、比企の乱(族滅)、仁田忠常死亡、
頼家下ろし。

源平合戦も奥州合戦も、鎌倉内部での争いも、
結局のところ覇権争いである点は同じ。
なのに、大規模で人がたくさん死んでいる源平合戦&奥州合戦より、
内ゲバの方が陰惨に思えるのは、
仲間同士・親戚同士が殺し合ったからなのかな。

わたしは義経から歴史に入ったので、
梶原景時のことは大嫌いだったけど、
義経サイドから見なければ、ただ、
「生真面目で職務を全うするが、
 融通が利かず反感を買ったおっさん」
なんだよな……。
『炎環』の「黒雪賦」、切ない。

今回は、比企の乱がいちばんつらかった。
幼少期から献身的に頼朝を支え続けてきた一族が、
後から出てきた嫁の一族に消されちゃうんだもん。
能員が、嘘を信じてやってきて殺されてしまったシーン、
悲しい。

頼家の言ってることは、それなりに筋が通っている。
いろいろひどいエピソードもあるが、
出典が「吾妻鏡」だからな……と思ってしまう。
頼朝の後継ぎとして育てられたわけだから、
それなりの能力もあったのではないかと思うのだが。

総集編で切り貼りされているから余計にそう思うのかもしれないが、
今回の政子は、ひたすらわめいたり嘆いたり。
「私のところしかいられないんだからね!」
って比企を失った頼家に言うの、毒親ムーブじゃん。

【その他いろいろ】

・全成、本当に呪詛していたことになっている

・やたらと出てくる「グルになる」という表現。
 「サボタージュ」から「サボる」が出来たのと同様、
 「グループ」から「グルになる」ができたのかと思いきや、
 これは外来語ではなく日本語だったらしい。

・このドラマで頼家を殺したのは、北条の意を受けた三浦。
 三浦胤義は頼家の側近だったということになっている。

・義時、たいしてキャラ立ちしてないもんだから、
 急に冷酷な策謀家になって「力は正義だ」とか言い出すのに
 違和感……
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大河ドラマ「草燃える」 総集編 第三回

2022-01-22 09:55:53 | 大河ドラマ「草燃える」総集編レビュー
第三回「征夷大将軍」

【あらすじ】

平家討伐後、頼朝と義経の溝はさらに深まり、
義経は頼朝に追われます。
義経の子を宿した白拍子の静(しずか)は頼朝に捕えられ、
生まれた男子は殺されます。
文治5年(1189)、義経は奥州・衣川で自害しました。
建久3年(1192)、頼朝は征夷大将軍に任命され、
鎌倉幕府を開きます。
政子は次男・実朝(さねとも)を産み、頼朝は栄華を極めます。
7年後、幕府の地固めを進める中、
頼朝は落馬して命を落としてしまいます。

**************************

勝手に任官した御家人にブチ切れる頼朝。
全成が、

「本当は怒っていないよね?
 九郎に悪気がないとわかってるでしょ。
 手柄を誇示するのも、兄上に褒めてもらいたいだけ。
 どうしてあいつの無知を哀れんでやらないのです」

って言うの、なんかキュンときちゃった。
義経のこと救いがたいアホ、害のある人間だと思ってるが、
同母弟なのでそれなりに庇いたい気持ちもある。

鎌倉に入る前に追い返された義経。

使いの者「胸に手をあてて考え得てみられよ!」

いや、胸に手をあてただけで気づくようなら、
こんな事態にならんやろ……

案の定、

義経「わからない」「どういうことなんだ!」

だよね~~!!

奥州までやってきた頼朝が衣川館で義経を思って泣くの、
「人前で……?」という違和感。

第三回は頼朝の死去で終了。
大江広元の出番が多いのと、
源通親にもちゃんとスポットライトをあててくれているのが
うれしい。
ここまでの義時は、いてもいなくても大差ない脇役。


【その他いろいろ】

・アグレッシブ大江広元・三善康信
 「大軍を差し向けて朝廷をびびらせるべし!」
 承久の乱のときのエピソードを踏まえての前振りね。
 
・あれ、義経、最期のシーンで「忠信」って言った!?
 生き延びて奥州まで一緒に来られた設定?

・出てくる赤ちゃん、みんな可愛いな!

・姫の前は、このドラマでは「野萩」という名。
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大河ドラマ「草燃える」 総集編 第二回

2022-01-21 10:03:00 | 大河ドラマ「草燃える」総集編レビュー
第二回「平家滅亡」

【あらすじ】

鎌倉を本拠地に定めた頼朝は、富士川で平家に勝った後、
弟・義経と初めて対面します。
頼朝は義経に平家追討を命じ、義経は西走する平家を、
一の谷や屋島で打ち破り、壇ノ浦で滅亡させます。
しかし、「義経は軍功を独り占めにしている」という書状が
頼朝に届き、頼朝は義経に不信の念を抱きます。
さらに、義経は頼朝の承諾なしに朝廷から任官を受けたため、
2人の溝が決定的になります。
一方、政子は嫡男・頼家を出産します。

**************************

控えめに言っても、頼朝最悪では??

愛する茜のため、彼女の父・大庭景親を助けようとする義時。
茜と会って助命を懇願された頼朝は、
茜に対して甘いことを言うが、彼女が退出した直後、豹変。

頼朝「やっぱダメだよ、殺さなきゃ」
義時「ええっ!? じゃあ、なんであんなこと言ったんですか!?」
頼朝「だって、あんなに美人だとは思わなくて……
   つい言っちゃった。ほんとのこと言えないでしょ」
義時「困りますよ!!」
頼朝「お前から言っといて!」

最悪じゃん!!

しかもしかも!
大庭景親を処刑し、その首をさらしたあと、
(&亀の前事件のあと!)茜に夜這いをかけて
関係を持ってしまうのであった。

ここ、総集編なのでくわしいことがよくわからなくて、
茜が正式に義時の妻になっていたのか、
頼朝が二人の関係をこの時点で知っていたのかも不明なんだけど、
行方をくらませた茜のことを義時が報告しているとき、
頼朝はこう言うのである。

「仲いい主従は秘密を共有するもの。
 このことは二人だけの秘密にしておこうよ!」

サイコパスか??
この時点で義時が頼朝が夜這いかけたことを知っていたのかも
わからないんだけど、知ってても知らなくても、
どちらの場合でも頼朝は人として異常でしょ。

義高と大姫については、もう昔から、何度も何度も
取り上げられていたから食傷気味で、
これに関する創作物は避けていたんだけども、
やっぱり泣いちゃうね。
しかし、これに関して、今の私は、「頼朝ひどい!」とは
思わないんだな。
小学生のころは「ひどい!」と思っていたが、
やはり生かしておいたら報復されるか
敵対勢力に担がれるかしただろうし、妥当な対処だよ。

【その他いろいろ】

・壇ノ浦の合戦中に、茜に「誰の子だ?」と問う義時。
 そんな昼ドラみたいな話するシチュエーションじゃないだろ!

・茜が我が子を政子のところに届けた時点で、
 茜自身は義時の子ではなく頼朝の子だと思ってたのでは?

・義経が御家人たちの中で空気読めず、浮いてるのがつらい!

・畠山重忠がイケメンじゃない。

・大姫役の子、丸々としているせいで
 悲劇性がだいぶん削がれている。

・全成と義経の語らい、これは「悪禅師」(『炎環』所収)
 そのままだった。
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大河ドラマ「草燃える」 総集編 第一回

2022-01-20 23:00:51 | 大河ドラマ「草燃える」総集編レビュー
第一回「頼朝起つ」

【あらすじ】

平家が権勢を誇る平安時代後期、
伊豆の豪族・北条時政の嫡男・宗時は
平家の横暴ぶりに従いながらも、
東国武士による武家政権樹立のため、
伊豆に流されていた源氏の嫡流・源頼朝の擁立に動きます。
宗時は源氏との縁を築くため頼朝と妹・政子を結婚させます。
平穏な日々を送っていた頼朝は、治承4年(1180)、
後白河法皇の皇子・以仁王(もちひとおう)の
令旨(りょうじ)を得て、ついに平家に対し挙兵します。

*************************

NHKオンデマンドにて。
原作は永井路子の『北条政子』『炎環』『つわものの賦』他。

ストーリーは1177年の鹿ヶ谷の陰謀の後からスタート。

石坂浩二も武田鉄矢も松平健も若い!!

……のだが、そうやって知っている俳優さんがいるのに、
若すぎて自分の知っている顔と全然一致しない。
(武田鉄矢だけは、じーっと見てると武田鉄矢だとわかる)
なぜかみんな顔が似かよってるの。
これはなんだ、
「おばちゃん、若い子アイドルの区別が付かないのよ~」状態??
辛うじてわかるのは、ぽっちゃり体型とくるんとした眉毛&ひげで
外見上のキャラ立ちしている時政だけだよ!
岩下志麻演じる政子ですら、それぞれ単独で出てくると
妹や茜と区別がつかない。

オリキャラの伊東十郎、
なぜあんなひどい目にあわされなきゃいけないの??
総集編だけでは事情がさっぱりわからないんだけど、
恋心を利用されたあげく、僧兵たちに袋だたきにされて。
そりゃ恨むよ……。

【その他いろいろ】

・ここでもシスコン認定されている義時。

・忍んできた政子を頼朝が抱き上げるシーンに笑っちゃう。
 政子、なに足ジタバタさせてるの?
 ロックオンしてたくせに。

・頼政、「源氏一門の生き残り」って紹介されてるけど、
 義朝ー頼朝ラインとは別系統だから違和感……。

・宗時、「鎌倉殿の13人」ほどポンコツじゃないけど、
 「だいたいこいつのせい」なのは同じ。

・義時「佐殿は姉上に恋してるわけじゃないよ!
    兄上たちにのせられてるだけだよ!」
 政子「私を好きじゃないなんて……!」
 東国だって、男女関係は政治だろうに、恋愛脳だなこの姉弟……。

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