金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

映画:『花とアリス』

2006-03-31 11:36:18 | 映画の感想
映画:『花とアリス』(岩井俊二 監督)
★★★☆☆

女の子ふたりの恋愛と友情、と言ったら陳腐になってしまうのだけど、
美しい映像と小さなエピソードの積み重ねで、淡々と少女期を切り取って
見せたようなお話。
花はキャラクター設定のためかどうにも可愛く見えず、立場も悪く、
なんだかかわいそうなくらいだったけど、文化祭の泣き顔にホロリ。
(最後の先輩の態度は釈然としなかったが……)
どちらかというと蒼井優ちゃんにスポットライトをあてていたのだろうか?
彼女の透明感にうっとりでした。
 
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70:恩田陸『ネクロポリス (上)』

2006-03-31 11:35:01 | 06 本の感想
恩田陸『ネクロポリス 上』(朝日新聞社)
★★★★☆

これも籐子ちゃんライブリーから拝借。
死者に会うことのできる空間アナザー・ヒルと、そこで起こった殺人事件。
日本とイギリスの文化を折衷したような舞台設定に、民俗学の要素を織り込んだ、
ホラー&ミステリー?
恩田さんの作品には「土地」「場所」の存在感を強く感じさせる話が多いですね。
まだまだ前半が終わったのみですが、話の中へ引き込む文章と構成はさすが。
上巻だけですでに、やや長い……という印象があるのですが、
下巻できちんと意味づけさせることを期待してます。
『「恐怖の報酬」日記』で裏舞台を少しだけのぞく気分が味わえた気がして、
ちょっぴりうれしい。


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69:はやみねかおる 『ギヤマン壺の謎―名探偵夢水清志郎事件ノート外伝』

2006-03-29 11:38:08 | 06 本の感想
はやみねかおる『ギヤマン壺の謎―名探偵夢水清志郎事件ノート外伝』
★★★☆☆

巻頭で時代考証についての予防線が張ってあるのがおかしかったです。
多少歴史を勉強した身としてはやっぱりいろいろ気になっちゃって
ヨコシマな心が頭をもたげてきたりもするのですが、
話としてはおもしろいので笑っちゃうんだよね。「怪盗九印」とか。
「大入道事件」のネタというかオチでは、高校のころの生物の実験を思い出し、
しばし気分が悪くなってしまいました。赤いんだよね、アレ……。
レーチと亜衣のからみがなくて残念。
大江戸編は続くということなので、次巻に期待大。

再読本:森絵都『つきのふね』(角川文庫)
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68:アンソロジー 『Love Letter』

2006-03-28 11:40:57 | 06 本の感想
アンソロジー『Love Letter』(幻冬舎)
★★☆☆☆

うーん……。
「図書館で借りてよかった」といったところでしょうか……。
本屋で買ってたら打ちのめされたと思う。文庫ならまだしも、単行本だし。
ラブレターを題材にした11人の作家による短編集。
山崎マキコ「音のない海」は気分が悪くなったし、
三浦しをん「永遠に完成しない二通の手紙」は苦手なネタのオチ。
(漫画で読むなら気楽だけど、このネタ、活字にされるとダメなのです)
いしいしんじ「きまじめユストフ」はおもしろかったです。
一作だけ群を抜いてた感じ。

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67:重松清 『エイジ』

2006-03-28 11:39:31 | 06 本の感想
重松清『エイジ』(新潮文庫)
★★★★★

教材で扱われていたため、再々読。
本当にね、これは名作だよ! 
青春文学好み度ランキングを勝手につくったら、
一位に輝くんじゃないかってくらい大好き
ドラマ版も「newspaper version 」も見たけれど、久々に読み返して
また気持ちが揺れてしまいました。
しかし主人公のエイジやツカちゃんを可愛いと思うわたしは、
「中学生」からひどく遠ざかってしまったのだなあ……と
仕事柄、ちょっとさびしい気も。

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66:田口ランディ 『ひかりのメリーゴーラウンド』

2006-03-27 11:42:18 | 06 本の感想
田口ランディ『ひかりのメリーゴーラウンド』(理論社YA新書)
★★★☆☆

この人の本を読むのは初めて。
なのでふだんの(子供向けでない本の)カラーはよくわからないのだけど、
うーん……あんまり好みじゃなかった。
田口さんの本がというより、「純愛」がダメなのかもしれない。
好きな人が病気で死ぬ→純愛、という図式をどうにも好きになれず。
スピリチュアルな世界にもあまり関心がないし。
でもラストの淡々とした一節には、心が揺れました。
新しい世界に接してどんどん自分の中になにかを構築していったり、
恋愛感情が性に対する興味につながっていったりする過程も、
なんだかなつかしく、まぶしいような気分にさせられるのです。

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65:笹生陽子 『バラ色の怪物』

2006-03-26 11:44:52 | 06 本の感想
笹生陽子『バラ色の怪物』(講談社)
★★★☆☆

貧血で倒れ、眼鏡を割ったことがきっかけで、中学生企業家・三上の
ボディガードを引き受けることになった中学二年生の遠藤。
未知の世界との遭遇によって自分の中の「怪物」に気づくという
いわゆる「14歳モノ」の話ではあるのだけど、
中学生向けにしては核となるテーマがやや観念的で抽象的?
話の展開はあっさりしていて、ちょっと拍子抜けしてしまった。
後味の悪い、すっきりしない感じが、リアルなのかもしれない。

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64:草野たき 『ハチミツドロップス』

2006-03-24 11:46:01 | 06 本の感想
草野たき『ハチミツドロップス』(講談社)
★★★★☆

テキトーでいいかげん、部活のおいしいところだけ味わっていた
ソフトボール部の面々が、やる気満々の新入部員たちに追い出されて幽霊部員に。
シェルターを失った彼女たちの中学生活が揺らぎはじめ、
「自分らしさ」のおりを徐々に壊していく過程が描かれる。
あらすじだけたどるとシリアスに思えるけれど、コミカルに描かれているので、
電車の中で笑いを押さえるのに一苦労。
坂本竜馬の写真を下敷きに入れてたり、教室で野球拳やったり、
それぞれのキャラクターも立っていておもしろかったです。
登場人物が多いせいか、ひとりひとりのエピソードがやや物足りない感じがして、
もっと読みたいなあと思いました。続編出ないのかしら。

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63:梨屋アリエ 『でりばりぃAge』

2006-03-23 11:47:27 | 06 本の感想
梨屋アリエ『でりばりぃAge』(講談社)
★★★☆☆

一時期話題になった「キレる14歳」を主人公にしたお話。
主人公・真名子のすべてが気に入らないというイライラ、
親にひどい言葉を投げつけたり、通りすがりのおじさんを殺す想像をしたりする
鬱屈から来る残酷さが、なんだかなつかしような感じ。
好みではないけれど、描かれているのが自分にも身に覚えのある世界で、
主人公と同世代の頃に読んでいたらきっと心を揺さぶられただろうなあと
思える本でした。

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62:恩田陸 『木曜組曲』

2006-03-22 11:49:45 | 06 本の感想
恩田陸『木曜組曲』(徳間文庫)
★★★★★

再読。
急死した作家重松時子の命日に合わせ、
彼女の邸に集まった親類の女たち。
時子の死をめぐって互いに探りを入れながら、
食べて飲んでしゃべりまくる「もの書き」の女たちのやりとりが
おもしろい。
恩田作品の中では五本の指に入るくらい好きな話です。
乃南アサさんの描く「女どうし」は情念がむきだしで
おどろおどろしいけれど、
恩田さんの場合は知性の激突という感じがして、
また別のおそろしさ。
映画版も、原作の雰囲気を守りつつうまくアレンジもしてあり、
好きでした。

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