金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

映画:『キングスマン』

2015-11-16 10:14:20 | 映画の感想
映画:『キングスマン』(マシュー・ヴォーン監督)
★★★☆☆3.5

【シネマトゥデイの内容紹介】

ロンドンにある高級スーツ店「キングスマン」は、
実はいかなる国の干渉も受けない屈指のエリートスパイ集団だった。
ブリティッシュスーツを小粋に着こなす紳士ハリー(コリン・ファース)も
その一人で、日々極秘任務の遂行に務めていた。
そんなある日、仲間が何者かに暗殺され、
彼は街で不良少年エグジー(タロン・エガートン)をスカウトする。

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以前、映画館で見た予告編が面白そうだったので見た。
不謹慎きわまりない、愛すべきバカ映画。
殺しのシーンが多すぎてグロいし、
終盤の王女の申し出が下品だし、で
好きじゃない要素も多いのだけど、
不謹慎だから笑っちゃいけないと思いつつ笑ってしまうし、
アクションシーンは爽快で、「俺TUEEEE!」の良さが理解できる。
いったいどういう仕組みなんだよ!! と
突っ込みたくなるスパイ用ツールにもわくわく。
感心したのは、主人公の母親を赤ん坊と隔離したうえで、
ストーリーに緊迫感を出す演出。これ、すごく怖かった。
もう少しコメディ色が強かったら、もっと好きになっていたと思う。
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映画:『1001グラム ハカリしれない愛のこと』

2015-11-12 14:51:29 | 映画の感想
映画:『1001グラム ハカリしれない愛のこと』(ベント・ハーメル監督)
★★★☆☆

【シネマトゥデイの内容紹介】

ノルウェー国立計量研究所で働くマリエ(アーネ・ダール・トルプ)は、
結婚生活は思い通りにいかず、単調な日々を過ごしていた。
ある日、研究所の重鎮である父親が病気になってしまい、
フランスで行われる国際セミナーに出席することに。
ノルウェーのキログラム原器を抱え、
パリを訪れたマリエはある男性と出会い……。

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今あらすじを探しに行って、レビューを目にし、
割と評価が高いのに驚いている。
ツマンネという感想が多数を占めているとばかり……。


タイトルとあらすじには惹かれず、
予告編を見て
「大事なキログラム原器を壊してしまい、誰にも知られずに修復する」
という内容が面白そうだったので見た。
実際、度量衡を担当する機関だったり、彼らの仕事だったりは
まったく知らなかった世界だっただけに、非常に新鮮で楽しかった。
「はかること」と人生をからめたフレーズもたくさん出てきた。

しかし、この映画もまた、
「えーっと……そのエピソード、必要ですか??」
と思ってしまう部分が多くて、釈然としない。
離婚や父の死など、大きなイベントは発生しているのに
わりとさらっと流されてしまって盛り上がらない。
恋愛の相手など、「修復する人を紹介してくれた」以外に
ストーリー上の役割を果たしていないうえ、
「ヒロインより背の低い冴えないおっさん、実はインテリだった」
以外の情報がないので魅力がさっぱりわからない。
なんというか、登場人物の多くが美男美女でなければならない理由が
少しわかった気がした。
美男美女ならそれだけで「キャラとしての魅力」や
「絵としての盛り上がり」が多少なりとも成立するが、
外見に華がないと、それ以外の魅力を演出できなければ、
恋愛の行方にすら興味が持てないのである。
この映画の場合、恋愛もとんとん拍子に進み、起伏がないままに終了。
「えっ、もう終わり!?」という感じだった。
作り方によっては、すごく面白い映画になりそうなのになあ。
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映画:『ヴェルサイユの宮廷庭師』

2015-11-01 19:55:27 | 映画の感想
映画:『ヴェルサイユの宮廷庭師』(アラン・リックマン監督)
★★★☆☆

【シネマトゥデイの内容紹介】

1682年フランス。
国王のルイ14世(アラン・リックマン)は、
国の栄華を象徴するヴェルサイユ宮殿の増改築を計画する。
国王の庭園建築家アンドレ・ル・ノートル(マティアス・スーナールツ)は、
庭園の建設をサビーヌ(ケイト・ウィンスレット)という
無名の女性庭師との共同で任されることに。
自由な発想で仕事に臨む彼女と伝統と秩序を大切にしてきたアンドレは、
事あるごとに衝突してしまう。
その後、徐々に彼女の唯一無二であるセンスを認め、彼女の魅力に惹(ひ)かれていく。

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映画館で見た。

同じ日に見た『ヒトラー暗殺、13分の誤算』と同様、
これも「そのエピソード、必要??」と言いたくなるつくり。
だけど、映像が美しい分、こっちの方が満足度は高め。

ヒロインのケイト・ウィンスレットが中年体型でいまいち垢抜けず、
「女だけど頑張って仕事してます!」という庶民っぽさがあってよかった。
だけどやっぱりもとがきれいな人なので、
話が恋愛モードに入ったときに滑稽にならないんだよね。

個人的な好みを勝手に言わせてもらえば、
恋愛とか、それにまつわるヒロインのつらい過去は、いらなかった。
ほのかな恋心や、それが原因で起こる妨害はあってもよかったけど、
「庭造り」だったり「仕事」だったりを
メインに据えた話であってほしかった。
いつの間にか恋愛ものにシフトしてしまい、
「あれ、いつの間に恋心が??」という唐突感があったし、
過去は描かれるけど、庭師になった経緯にはまったく触れられず、
庭師設定じゃなくてもまったく支障はなかった。
ハッピーエンドっぽく終わったけど、
平民のヒロインと国王お抱えの造園家がうまくいく気がしないし。

「薔薇」や「太陽」を用いた比喩などは、歴史的な知識がないとわけがわからないかも。
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映画:『ヒトラー暗殺、13分の誤算』

2015-11-01 19:29:48 | 映画の感想
映画:『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督)
★★★☆☆

【シネマトゥデイの内容紹介】

ある男が単独でナチスドイツの独裁的指導者アドルフ・ヒトラーの
暗殺を企てた史実を基に、男が犯行に至る過程や処刑が延びた理由など
数々の謎に迫る戦争ドラマ。
男の犯行までの生活ととらわれの日々を交錯させ、
過激な犯行に及んだ男の心理や、
第2次世界大戦直後から終戦直前まで男を生かしたナチスの狙いを
ひもといていく。
監督は、『ヒトラー ~最期の12日間~』などのオリヴァー・ヒルシュビーゲル。
主人公の勇気と信念が胸に迫るとともに、
独裁政権の恐ろしさに戦慄(せんりつ)する。

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映画館で見た。

原題の「エルザー」なら、主人公の人生を描いた伝記だと納得できたんだけど……。
邦題がこれなので、暗殺に至るまでの紆余曲折や
つかまってからのゲシュタポとの精神的な戦いが
描かれるスリリングなストーリーだと思ってたんだよね。
ところがどっこい、大部分を占めるのは人妻との不倫なんである。
「13分の誤算」もタイトルになっている割にクローズアップされない。

上の内容紹介には
「男が犯行に至る過程」
「過激な犯行に及んだ男の心理」
が描かれていると書かれてるんだけど、
尺の割にこのあたりはかなり薄かった気がする。
ナチスの台頭から始まって、徐々にドイツがおかしくなっていく様子が
描かれてはいるんだけど、主人公の動機に説得力はないし、
結局なにを描きたかったのか不明。

もちろん、実際の人間の人生は、一つのストーリーとして見たときには
無駄なエピソードだらけだ。
だから、史実をもとにしていると言われれば仕方ないんだけど、
人妻との不倫は、そんなにストーリーの展開上、そんなに重要だったか??
その後の人妻の人生についても
「離婚のあと、二回結婚した。ずっと主人公を愛していた」
みたいなことがナレーションで入っていたけど、説得力がまるでない。

1000円で見たし、「金返せ!!」と思うほどではなかったけど、
始終もやもやした。
拷問や殺人のシーンが多いので、そういうのが苦手な人は避けるべし。
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