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★★★★☆
デビュー作である表題作に、「破片」「Water」の三篇を収録。
「最後の息子」が良かった~!
何もせずヒモのような生活を送っている「ぼく」が、
撮影したビデオを見返しながら、友人の死と
同棲しているオカマの閻魔ちゃんとの関係に思いを馳せる。
ビデオを見ている理由とタイトルの意味が最後にわかるのだけど、
閻魔ちゃんのメモにほろっときた。
先に続編である『春、バーニーズで』を読んでしまったので、
ちょっと感傷的な気分になってしまう。
「破片」は長崎を舞台に、母親を失った男ばかりの家族で、
酒屋を継いだ三男と東京から帰省した次男を中心に描いた物語。
なんだろうかこのもの悲しさ……方言のせい?
「Water」は完全にエンターテイメント。
最後の大会をひかえた水泳部の高校生の物語。
青春!